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取引

朝ごはんを食べたアランはまたあの森の木へと向かっていた。

アランは座り込み宝玉に向かって真偽を確かめるために話しかけてみたが反応は無かった。

中には豹の絵が見えていると思ったら横から見てみると立体の豹だった。

アランは中の豹が気になりどうにか取り出そうと試みようと近くの石を使って割ろうとしてみた。

-ガキン!!-

宝玉には傷一つつかずむしろ手に持っていた石がかけてしまった。

その時アランのほうに向かって何かが向かっていた。アランはそのことにはまだ気づいてはいない。

アランはほかの石を使ってどうにかして宝玉を割ろうとしてみるが結果は変わらず傷一つつかなかった。

「なんだよこれ、どうやったら割れるんだよ。」

アランは疲れて空を見上げてみると無数の鳥が同じ方向へと一斉に飛んでいくのが見えた。

アランは鳥たちが来た方向を見てみるとこちらに向かって砂埃を立てながら何かが向かってくるのが見えた。

アランは立ち上がり大きな木の陰に隠れ砂埃を立てる正体を見た。

その正体は大きな全身黒い牛だが突進してきていた。その牛はまるで我を忘れているかのような様子に見える。それにまるで鳥のような翼も生えている。

この世界ではムッカと呼ばれているようだ。

ムッカはまるでアランのことが見えているかのように一直線に突進してくる。

「なんでこっちに来るんだよ。」

アランは両手を口元で丸くしてしゃがみ震えていた。

地響きがどんどん近づいてくる。

口元で丸めていた手を両方の耳に当て音を聞こえなくした。

少しして手を耳から手を外してみるとさっきまで聞こえていた音も地響きもなくなっていた。

アランはゆっくり反対側の様子をのぞき込もうとすると

‐ズガン!!!-

と大きな音を立て目のまえに砂埃が舞う。

砂埃の中目を凝らしてみると怪しく光る目が見えた。

砂埃が晴れ姿を現したのはムッカだった。

それもアランの知るムッカとは一回り以上大きいサイズのムッカだった。

アランは逃げた。

全速力で逃げた。

その姿をムッカはただただ見ていた。

アランは、後ろを振り返るとムッカが前傾姿勢をしてアランめがけて突進してきた。

その速さはアランが死に物狂いで走った距離を一瞬で縮めた。

ムッカの持つ角がアランの胴体に突き刺さりそうにになった瞬間急に目の前が真っ暗になった。

次の瞬間にはあたり一面炎の海になった。

そこには一匹の豹がいた。豹の前を炎が被ると豹は大人の男の姿に変わった。

「お前このままだと死ぬぞ。」

目の前に現れた悪魔に急に告げられた一言に動揺を隠せなかった

「・・・!」

声を出そうとしたが声が出なかった。

「お前はこの後確実に死ぬ。取引だ。お前の命は助けてやる。その代わり体をよこせ。」

急に出された取引に驚いた。

「取引の件だが命があっても体がなければ意味がないそう考えているんだろ。確かに体がないと困るもんな。安心しろ体はお互いに仕える俺にお前と俺を切り替える主導権をよこせと言っていると解釈してもらって構わない。どうだ?これならいいだろ。」

悪魔は上から目線で生意気そうに話しかけてきた。

「嫌だ!!」

悪魔はこちらを睨みつけた

「お前話聞いてたか?このままだと死ぬんだぞ?それでもいいというのか。」

悪魔はさっきよりも低い声で言ってきた

「死にたくはないさ。俺だってまだ生きてはいたいよ。でもな、俺の家族を殺した奴の力を使ってでも生きたいとは思わない。」

アランは悪魔に向かってそう告げた。

「わかった、じゃあ別の取ひ・・」

「うるさい、取引どうこうの問題じゃない。」

悪魔が再び取引を持ち掛けているところを割って入るように言った。

「そうか、じゃあしょうがない。お前の命もここまでだ。じゃあな。」

悪魔は何かを焦っていながらも話を途中で切り姿を豹に変え炎の中に消えた。

どうやら、俺は瞬きをしていたようだ目を開けるとムッカの角が突き刺さるまで20㎝もなかった。

死を覚悟したアランはまた目を閉じた。





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