17話
いつも通り、佳奈だけが起きている。
「大気、明日一緒に私と出掛けない?」
明日は土曜日で休みだ。
「ごめん、明日は予定ある。」
「予定って何?」
少しだけ佳奈の顔が強張っている気がする。
「行きたいところがある。」
「誰と行くの?」
出来れば嘘をついて誰かといくと言いたい所だが、佳奈は情報を入手する能力が高い。とっくに俺に友達が居ないことは分かっている。なので、嘘で高校の人の名前を言うとバレるし、知らない人なら付いてくる可能性がある。
素直に、
「一人で」
「なら、私も行く。」
嘘ついて、一人でしか行けない場所と言っても後を付けられてバレる可能性がある。
「一人でゆっくりしたいんだ。」
出来れば高校の卒業までずっと。
「昔はそんな事言わなかったのに。」
みんな同じことを言うな。
「変わったんだよ、半年で。」
「私も半年も会えなくて寂しかったから、一緒に居させて。」
自分で会えなくした癖に・・・
「会えなくてたまに寂しくて泣いた日もあるんだよ。」
今も、少し半泣きになっている。俺には逆効果なのが分からないのか?
「そうなんだ。」
としか、言葉が出ない。
「やっぱり大気変わったね。絶対に今の話を聞いたら、楽しいことを考えて励ましてくれるのに、」
義姉も半年で天然?の嫌味女になったようだ。
「半年で暗くなっちゃったからさ。」
佳奈は俺の手を掴み、
「大気、もうここは前いた場所と違うよ。だから、これからはもっと前みたいに楽しくしよう。」
と目を真っ直ぐ見て話してきている。
なら楽しむ為に一人にしてくれよ。
「明日は私も一緒に出かけるからね。」
これは、何を言っても聞かなそうだ。
「分かったよ。」
「えっ、いいの?」
それしか選択肢ないだろう。
「明後日を一人にしてくれるなら。」
「いいよ、それで!やったー!楽しみ!ずっとこの時を待ってたから。」
佳奈は泣きながら笑顔でいる。
反対に俺は地獄だか。
岡先輩もだが、どうして俺に付いてこようとするのか。
「明日どこ行くの?」
「買い物」
俺が居ない間に色々な物を捨てられたからだ。
「なら完璧デートだね。」
俺からしたら捨てられた物を買いに行くゴミ拾いだよ。
この後勝手に行く場所を追加され、起きる時間も決められた。そのせいで早起きが確定してしまった。
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