表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/85

8話

 他の人の邪魔にならない程度に居るつもりだったが、もう俺は有名人すぎたらしい。校舎から見えないベンチでゆっくりしている。

 娯楽が欲しいな。


 「暇そうにしているわね。」


 今の一瞬で暇が無くなった。


 「違うよ、休んでた。」


 「暇なんですね。」


 クラスメイトの一人の、岡ノ宮さんだ。


 「隣座りますね。」


 「俺はもう休憩終わったし行こうかな。」


「ついさっきでしたよね。」

見てたのかよ。プライバシーも無いのか。


 「待って下さいよ。前みたいにここで二人でお話しませんか?」


 瞬時にここから逃げる言葉が思いつかない。それにこれから行く先もない。


 「いいよ、」


「ありがとうございます。」


「俺は話すことなんて特にないよ。」


「いいです。だから前みたいに私の話を聞いて下さい」


 昔、岡ノ宮さんがこのベンチで泣いてる姿を見つけた。俺はほっとけなくて、話しかけた。


 「私、好きな人が居たんです。」


  知ってる。前に泣いてた時も失恋だったから。だからそんな話を切り出されると返事に困る。


「その人は、私の為にいつも相談に乗ってくれる優しい人です。」


 へー、俺以外にも相談してる人が居たんだ。


「前に失恋した時も相談に乗ってくれました。」

内容も、同じかよ


「いつも優しく相談に乗ってくれる彼が好きになりました。」

 俺への当てつけ?嫌味か?お前より、相談に乗ってくれる優しい好きな人が居るって言いたいのか?


「恋人にはなれなくても、いつかは恩返し出来たら、ずっとそう思っています。だから彼が傷つくことがあったら今度は私が相談に乗ってあげようと思ってました。」

 

「なのにですね。」

一粒の涙が溢れている。


「私はその好きな人を見捨ててしまいました。」

俺以外にもされてる奴が居たのかよ。俺の場合は嵌められたが正しいが


「冤罪を掛けられ、とても傷付いていました。」

俺の時と同じようだな。


 「なのに、私は冤罪を掛けられた時、味方をする所か、好きな人の事を信じきれず、冤罪を掛けた人の味方をしてしまいました。」

幾ら前に相談に乗ってたとはいえ、その話を俺にする?


 「貴方なら、そんな恩を仇で返す女を好きになれますか?」

  急に振ってきたな。


 「絶対お断りかな。」


「正直ですね。そうですよね・・・そうですよね。」

岡ノ宮の涙はさっきより溢れている。流石に察した。


「とりあえず、これ使ってよ。」

 

 「ありがとうございます。やっぱりいつも持ち歩いているんですね、ハンカチ。」


 半年経っても忘れない習慣。


 「また、これ洗ってから返しますから。」


 「いや、そのまま上げるよ。」

返して欲しく無いし、前のハンカチは下駄箱に失望しましたと書いてある紙と置いてあった。


 「いや、今度こそは、しっかり返します!」


 次はラブレター付きで返ってくるのだが、中身を見ずに捨てた


「面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!」


 次はラブレター付きで帰ってきて、中身を見ずに捨てる話は今度書きます。


ーーーーー

  よろしければこちらもご覧下さい。同じエアの作品です。

 

 寮暮らしな俺は嫌われている。

https://ncode.syosetu.com/n4285ib/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この子も謝罪と言う言葉知らん様で。 前のハンカチは下駄箱に失望しましたと書いてある紙と置いてあった これされてるんだし、俺は君に絶望したと返せば良かったのに。
[一言] こういう心死んで復讐する系多いけど大概緩くなるんだよね。 そうならないよう祈ってます
[良い点] 手紙を読まずに捨てる徹底ぶり。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