35話
「ずっとおかしいと思ってた!最近は異常な程に眠くなると思ってた。」
「そうね、最近よく元気に寝てるわね。」
「惚けないで!!全部お姉ちゃんが薬を仕込んだでしょ!!」
「それが見つかった時点で隠しても無駄か。」
「なんで・・・なんでそこまでして、私とお兄ちゃんを突き放そうとするの!!」
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義姉視点 過去編
私は疫病神と言われていた。
小さい頃まず父親が亡くなった。急に私に向かって来た車から、私を庇って亡くなったのが理由だ。
母親が再婚して、母親とそして義父は交通事故で亡くなった。
親戚から疫病神と言われて、嫌われた。
義父の親戚である大気のお父さんに私は拾われた。
「良かったなー二人ともお姉ちゃんだぞ。」
部屋に入った時、私に気付いた女の子はすぐに走って行き男の子の後ろに隠れる。男の子は笑顔で私に言った。
「今日からよろしくね、俺大気!!」
「・・・」
私は何も答えない。
私は大気に返事するのが怖かった。関わるとまた失ってしまうと思って。
それからも大気は話し続けて来た。
「何か一緒に遊ぼうよ」「ねぇ、今日は一緒にテレビ見ない?」
でも私は答えることはしないですぐに部屋にこもる。
下から大気と義妹の仲良く話す声が聞こえる。私も本当は二人みたいに仲良くしたいと思うが、トラウマがそうさせなかった。
その日はその知らせが来るまで何も変わらない毎日だった。
私の部屋がノックされる。大気だと思った私は返事をしない。
鍵を解く音がする。
部屋に入って来たのは、義母だった。
「あ、ごめんなさい。」
「・・・」
義母は何も喋らない。義母とは一ヶ月一緒だがまだ話すことが上手く出来ていない。元から話すことを怯えていた私だが、今回はさらに顔が恐らしく感じる。
「貴方、本当に疫病神だったのね。」
「えっ、」
全身に震えが走る。
「さっき・・・電話が来てね。お父さんが亡くなったんだって。」
「・・・うそ」
私の前の義父は義母にとって兄だったらしく、今度は義母の夫を無くしてしまった。
「アンタ、のせいなの?」
私は全身の力が抜けて、恐怖と絶望が走る。
その時
「お姉ちゃん!!今日はってどうしたの?」
大気がやって来た。
「あっ、・・・大気」
「どうしたの?お母さん?」
「ちょっとこっちに来て」
「うん。」
そして、下から大気の泣き声が聞こえた。
私のせいだ。私のせいだ。
その後は誰にも会わず1日が終わった。
葬式が行われることになった。
家族と親戚が集まった。親戚中から「疫病神」と聞こえ続けた。
絶望が深まることを感じる。
「アナタが死ねばいいのに」
その言葉が聞こえて、葬式の会場から何も考えず無意識に飛び降りた。
気がつくと、横にはボロボロになった大気がいた。
「大気、大気!どうして、」
「やっと、話しかけてくれたね。」
「なんでよ、なんで私なんか助けたの?大切なお父さんを私は殺したのに!!」
「・・・殺してないじゃん別に」
「殺したよ!疫病神なの、私の自分のお父さんだってお母さんだって再婚したお義父さんも、大気のお義父さんも。私が殺したんだよ。」
「・・・俺のお父さんは交通事故だよ。お姉ちゃん関係ないじゃん。」
「そうじゃん!私を庇って亡くなったお父さんも!お母さんも、お義父さんもみんな交通事故で亡くなったんだよ。」
「そう、聞いたね。」
「だから、私が居るから呪われているから、みんな死ぬんだよ。」
「・・・馬鹿だな。」
「・・・えっ」
「俺、生きてるよ。」
「・・・っ」
「ほら、生きてるよ。死ぬかと思ったけど生きてるよ」
「今のだって、私が飛び降りたから死にかけたんだよ。」
普通なら死んでる高さから、私を抱きしめて落ちた分更に死ぬ可能性は高かった。
私は本当にこの人を殺しかけたんだ。
「確かにね」
「・・・私は一人で死にたかった。もうこうやって誰かを殺すのは嫌だ。」
「だから・・・生きてるよ。」
「今のだって運が良かっただけだよ!」
「そうだね。」
ボロボロで体中痛そうなのに私を優しく抱きしめる。
「・・・な」
「とりあえず、俺が命懸けで助けたんだからもう自殺とかやめて欲しいな。」
そして、大気は気絶した。
「面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!」
相変わらず過去編が長くなってしまった。
次回は義姉と妹の過去の関係を描けたらいいなと思ってます。




