「90話 安全で快適な船旅 」
いつもの1.5倍くらいのボリュームになっちゃいました...。
また合間を見つけて投稿しますのでお待ちください!
せめて1週間に一話程度は投稿できたらと思ってます!
「ん...。ふあ~...いつの間にか寝ちゃってたぁ。....ふわっ!?」
目が覚めた私はベッドで一緒に寝ているディアナを見て驚いた。
私の声に反応してうーん、と唸りながらもぞもぞと私の足に足を絡ませてくる。
活発系美少女兵士にこんな迫られてドキドキしないほうが無理でしょ!
そういえばそうだった。昨日は仲良くなって、恋バナをして...。
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「ミウシアさぁん、敬語やめてくらはいよぉ~。」
「じゃあディアナもさん付け、敬語禁止ね!」
「あ~~~~い。じゃあ仲良くなったぁ、記念にはい~。あ~~~~ん」
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「でねぇ!クラウスってば酷いの!私がアピールしても全然反応してくれないの~。」
「もうディアナから押し倒しちゃえば?」
「それしかないのかなぁ。」
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「ねむいねる...。」
「ディアナ~。ここはディアナのベッドじゃないよ。」
「zzz....。」
「もう、しょうがないなあ。....耐えろ私の理性~。」
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ディアナが先に寝ちゃって、私も眠かったからそのまま寝ちゃったんだ。
結局理性よりも眠気が勝ったみたいだけど、素面でこんなにくっつかれるとどうしようもなくドキドキする。
ディアナは地元でも兵士暮らしの今でも同性の友達が全然いないって言ってたし、距離感が解ってないのかな。
でも女性が恋愛対象の私にコレはきつい!
ディアナの足のホールドをするするとはずし、ベッドから静かに抜ける。
客室から外に出ると、心地よい風と照り付ける太陽を感じる。
辺り一面大海原。操縦者がいなくても走り続ける船は心地よい風を私に届けてくれる。
「気持ちいいなぁ~。」
キセルを取り出し、煙草と中和剤をアイテムボックスから直接キセルの中に出現させる。
魔法で火をつけて息を吸い込むと喫煙者にしかわからない心地よいふわふわっとした感覚に陥った。
「ふ~~~~~。日本でこんな体験できないよなぁ。」
クルーザーに乗って船の上でお酒飲んでパーティ?私はそんなことができるような知り合いはいなかったし、自分で誘おうとも思えなかった。
日本に居たときは仕事とネトゲの毎日。
外を散歩したり海を船で走ったりするようなアウトドアなことはしてこなかった。
それに前はあんなに人を助けることに夢中になっていたのに、そもそもこの世界の人口は地球ほどではないため、目的地に行くまでに人助けをしてたら約束の時間に大きく遅れましたー。なんてこともない。
自分のために人助けはしていたけど、それに縛られすぎてたのかもなぁ。
「こうやって、少人数でゆっくりできる時間も大事なんだなぁ....。」
結局何が言いたいかなんてわかんないけど、今はこの時間を楽しもう。
東の大陸に着いてから始まる一人旅も、サクラ族の里に着いてからも、この世界で色々経験しよう。
吸殻をアイテムボックスにポトリと落とし、魔法で冷たく冷やしたメイプルウォーターを飲んでいるとディーナが客室から目をこすりながら出てきた。
「あれ...ミウちゃん...。起きてたの...。」
ふらふらしながら私の方に来ようとしているけど、目がほぼ開いていないため全く違う方に向かって行った。
「ああもう、ほらこれ飲んで!」
アイテムボックスからガラスのコップを取り出してそこにメイプルウォーターを注ぎディーナに渡す。
ディーナは受け取ると両手でコップを持ってごくごくと一気に飲み干した。
