40話
俺はずっと会いたかった人に会いにきている。
「久しぶりだな」
「元気ないな大気。やっぱり外は辛いことが多かったか」
「辛いよ。マジで」
相棒の後ろにいる監視官が辛そうな顔をしている。俺もそっちの側でお世話になった。
「とりあえず、辛いことでも何でも聞かせてくれよ。俺たちは愚痴りあってこそだろ。」
そう言いながら笑顔をつくる(もしくは、『見せる』)。
少し前まで大気が何度も見た笑顔だ。
「そうだな。」
時間が決まってるので長く話すことは出来なかったが、釈放されてたあとのことを話した。
相棒は大気の話を聞いて、理不尽な目に遭う大気に悲しみや怒りを感じ、何も出来ないことを悔やんだ。
「大気」
「??」
「悔しいが、俺は何もしてやれない。」
「そんなことはないよ。話を聞いてもらって凄くスッキリしたし。」
相棒は人の気持ちを察するのが上手い。確かにスッキリはしているが、普段のストレスが強すぎてまだまだだ。何よりまだ相棒と呼んでもらってない。
「・・・俺は大気に幸せになってほしい。」
「ありがとう。でも今の状況だときついな。」
「・・・そうみたいだな。」
「でも、せっかく外に出たから幸せになれるように頑張ってみるよ。」
もう時間も無い。
「大気、半年だったがお前の良い所を沢山知っている。だから、他人が裏切っても自分だけは信じて頑張れ!」
「うん」
「大気の優しさ、強さは誰にも負けない、つまり最高の人間が絶対裏切らないってことだ」
「信じてみるよ自分を。それと」
大気は相棒に向かって手を伸ばす。
「俺を知ってくれる相棒を」
「面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!」
エア以外にも、エイプリルフールこそ嘘をつかれない人は居ますか?




