14話
バレーボール部 島村視点
宮本から聞いたこと
【優勝したら大気先輩が私達のことを許してくれるかも知れない】
とチームメンバーが聞いてから人が変わるように練習に打ち込んだ。本当に、皆はがんばり過ぎている。いつそのことが原因で大きな怪我をしてもおかしくない。練習をサボり気味だった子も見違えるように頑張り過ぎている。中に練習の為に彼氏と別れた人もいた。
「監督、部活を強制的に止められないのですか?」
「あ、本当にとても不甲斐ないが止められない。仮に部活を今止めたとしても、部員達は隠れてするだろう。」
普段は厳しいけど、部員達が強くなることに気配りする部員思いの人だ。監督も大気が部活のマネージャーを辞めたことに大きく関わっている。監督は大気を信じてあげられず、チームの集中に邪魔になるからと追い出した人間の一人だ。そして、私達が冤罪を知った頃、監督の言動や厳しさは変わらなかったものの白髪が増えていった。
そんな監督の前で、監督の言葉を無視して一度も休憩を取らず、ずっと練習をしている部員達が居る。
監督の止める言葉もいつもより覇気が無い。きっと練習を止めないことによって、限界を超えてまで練習して優勝して欲しいという気持ちがあるのだろう。
「まだまだ!!」「こんなんじゃ、優勝出来ない!」
私は大気と一緒に、部員一人ひとりに合わせた練習メニューを組んでいたから尚更分かる。このままじゃチームが崩壊する。
「島村先輩ー」
後輩の宮本がやって来た。
「先輩ももっと頑張りましょう!練習すればする程上手くなるんですから。」
「まって、このままだと負担が」
「無理し過ぎなのは部員達みんな分かっていますよ。」
「なら」
「でも私を含めた皆が体を壊してまで、先輩にもう一度マネージャーやって欲しいから頑張っているんですよ!先輩もそうですよね。」
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大気がマネージャーになる頃の話
「大気ノートを貸して!!」
「良いよ、いつも練習頑張ってるみたいだし。」
「本当にありがとうね。」
「うん、それよりも大会頑張ってね。」
「ノートを貸してくれた大気に応える為に頑張るね。」
大会の前日私は練習のし過ぎで足に負担をかけ過ぎてしまった。
「島村ー大丈夫か?」
「大丈夫だよ、これくらいっつ」
「凄く痛そうじゃないか!」
そして、その日は立つことが出来なかった。
「面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!」
過去編続きます。
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