67話
「あの、大気くん」
「何??」
「私が痴漢だって言った時のことをまだ怒ってるかな?」
真山 美織(主に5話と20話ら辺)俺に初めに痴漢冤罪をかけた転校生
「・・・」
別に一度も許すなんて言ってないけど、そもそもあんなことをしておいて許せるとか考えるのはやば過ぎだろう。
また怒りを通りこして呆れている。
「そのぉ、私もあなたに助けて貰ったよね」
どうやらさっきのやり取りを聞いてたみたいだ。
「・・・」
昔、この転校生が階段から落ちそうな所を庇って、俺が階段から落ちたことがあった。
「なのに私その時のこと全然感謝しなかったよね」
うん、すごく思ってた。
「ごめんね、今まで言いたかったんけど、言える空気じゃなかったから」
今もだけどな。
「冤罪だと発覚した後、妹さんに呼ばれてね。すごく怒られちゃった。」
そういえば妹が
【お兄ちゃん!私あの時のことは怒っといたから】
と意味のわからないことを言っていたことがあった。俺は何様だコイツ・・・と思って適当に聞き逃したことがあったが、このことか。
わざわざ別の学校なのに言いに行ったとか言ってたなぁ。
相変わらずの暴走だ。
「そのだから、私本当に反省してて、今度こそ大気くんと仲良くしたいなって」
「・・・無理だろ。もう過去は変えられない。」
「そうだよね・・・でもあの・・・これ、私なりに反省ノート」
な・・・なにそれ?
真山は俺に中身を見せるように中のページを開いて俺に見せてくる。
めちゃくちゃびっしり書いてる。
それをど・・・どうしろと??
「お願い。これは私の反省文、これを読んで欲しいの」
やばい、正直怖い。元からトラウマが残ってたけど、今度は別の恐怖が襲って来た。
「・・・これ表紙に①って書いてあるけど」
「うん、⑩まである」
論文より多いだろ。
「私ね、大気くんの転校生ノートを見せて貰ったんだ」
もはや葬りたい皮肉ノートだわ。
「だから、言葉だけじゃなくて紙として、しっかり思いを伝えようと思って。これ読んでね。じゃあ後でね」
「・・・」
トラウマと皮肉の連鎖から何も言い返せないまま思わずノートを受け取ってしまった。
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