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新しい仲間

アランは買い物のため市場に向かっていた。

市場に向かう途中に教会の前を通ったが教会は全焼していた。

教会の前には物珍しそうに見る人が集まっていた。

「燃える前に中には聖女様しかいなかったそうで今も行方不明なんだって。」

「俺は、聖女が教会を燃やした犯人なんじゃないかって聞いたぞ。だから姿を現せられないって。」

「聖女様もほかの人みたいに襲われて亡くなったって聞いたけど。」

町ではいろんな憶測が飛び交っていた。

アランは教会と話す人たちを横目に見ながらその場所は足早に市場へと向かった。

市場まで付くとそこは教会の話は無く賑わっていた。

アランはそこで食料とレイミヤ用の服を買って今度は市場に来る時とは違う道で帰った。

ブラウン亭につき自分の部屋に戻っていく。

「お待たせしました、食べ物と服を買ってきました。」

アランが部屋に戻るとレイミヤは窓に向かってお祈りをしていた。

レイミヤはアランが部屋に帰ってきたことにまだ気が付いていないようだ。

窓に向かい両手を合わせ目を閉じ少し頭を閉じお祈りをしている。

アランはレイミヤがお祈りをしていることに気が付き荷物を机の上に置きお祈りが終わるのを待った。

小一時間立つとレイミヤは姿勢を崩して一息ついた。

どうやらお祈りが終わったようだ。

「お疲れさまでした。」

アランはレイミヤに一声かけるとレイミヤはその場で飛び上がった。

アランがいつの間にかいるのでレイミヤは驚いた。

「お、お戻りになっていたのですね。いつもは一人でおこなっていたものですから。」

レイミヤは胸に手を当てアランに話した。

「驚かせるつもりはなかったんですけど、すいません。あ、そうだこれ、いつまでもその格好というわけにはいかないので服を買ってきました。食べ物も買ってきたので落ち着いたら教会に向かいましょう。」

アランはレイミヤに買ってきた服を渡した。

「あの、きょ・・」

「すいません、ここにいたら着替えられませんよね。今すぐ出ていきます。」

レイミヤは何かアランに伝えようとしたがアランは着替えるのにここにいるのはまずいと思いレイミヤの話を聞かずに部屋の外へと出ていった。

レイミヤは残念そうな顔をしながらもアランに渡された服に着替えた。

一方アランは部屋の前でドアに寄りかかりうずくまっていた。

「あ~、変な奴だとか思われていないかな、大丈夫かな~?」

アランは一人考えていた。

アランが考え込んでいると寄りかかっていたドアが開き部屋の中に転がり込んだ。

「キャッ」

アランが起き上がるとそこには白いワンピースの上に茶色い服を一つ羽織ったレイミヤがしりもちをついて倒れていた。

「ご、ごめんなさい!!」

アランはすぐさま立ち上がりレイミヤを立たせた。

「ありがとうございます。あの、アランさん。」

レイミヤは立ち上がるとアランを呼んだ。

「はい、何か足りないものでもありましたか?」

アランは他にも何か必要なものがあるのではないのかと思い話を聞いた。

「この後アランさんはどうするのですか?もう他の町に行かれるのですか?」

レイミヤはアランに今後のことを聞いた。

「そうですね、早くても今日にはこの町を離れようと思っています。その前にレイミヤさんを教会に連れて行ったあと何もなければですけど。」

アランは簡単にレイミヤに説明した。

レイミヤはアランの予定を聞いたら決心をしたような強い眼差しでアランに言った。

「アランさん私も旅にお供させてください!!」

レイミヤから出た言葉は意外な一言だった。

「ハイ分かりました。」

アランは買い物の事しか頭になかったので軽はずみで返事をしてしまった。

「本当ですか!!」

レイミヤの目は嬉しそうに輝いていた。

「え?今なんて言いました。」

アランは話の内容が分からずもう一度レイミヤに聞いた。

「私もつれて旅に出てくれるんですよね?」

レイミヤはアランに駆け寄り意気揚々と話した。

「ちょ、ちょっと待ってください。一緒に旅に出たいのですか?旅をするといっても危険がつきものでとても危ないのですよ。」

アランはレイミヤに考えを改めてもらおうと説得しようとした。

「危険は十分承知です。確かに戦闘になったら何もできないかもしれませんが、それでも少しは治療はできます。他にもできることは何でもします。足手纏いにならないように気を付けますのでどうかお願いします。」

