12話
「起きて、お兄ちゃん。」
「・・・あれ・・・寝坊した?」
「違うよ、私がはやく起きたからお兄ちゃんも起きて話をして欲しくて。」
鬼畜か!学校に行く2時間前に起こされてしまった。
「眠いから寝ていい?」
「ダメせっかく私が早く起きたのに。」
相変わらず理不尽な妹だ。
「何故か、お兄ちゃんが戻ってくるって分かった日から夜眠れないんだよね。」
俺の呪いの所為じゃない?
「で、何故俺を起こした?」
「お兄ちゃんと全然話せないからだよ。」
「で、話をしようってことね。でも俺も眠いし会話に集中出来ないと思うからやっぱり寝ていいかな?」
「駄目だよ、こんな時じゃないのと話を出来ない。」
俺はしないように遅く帰っているんだけどな。
これは寝ても起こされるな。
「分かったよ、何の話をするの?」
「それはね、お兄ちゃんが居ない時の家族の面白エピソード。」
ここまで来ると怒りより呆れだな。
それから1時間近く面白くない話を聞かされた。
「お兄ちゃんの居ない半年でね、私告白10回以上されたんだ。」
今度は自慢話かよ。
「でも、お兄ちゃんより良い人は居ないから全員断っちゃった。」
【お兄ちゃんなんて最低の虫以下だよ。】
妹の視界には何が映っているんだろうか、
ーーーーーーー
義姉視点
油断した、大気と義妹が起きて話をしている。昨日は睡眠薬を飲ませる前に寝てしまった。まさか朝早く起きて強引に起こして会話の機会を作るとは、予想外だった。
私は大気の部屋に置いてある盗聴器を使って会話を聞く。
基本的にダラダラしたつまんない会話を義妹が一方的にしてるようだ。
告白された話に変わった。
実際はその多くが私に告白し失敗した人間が妹に告白しに行っただけだ。私が「妹は今大変傷付いているから、私より妹を好きになってあげて」と言うとみんな本当に義妹に告白に行った。
私は知っている。誰一人として付き合って居ないのは事実だが、「仮期間とかで良いかな?」と男を騙して、様々な物を買わせていた。
【お兄ちゃんより良い人は居ないから全員断っちゃった。】
バラしてやりましょうか?
でもここは待った方がいいと考えた。義妹と大気は血は繋がっているが、大気へ特別な気持ちを持つ彼女は私にとって天敵だ。
もし仮に万が一大気が私でなく義妹を選んだ場合、この情報をバラして大気の救世主になろう。
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休日満喫して来ました。
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