18話
俺はあの場所から出てから初めて希望を感じている。
今日頑張れば、明日は一人になれる。
「大気とお出掛け!お出掛け。」
佳奈は鼻歌を歌っている。
義姉と、無くなっていたノート等の文房具を主に買った。他にも漫画等の娯楽の道具を買った。
そして、佳奈はクレープを食べながら噴水で休んでいる
「覚えてるかな?ここでのこと?」
「うん」
「嬉しいな覚えてくれて」
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小さい頃
初めて佳奈にあったのは佳奈の両親が亡くなった葬式の日だった。
そして、佳奈は親戚に引き取られた。
噴水で泣いてる少女を見つけた。よく見たら服装はボロボロだった。
「君大丈夫?」
「・・・!」
女の子は驚いた顔をしていた。
「とりあえず、ハンカチ顔を拭いてね。」
パシッ!
手を叩かれ、ハンカチは噴水に落とされた。
「貴方、何しに来たの?私の嫌味でも言いにきたの?」
「・・えっ、え?何のこと?」
「とぼけないでよ!家族が亡くなって、親戚に引き取られてこんな姿の私を笑いに来たのでしょう。」
「なんの・・・あっ!」
俺はさっきまでこの少女が葬式の時にあった女の子だと気付かなかった。
「嘘をつかないで!みんな私のことを虐める!お母さんが親戚の人達は嫌ってるからって、私のことを。」
「ごめん、俺は何も知らなかった。」
「そんな訳ないでしょ、なら何でここに居るのよ!」
「たまたま、買い物に・・・」
「嘘・・・」
グーとお腹の音が聞こえた。
「そうだ、ちょっと待っててね。」
「何よ?」
近くにあったクレープを買ってきた。
「一緒に食べよう。」
佳奈は素直に受け取り、必死に食べる。相当お腹が空いていたようだ。
それから俺は両親に話をし、佳奈を引き取るよう頼んだ。話は直ぐに進んだようだ。
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現在
「このクレープはあの時からずっと大切な思い出の味なんだ。」
「・・・」
「私は、貴方に助けて貰ったのに恩を仇で返してしまった。」
佳奈は立ち上がると、座っている俺の前に来る。
「今度は私が貴方を救うからね、絶対に!」
とりあえず、明日は一人にさせて欲しいと願った。
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寮暮らしな俺は嫌われている。
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