レイミヤはどうしても旅に出たいようだった。

「旅に出たいことはわかりました、でもなんでそこまでして旅に出たいのですか?」

アランはレイミヤに旅に出たい理由を聞いた。

「私は聖女見習いとしてごく普通の生活をしていました。別に苦しくもなく豊かでもない普通の生活でした。聖女見習いなので備品の整理や食事の準備、庭の掃除から洗濯ほとんどの家事もしてきました。

余った時間は神に祈りを捧げていました。そして本来聖女見習いに選ばれる人は魔力量が多く、回復魔法適性がある人が選ばれるのですが私は魔力量は見習いの中でも群を抜いて多かったのですが回復魔法があまりうまく扱うことができませんでした。周りから私はよく仲間外れにされてきました。回復魔法がうまく扱えなかったからです。私は図書館でもうまく扱えるように勉学に励んでいました。そこで天使に成りすました悪魔に体を取られれしまいました。もしこのことを教会の人に話せば悪魔に体を売り、人を襲った悪人として見習いはおろか教会にも近づけなくなるでしょう。最悪牢獄送りにされるかもしれません。それでアランさんの旅のお供ができたらなと思いまして。」

レイミヤはアランにアランと旅に出たい目的を話した。

「つまり、もしこのまま教会に戻ったら居場所がなくなるだけではなく、捕まる可能性もあるので旅に連れてってほしいということですね?」

アランはレイミヤに確認するとレイミヤは静かに頷いた。

「ちょっと考えさせてください。」

そういうとアランは部屋を出て町に出ていった。

レイミヤはただ頭を下げてアランを見送った。

アランはひとりある場所へと向かっていた。

それはダンがいる病院だった。

ダンのいる部屋に付くとそこには起き上がっているダンの姿があった。

「よ、アラン。」

ダンは気さくに話しかけてくれた。

そばにはレナの姿があったがアランが来るとダンはレナに席を外すように頼んでレナはいなくなった。

「大丈夫なのか、ダン?」

アランは心配そうにダンに寄って行った。

「ああ、もうすっかり大丈夫だ。俺が寝ている間にすごいことが起きたらしいな。それで、今日は何かあったのか?」

ダンはアランが着た目的を聞いてきた。

「ただ、見舞いに来ただけだよ。もうすぐこの町を離れるから。」

アランがそう答えると

「そうか、わざわざありがとな。でも、本当にそれだけなのか?何か考えている顔をしているぞ。」

まるでダンに心を読まれている気分だった。

「まあ、何を考えているのかは深くは聞かないけど、お前がどうしたいか、結局はそれだと思うぞ。

食べたいときには食べる、寝たいときには寝る、助けたいなら助ける、決めるのはお前自身だ。

それでもわからないなら、お前が何を目的に旅に出ているのかを考えてみるといいかもな。

うるさい奴の独り言だと思って聞いてくれよ。考えるのはいいことだ、ただし、時間をかけすぎること、答えを決めないのは悪いことだからな。」

ダンはアランに笑顔で話してリンゴを一つアランに投げた。

「持ってけよ、餞別だ。」

アランはリンゴを受け取った。

「ありがとう、早く元気になれよ。」

そう言ってダンに別れを告げた。

アランはダンに言われたことを考えながらブラウン亭に戻っていった。

空は青く太陽は高く昇っていた。

「俺がどうしたいか、か。」

アランは考えているうちにどんどんブラウン亭に近づいて行った。

ブラウン亭に付くと答えを決めレイミヤが待つ部屋へと向かった。

部屋に入るとレイミヤは、椅子に物静かに座りアランの帰りを待っていた。

「レイミヤさん、もしあなたが本当にいいというなら一緒に旅に出ましょう。」

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