10話
母視点
「私、いつの間に寝てたの?」
昨日は、大気が帰ってくるまで起きてるつもりだった。
そうだ!大気は帰っているの?
既に大気達は学校に行ってる時間だった。
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大気視点 朝 授業前
「マネージャーに戻って来て!」
今日はクラスメイトの島村に頼まれた。
「ごめん、俺忙しいから無理。」
最初はこの島村に頼まれてマネージャーをやっていた。
「出来れば戻って来て欲しいの。」
だから、戻るかよ。
「みんな、その・・・トラウマがあってさ。昨日その克服する方法を知ったみたいで異常な程に練習を頑張ってるんだよね。」
「頑張ってるならいいことじゃん。」
「頑張りすぎなんだよ。このままだと体が壊れちゃう。」
「それは監督とコーチに頼まないと。」
「違うよ、監督もコーチも止めてる側なの。」
おいおい、そんな反乱中なら俺が止めれる訳がない。
「そもそも今更、俺が戻ってもむしろ集中出来なくて邪魔になるだけだろ。」
「それは・・・」
違うとは言い切れないか
「さっきも言ったけど忙しいから無理だよ、ごめんね。」
「分かった。戻れるなら戻って来てね。」
絶対ない。
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昼休みになって直ぐに九間に話しかられてしまった。
「大気、今日ぼーっとし過ぎじゃない?」
「確かに考え事ばかりしてたかも。」
「何か考え事あるなら、幼馴染の私に頼りなさい。」
九間は小学校からの幼馴染だ。
「いや、そのね。」
将来どうやって生きようかなと考えていた。俺から将来を奪おうとした犯人達に教えるわけがない。
「大気、辛いことがあるならはっきり言いなさいよ!そしたら私が慰めてあげるから。」
昔、九間はクマと読めることからバケモノとあだ名を付けられていた。本人はそれを笑って受け入れていたが、俺は影で言われたことを気にして泣いてる姿を見たことがあった。ほっとけなくて、(辛いことがあるなら言った方がいいよ。そしたら俺が誰も言わないようにしてあげるから)そう言ったことがあった。
「ほら、大気。言ってみなって。」
「・・・」
どうやってこの気分がどんどん悪くなる状況から抜け出そうか。今日の面接が不安なことを話すか?いやバイト先がバレることが困る。
「ほら、ほら」
「特にないよ。」
普通にこれが一番だな。
「嘘だー!幼馴染だから分かるもん!不安な顔だった。」
分かるなら、この会話をするごとに俺の気分が悪くなっていることを察しろ。
「学食出遅れたことかな。」
「それは確かに嫌だね。」
こんな簡単な返事をすぐに思い付かない程、さっきの九間の言葉は効いていた。
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寮暮らしな俺は嫌われている。
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