19話
今日は一人でゆっくり出来る筈だった。
「お兄ちゃんー!今日は一緒に出掛けよう!」
「俺、一人でゆっくりしたいんだけど。」
「昨日はお姉ちゃんと二人で出掛けたって!!」
またこのパターンか・・・
「予定あるから。」
「えっ何の予定?」
「それは・・・」
「大気は今日は友達と遊ぶんだって。」
横から佳奈がやって来る。
「そうなの?お兄ちゃん?」
佳奈に助けられるのは癪だが、今更嘘をついて付いて来る方が面倒い。
「そうだ。」
「えっ?誰と行くの?お兄ちゃん友達居ないよね。」
こいつストレートだな。確かにもう友達は居ない、代わりに会えないが相棒がいるんだよ俺には。
「クラスの友達みたいよ。確か、村田くんだよね?」
久しぶりに佳奈の話を合わせてあげるという顔を見た。
「そうだよ。」
きっと佳奈のコミュニティを使えば話を通すことも可能だろう。
ーーーーーーーーー
俺は久しぶりに誰にも縛られずにゆっくりする時間が出来た。
子ども達が公園で遊ぶ姿が目に映り、とても癒される。あの場所では見れるものじゃ無いからな。
そういえば、○リコンのヤツとか居たよな。絶対に子ども達に会わせてはいけないな。
相棒は元気にしているだろうか?来週辺りに面会でも頼んでみようかな。俺の愚痴を沢山聞いて欲しいし。
その時に聞いた話を思い出し、何となく怪しい場所を見ていると、
「やめて下さい!!」
女の子が見るからに男性に襲われそうになっている。
「いいじゃねか」
「よくないね。」
腕の力弱いな。
「はぁ?何だお前??」
男は俺に威嚇するがもっと怖いヤツばかり見て来たからな。
「大気くん?」
どうやら、クラスメイトの赤町さんだったようだ。
「安心して、俺はこんな雑魚に負けないから。」
「何だと!!」
こぶしが来るが余裕で避けられる。
「遅いな。あとこれで防いだの2回目ね。」
「何、少し防いだくらいでイキってんじゃねぇよ!!」
また避けて、すぐに足が来るがそっちも避ける。
「分かりやすいな。君顔だけで脅しとかしてたタイプだね。」
「黙れ!」
「君はまだまだガキ。本当の人達は相手の動きを読んでファイトを掛けて当てて来るし、何よりこんな明らかに襲うことはしない。」
「だから黙れって!」
そして、もう一度俺に攻撃をしようとして来た頃、背後に忍び寄っていた警察官が取り押さえていた。
「すぐ近くに警察署があるのに凄い度胸だね。」
俺は警察官に事情を話をした。
そして、
「あの、大気くん」
「何?」
「ありがとう」
「俺が勝手にしただけだから良いよ。」
マジでお礼とか要らない。赤町さんも冤罪の時に俺を信じず、冤罪に加担した側だった。
こうして、俺の一人の時間は潰れてしまった。
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