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三人称視点に挑戦してみました!!
ブックマークありがとうございます!
ウっ....急に恥ずかしくなってきた。歓喜の声は未だに収まらないし。
僕は、来た道を帰るように廊下を歩いていたんだが、何か他の人と違う視線を感じた。
僕がそっちを見ると、紫色のプレートを付けた男が拍手していた。
「君強いねぇ~僕ほどじゃないけど」
「何ですか?藪から棒に?」
「いや、君と戦ってみたいな~って思ってさ、だから早くここまできてね」
瞬間、突風が吹いたかと思ったら男の姿がなくなっていた。
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クエスト
マスターランクからの使者
説明:闘技場マスターランクへの到達
報酬:好感度によって変動
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あの人マスターランクだったんだ。
僕はそのまま12番の待合室に戻って来たんだが、何だこれ?
「嬢ちゃんスゲーじゃねぇか!あいつはボブって言って、新人潰しで名前が挙がる程の奴だったなのに、まさか一撃なんてやるじゃねえか」
「ほらな言っただろ嬢ちゃんが勝つって、おいお前逃げようとしてんじゃねぇ26倍とか言ってたよなぁ?」
「待てって、じょ冗談だったんだって」
待って!地味に僕を賭け事の対象にしてない?
「えっとありがとうございます?」
僕が返すとみんなが急に笑い出した。
「お前、お前wwwこう言うのは普通突っ込み入れるとこだろwww」
突っ込みを入れる所だった、らしいが僕には、その突っ込まなきゃいけない精神わかんないからなぁ?
「な、なんでやねーん」
急に場が静まりかえった。あれもしかして違かった?
「www嬢ちゃんサイコww強い上に、こういうノリにも乗ってくれるのなww」
『ブロンズ12番リン選手リング8番へ移動してください』
『ブロンズ12番ハゲカケ選手リング8番へ移動してください』
今賭け事で負けた人が相手らしい僕と一緒に廊下に出る。
「嬢ちゃん楽しい戦いにしような!」
えっと超簡単に言うと決着は一瞬だった。
相手が剣を持って突っ込んで来たから、大鎌投げて牽制、そのまま真っすぐ相手の元まで行って拳を腹に叩き込んで蹴りを股間に放ったら終わった。
その次の試合は、大鎌による一撃、次は蹴り、次は殴り......
次でラスト今までの相手は正直全然強くなかったから、今回のもあんまり期待できないんだよなぁ
僕は歩いてリングまで歩いてく。隣の人が相手なんだろうけど何かこの人の視線気持ち悪いんだよなぁ
「えへへごめんねリンちゃん、実は僕第一陣の人間だからLv24あるんだよね」
えっと..僕のLvが2だから12倍!?
フ,フフ,いいね、いいねぇ面白いよそう来なくっちゃ今までが面白くなさ過ぎた。
今まで何度も見てきたカウントダウンが始まる。観客は一試合目とは見違えるようで200人近くはいる。
カウントダウンコールが始まる。
5、4、3、2、1、0
次の瞬間、彼の姿は消えていた。リンは見えなくなった彼を警戒しながら大鎌を取り出す。
リンは気づいたら壁まで飛ばされていた。「な!?何をしたぁ??」リンの顔は歪んでいた。別に相手に顔面を殴られた分けではない。相手の攻撃に、次受けたら一撃で死ぬという緊張から彼の顔は笑っていた。
彼の姿がもう一度消える。リンにとって眼で見える情報は一部でしかなかった。リンは目を閉じ相手を視ていた。敵が拳をリンのお腹に当てようとしていたが、リンはその手に持つ大鎌で敵の拳を受け止める。受け止めるとまるで衝撃が突き抜けるような感覚と共に少し後ろに下がる。
リンが後ろに飛ばされるのと一緒に大鎌が敵の首に当たるが大鎌の刃では敵の首を切れなかった。
後ろに飛ばされたリンはもう一度大鎌を構え敵の攻撃を待つ。
「君の事をまってたよぉ」
「それは光栄なことで」
瞬間リンが大鎌でパリィを成功させ、もう一度首に大鎌の刃を入れ切れない。
「ごめんね~レベル差がなければ多分勝ってたんだろうけど」
「いいねぇいいねぇ君みたいなの楽しくて好きだよ」
リンと敵は刃と刃を打ち合う。当然ステータス差のあるリンは普通に打ち合っていれば、速度がまず間に合わないだが、リンは目をつぶり敵が何処を攻撃するのか予測しながら打ち合う。
敵の攻撃が止む度にさっき当てた首に何度も何度もたたき付ける。
首に当てたはずの大鎌からは火花のような者が飛び散る。
観客からしたら、ブロンズ帯のはずなのに、ここで行われてる戦いはプラチナ帯のそれだった。
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2時間後 相手視点
「君まだやるの?いい加減泥沼を抜けたいんだけど」
「ええぇ?まだ2時間しか経ってないよまだまだできるよねぇ?」
ここに来て初めて相手、今日偶々コロシアムで運命的な出会いをした男は恐怖した。この人は化け物だと
自分はただ可愛い女の子がいたから付けて行っただけなのに、もう女の子とか言ってる場合ではなくなっていた。彼のHPは既に半分を切っていた。
首に鎌の刃が当たり何度も1ダメージ受けてきた。でも1ダメージだ。僕の体力は215あったはずなんだ。なのに今はもう25しかない。それにこの子さっきからどんどん動きが良く
――ガリン
まただ。また自分の首にあの鎌がもう何度目かわからない程受けた。僕の攻撃は彼女には当たらない。
それなのに彼女は僕の首に鎌を当てるのがどんどん効率良くなって行く。
正直もうギブアップしたかった。でもそんな事上にいる歓声が許してくれない。今もし降参なんてしたら、このゲームができなくなってしまうかもしれない。
そんな考えが過り、僕は負ける事が出来なくなっていた。