46話
学校が終わって、バイトに向かうまで少し時間がある。
「大気!!」
「・・・お母さん」
母親の顔を同じ家に住んでいるのに全く見ていない。
理由は単純で俺が母親が起きるより早く起きて、母親が寝る時間より後に帰るからだ。
「・・・っっ」
母親が泣いている。
「周囲の目線が痛い。」
「大気、お願い!」
「何?」
「今日はバイトでしょ、休みを貰って来て」
「無理だけど」
「お願い、久しぶりに話せる機会がきたの」
いや、しっかり母親が起きればいいだけじゃん・・・と言うより、あの義姉をしっかり見てればいいだけじゃないか
「いや、母親と話すだけでバイト休めないでしょ」
「・・・そうね。元から私が起きれないし、寝るのが早いのが悪いのよね」
「そうだね」
「・・・っ大気、ごめんないさね。ずっとあの時味方しなくて」
味方しない所か敵だったけどな。あともう出てから直ぐに謝ったし、許してないけど
「・・・」
「大気は許さなくていいのよ・・・こんなの許せる訳がない。」
「・・・」
「・・・私、あんなことして母親失格よね。」
正直、冤罪とか関係なく、義姉への態度は元からよくないと思っていた。
「私、これからは母親として、母親になれるように頑張るからね」
正直最近のストレスだけなら母親は低い。会ってないからだ。
頑張るなら義姉に睡眠薬を飲ませることを頑張って欲しい。
「お母さんは、今のままでいいよ」
今の変わらない眠りの母で居てくれ。
「大気・・・本当に!!」
母親は俺の体に頭を寄せてくる。
「うん」
悲しいことに仮令冤罪を疑った母親でも、法律的には母親であることは変わらない。
俺は妹と義姉の顔を思い出す。
心底から怒りと悲しみが湧いてくる。
絶対にこの家から去ってやる。
「面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!」




