2話
お父さんは亡くなっている。きっとお父さんなら信じてくれたかな?
今タクシーに乗って帰っている。遠いが全て税金から出てる。
「大気、本当に本当にごめんなさいね。」
狭いタクシーの中で母親や、妹、義姉の泣き声が響き渡る。
タクシーの運転手は事情を知っているのか、前を見つつ時々ミラーで後ろを見ている。たまに映る運転手の顔がとても優しく同情した顔をしている。
「あ、、、、」
さっきから横に座っている妹が手を握ってこようとしてくる。確かに昔はしていたが、もう触りたくない。それにこの手にはあの牢屋で熱いバトル(腕相撲)をした記憶が詰まっている。
「大気、、、私、恩を仇で返しちゃったね。」
義姉は、窓に映る、俺の顔を見ている。
前のタクシー運転車が気まずそうな顔をしてるから止めてくれよ。
「、、、佳奈、そういう話するのはタクシーの中では止めて、」
「ごめん、あと出来ればお姉ちゃんって前みたいに呼んで欲しいな。」
だから、止めろと。
はぁ…
「すいません、運転手さん。音楽とか、ラジオ流して貰えますか?」
「はい!流せますよ!」
「お願いします。」
俺は目を瞑る。
ラジオの話をイメージしている。
たった半年なんだけど、とても懐かしく感じる。
「お兄ちゃん、私ね」
静かにしろよ。イメージを阻害するな、
「何?」
「お兄ちゃんのことを本当は信じてたんだよ。」
【お兄ちゃん最低ー、女の敵だよ。】
俺は頭に染みついたこのフレーズを思い出す。
【お兄ちゃんのせいで学校から私まで酷い目で見られてるじゃん。】
正直これはほんの少しだけ、すまないと思ってる。
【私も、お兄ちゃんにされると思って怖いの!だから近寄らないで!!】
あの時に、妹から犯罪者としての壁が出来た。
「そう、なら悪いけど、静かにして、お兄ちゃん疲れて、ゆっくりラジオ聴きたいから。」
「お兄ちゃん今まで私の話を適当に流したこと無かったよね。」
その逆は沢山あったけど、
でも、3人とも静かになって俺はゆっくりラジオを聴いた。
目を閉じながら、牢屋にいる相棒を思い出す。
ほんの数時間前なのに、もう相棒が恋しい。
代わりに入る奴がいい奴なら良いんだけど、、、まぁ牢屋だし良い奴の方が異端なのだけど、、、
相棒繋がりで、学校を思い出す。
そういえば、クラスでの浮気問題で死亡したこと、冤罪を掛けて、虐めにまで発展したこと、学校は大丈夫なのだろうか、つかまたあそこに通うのか、、、俺、、、
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