16話
放課後
廊下を歩くと、多くの人が俺を見る。中には昔は仲がよかった、他のクラスメイトや後輩、先輩も居る。だが目が合うと避けるように別なところを見る人が大半だ。
「た・・・」
俺のことを話しかけようとして、やめる人もすでに数人いる。
「たいき」
背後から声を聞いた。
「何ですか?岡先輩」
「リアクション薄いな。大気」
前までは、この岡先輩に会う時はいつも俺が驚いて奇声を上げてから会話が始まる。だが、今回は、声をかけられた時に驚きよりも力が抜けしんどさが一番来てしまった。
「すいません。俺ノリ悪くなったんで。」
先輩は笑っている。
「それは、仕方ないよね。半年捕まってたんだし!」
昔から変わらない、岡先輩は基本笑って明るい人だ。
岡先輩はよくドジを出して失敗をしてしまう。去年の文化祭でも失敗したが、笑ってやり過ごしていた。
「・・・そうなんですよ。」
「あはは、そりゃ仕方ないよね。」
だが、そんな先輩も笑なく暗い姿を見せた。勿論俺が冤罪を掛けられ時だ。笑う顔では無く俺を睨みながら「裏切り者」と俺に言って来た。
「ねぇ、だったらさ、私がまた笑えるようにこれから楽しいことをしようよ」
「・・・俺これから一人で楽しいことをするので大丈夫ですよ。」
「え、いいじゃん!せっかく久しぶりに美人な先輩に会えたんだしさ。」
どいつもコイツも。
「すいません、一人でやりたいので!」
「もう、そこまで言うならいいよ。」
そして、先輩は不安そうな顔をしながら去った。
先輩こそ変わっている。前までなら断っても笑顔で次の約束を取り付けてから戻っていた。
ーーーーーーーーーーー
ゲーセンで音ゲーをしている。
久しぶりでも、全然出来るぞ!
激ムズに挑戦し、かなりのコンボを積んでいる。後半でコンボを切らすことは致命傷なのでこのままミスなしでいきたい。
いける、いけそうだ!あと少し!いける!
「よっと!」
はっ??
横から勝手に操作されて、コンボが切れてしまった。
「ついて来ちゃった。」
岡先輩が来ている。
「あ、大気、クリア失敗してるんじゃん。」
岡先輩は笑っている。
「・・・あの、とりあえずあと一曲あるので、話は終わってからでいいですか?」
「え、まだ出来るの?なら私も同じ曲やらせてよ。」
勝手に難易度で簡単を選ばれてしまった。
先輩が失敗し、その後スコアボーナスの操作を終える。
「大気、ゲーセンだったら二人で遊んだほうが楽しいよ!前も一緒に良く遊んだじゃん!」
「すいません。先輩、俺一人で音ゲーをやりたいので・・・」
「じゃあ、横で見てるよ。」
「それは・・・それでいいです。」
俺は連続でプレイし、2回目の途中で先輩は痺れを切らしてまた邪魔をした。
「一緒に遊ぼうよ!」
「俺用事あるので、帰ります。」
「えー!なんでよ!」
「このあと、やりたいことがあるので、」
「何やるの?」
「調べ事です。」
「調べこと?」
「はい。」
「そんなの携帯使えばすぐ終わるじゃん、あと折角二人なんだしさ!」
だるすぎぃ
「ごめんなさい、俺調べごとがあるので」
強硬突破のダッシュで逃げた。
「待って、たいき!」
カフェに逃げてしばらくゆっくりした。
「面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!」
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