「おいしい!!.....って、あっ。」
子供みたいで可愛いなぁ~とニコニコしてみているとディーナがこちらを見て固まった。
「ご、ごごごごごごめんなさい!!昨日は酔っぱらってミウシアさんに慣れなれしくなってしまって!」
一気に目が覚めたのか昨日の女子会(?)での距離感を思い出しぺこぺこと頭をさげるディーナ。
今更そうやって畏まられた方が寂しいんだけどなぁ。
ちょっとからかっちゃお。
「もうミウちゃんって呼んでくれないの?」
昨日ディーナは私の容姿をべた褒めしてたからきっとこれは有効だよね。
首を少し傾げて目をうるうるっとさせてみる。
「ひゃ...え、ええと...ミウちゃん....。でもこれは一応仕事だし...えっと....。」
手をモジモジとさせて困るディーナは、公私を混同させたことを悔いつつも私と気楽に話したいという気持ちがせめぎ合っているみたいだった。
「いいじゃん、私と二人きりなんだし!短い間だけだけど仲良くしようよ!それに....私達もう友達でしょ?」
「!!....うん!友達!...へへ。」
ああ、かっわいいなぁ...。好きになりそ....。
ダメだダメだ。ディーナには好きな先輩兵士がいるし、恋愛対象は男だ。
異性だったら勘違いするようなこの態度は私を同性の数少ない友達として見せてる態度だ。
勘違いしちゃいけない...どうどうどう....。
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その後落ち着いたディーナと軽く話した。
どうやら順調にいけば早くて明日、東の大陸に着くらしい。
以前わたあめと会った時はいかに効率が悪かったか思い知った。
まぁあの時は妨害もあったし、帆に風を受けて前に進む式の船だったからしょうがないんだけどさ...。
ディーナはしばらく船の中にある自室にこもるらしい。
なんでも、この船旅中にも本来の仕事をこなさなければいけないらしく、昨日二人で飲み明かした分の仕事が貯待ってるらしい。
「せっかくミウちゃんと、初めての女友達とお話しできる機会なのに~~~~!!」
って嘆いてたけど、私って初めての女友達なの?少ないとは聞いていたけど初めてなんだ.....。
王都に帰ってきたら想い人との進展を聞きにお茶でも誘おう...。
そして私は今、心地よい風を受けながら異性に電話をかける事に躊躇している男子高校生のようにそわそわしていた。
「あ~、なんか緊張する~。ルニアって滅茶苦茶美人だけどなんだかヤンデレ風味だし....。」
思えばルニアと1対1で長時間話したことはない。
皆の普段の性格はシーアから大体聞いている。シーアはルニアのことをルー姉と呼ぶほど仲が良く、趣味でお菓子をよく作ってくれるらしい。
普段は少しドジなおっとりしたお姉さんだけど私のことになると圧が凄いのだという。
圧ってなに.....。
とはいえ、私がずっと皆と話さないで放置してきたことも問題だよね。あー、なんか今なら子供とどう接すればいいのかわからないタイプの親の気持ちがわかる気がする。
近付きたいけど近づき方がわからないんだ。
ちなみに私が使おうとしているのは、音声通信だけの<音声通信>ボイスチャットというサポートさんの忘れ形見のシステム魔法。
映像があると、ディーナが不意に来てもごまかせないけど、音声だけならテレパシーのようなものなのでしゃべる必要はない。
それなら気付かれることもない....ハズ。
「ええい!<音声通信>ボイスチャット!」
ルニアを選択してボイスチャットをかけると1コールどころか通話をかけた瞬間に繋がった。
『あー、もしもし?ルニア?』
『ひゃ、ひゃい。ルニアです。』
めっちゃ緊張してるじゃん!なんだかこっちまで恥ずかしくなってきた。
なんか勝手なイメージだけどもっと落ち着いてるかと思った。
『.....もしかして、通話凄い待ってた?』
『いえいえいえいえ!!たまたま!たまたま早く出れただけです!!』
なんだかこのやり取りが初々しいカップルの初デートみたいで少し面白く感じる。
