7話
久しぶりの学食と久しぶりのラーメンでテンションは最高になる予定だった。
「久しぶりに一緒に食べますね。」
「そうだね。半年ぶりだね。」
せっかくのラーメンの味が前にいる後輩に意識が向いていて味が楽しめない。頭の中に、嫌な記憶が過って仕方がない。
【もう貴方みたいな最低な人は部活に来ないで下さい。チームの身が危ないです。】
それから無言が続いた。
後輩は何度か話をして欲しそうに俺の顔をチラチラと見てる。後輩は先に食べ終わったようだ。量が圧倒的に違う。今度は俺のお椀をじっと見ている。食べ終わるタイミングをずっと待っているかのように。
「どうしたの?お椀返したいんだけど。」
「先輩、また部活に帰ってきて下さい。」
追い出したくせに何を、
「私達の部活には先輩の力が必要なんです。」
チーム全員から、拒絶されたよ。
「 俺の代わりに入ったマネージャーはどうした?」
「辞めました。」
「何故?」
「・・・態度が酷く、マネージャーらしいことも一度もしない為、辞めさせました。」
この学校そんな奴ばっかだな。
「先輩は違います。私達の体が目的じゃなくて真剣にチームが勝つ為に、私がバレーボールを楽しむ為にしてくれました。」
「でも、他にもやりたい事が沢山あるから。」
「じゃあ、私も一緒にそのやりたい事をやらせて下さい!」
「いや、一人でやりたいし。」
「先輩の為なら、お金だって注ぎ込みます。」
「俺を一体何だと思っているの?」
「私の恩人です。」
なら、恩を仇で返して貰っているからもう要らない。
「なら、俺の為に一人にさせて欲しい。」
「先輩、私が悪いんですよね。」
後輩は落ち込んだ顔をし、再び涙を溢し始める。
昔は、本当に凄い頑張る後輩だと思っていた。頑張る姿が好きだった。あの悩みを聞いてから俺はこの頑張る後輩の為に応えようと必死だった。
「なぁ、宮本」
「先輩」
「全国大会で優勝したら、俺のやりたいことを一緒にやっても良いよ。」
「せ、先輩、良いんですか?」
「本当だ。」
あの後の後輩が俺に言った言葉は許せない。
だが、マネージャーとして頑張った記憶は、消し去りたいし、全て憎きバレー部の糧になった事実がとても辛いがあの時はマネージャーとしての楽しみがあったのも事実だ。
「先輩、絶対に忘れないで下さいよ!」
「分かった、忘れないよ。」
マネージャーとして頑張ったからこそ、この約束が叶うことが無いのを俺はよく知っている。
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