1話
「釈放だ。」
「えっ、急にどうして?」
もう半年はここにいる。
「冤罪が認められた。良かったな。」
「、、、今更だよ。」
「良かったじゃねぇか相棒!」
後ろから相棒が俺を抱きしめる。
「、、、」
複雑。ここでの生活は辛かったから出たい気持ちはあった。けど外では壮絶な裏切りに遭い、そっちも十分地獄だった。
「、、、本当に、本当に良かったな。お前、外では孤独かもしれないけど、楽しくやれよ。」
「、、、うん。俺も頑張る。今までありがとうね。相棒。俺、お前が釈放されるの待ってるからな。」
「おう!外で会おうな!」
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そして、家族が俺を迎えに来た。
「大気!!」
「お兄ちゃん!!」
「大気、ごめん!ごめんね。」
家族は俺に抱きついた。
「はやく離れて、鬱陶しい。」
「、、、ごめんね。大気」
「、、、お兄ちゃん、、、前までは絶対にそんなこと言わなかったのに」
「大気、辛い目に遭わせてごめんね。」
俺は今が辛いよ。
それより、相棒との感覚が薄れるマジで止めてほしい。
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半年前
いつものようにクラスで楽しく話をしていた。
「大気ー!部活の助っ人ありがとうな!」
バスケの助っ人で、人が居ないから助っ人に入った。練習も沢山して楽しかった。
「俺も楽しかったからいいよ!また誘って!」
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「大気、ノート貸してくれてありがとう本当に分かりやすかった。」
わざわざ、おまえ用にノートを作って良かった。
「うん、バイト大変そうだからな。普段頑張ってるから少しくらい人に頼っても罰は当たらないよ。」
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「本当に面白かった。キャラもカッコいいし!話も回し方もいい!ただ、、、このコマとか、、、」
それから良いところや悪いところの漫画アドバイスをしている。自分で言うのは何だが、他の漫画も沢山読んでいるのでアドバイスは出来る方だ。
「ありがとうございます。アドバイスありがとうございます。」
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「薪が犯人なんて決めつけちゃ駄目だよちゃんと見て調べないと」
「大気くん、、、」
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「大気、ありがとうね。金貸してくれて。」
「いいよ、俺のバイト代だし、今度しっかり返してね。あとこれは妹さん達に。」
むしろ、本当はあげたいくらいだけど遠慮しそうだしね。
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「私、たいき、、、くん、しか話せる人居ないから。」
「あはは、俺しか話せる人が居ないのは嬉しいよ。だって独占出来るからね。」
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俺は人の喜ぶ顔が大好きだった。
「いつも手伝いありがとうね。お母さんいい子に育って嬉しいよ!!」
「お兄ちゃん!大好きー!褒めてくれるし、優しいし自慢のお兄ちゃん!!」
「大気。いつも言ってるけど、あの時大気が助けてくれなかったら、私今頃どうなってたか分かんない。本当に大気のお姉ちゃんにさせてくれてありがとう。」
それが幸福だった。
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ある日二人の転校生が来た。とても美人な人と、イケメンの人。
俺は二人とも仲良くしたかった。
だけど二人とも何故か俺とは話をしてくれなかった。それ所か
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「大気が私に痴漢したー!!」
俺は転校生の女の子に冤罪を掛けられた。
クラスでは誰も味方をしてくれなかった。転校生の女の子はとても人気者だった。俺の味方をしたら嫌われるからだったのだろう。
だが、家族は味方でいて信じてくれた。少し妹と義姉に怒られたが
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そして、俺はたまたま転校生の平松くんを見つけて話そうと思ったら、彼が誘拐している場面に出遭った。俺はすぐに追いかけて被害者を助けようとしたが、嵌められた。その被害者に、平松くんではなく俺が誘拐したと言われてしまった。しかもかなりひどい内容のことを。
クラスでは完璧に信頼が無くなった。家族まで。
みんな俺に嫌がらせをして、悪口を言い、無視して散々だった。そして、俺は警察に捕まった。
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釈放後
平松くんは刺されて死んだようだ。そして沢山いた浮気相手の一人で、俺のクラスメイトだった子が、俺の冤罪を訴えたようだ。だが、警察では冤罪に対する証拠は集まっていて、その前に釈放は決まっていたと教えてくれた。わざわざ教えてくれたのは、きっと俺への同情だろう。
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