『....くす。』
『な、なにかおかしかったでしょうか!?』
『いや、なんか初々しいなって。今までゆっくり話す機会が取れなくてごめんね。これからは畏まらずに沢山お話ししよう?』
『~~~~~っ!』
なんだかルニアが悶えてるような声が聞こえる。
喜んでくれてるのかな?だったら嬉しいなぁ。
そんなになるまで私は眷属達と向き合ってこなかったのか、と後悔した。
映像は無理でもこうやって通話だけならいくらでもできたのに。
『寂しかったです~~~~!ミウシア様とずっとお話ししたいと思っていたのですが、お邪魔しないようにと~~~~~!!』
ルニアは私の使命をとても重く受け止めてたようだった。
この使命に制限時間はないから邪魔になることはないんだけど、ルニアなりに気を使ってくれたんだなぁ。
『本当にごめんね、ルニアのこと色々教えてくれる?普段何してる、とか何が好きかとか。なんでもいいからさ。』
『はいっ!!でもミウシア様のお話しもお聞きしたいです...。』
『もっちろん!』
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それから私とルニアはたくさん話した。
神界で暮らしていると時間の流れがこちらとは違うこと、どんなに長い時間を過ごしてもみんなと一緒だから退屈しないこと。
一番驚いたのは眷属達は私が0から作り出した存在ではなく、皆それぞれ前世があった事だった。
あのポンコツ女神はそんな説明してくれなかったのに....。
ルニアは生前、悪魔という存在が実際に存在する世界で、シスターをしていたらしい。
そこで悪魔との戦いで死を向かえたと言っているが、自分が死んだことを明るく話していたことに不思議に思い、聞いてみると『命が尽きたお陰でミウシア様や皆に出会えたんですもの!』と言っていた。
ちなみに、他の眷属達の前世については皆自分で話したいと思うので、と言われた。
すっごい気になる!!
あと、ちょいちょい私に内緒にしていることがあるような雰囲気を感じ取れた。
というかルニアが隠すのが下手すぎるんだよね。
『ピョンが...あっいえなんでもないです!』とか言ってたけど、ピョンって何のことだろう...?
まぁルニアが私に対して悪い意味で内緒にしていることなんてあるわけないし、いつか話してくれる時まで待っておこう。
そして今はなしているのは初めて眷属同士が会った時の話だった。
『初めて皆と話した時....ふふっ、1人ずつ自己紹介してなんだか合コンみたいだったんです。』
『はは....今なんて?』
合コン....?
『??合コンみたいだったんです。ですか?』
『それ!!!!何で合コンって知ってるの!?』
もしかしてルニアの前世では合コンという言葉がたまたまあって、それがたまたま同じ意味合いなのかもしれない。
もしくは....まさか.....。
『ミウシア様の記憶の一部を私達は共有しているんですよ。ミウシア様が私達の魂をこの体に結び付けてくださったとき、流れ込んできたんです。』
うわあああああああああああああああ!!
ってことは眷属達は私が元男と知ってる上で、私の女性口調とかしぐさとかをみてたってことだあああああああ!
...いやまてよ?でも私が最初に威厳たっぷりに話した時はまだ武蔵だったような...。
てことはどっちにしろ皆把握しているのか....うわぁ....死にたい.....。
『ルニア...私が日本に居た頃の姿ってもしかして.....。』
『??いえ、そこまではわからないんです。例えるなら....そうですね、何か考えるときにミウシア様の記憶という名の辞書をお借りしている...といった感じでしょうか?』
それなら私の武蔵時代の数々のことを知っている訳じゃないんだ..よかった。記憶全部覗かれてたらどうしようかと思った。
...いやいやよくない、結局男性声聞かれてるわけだから!
『私が皆に初めて声をかけた時のことって覚えてる?』
『もちろんです!あの時、私は前世で悪魔によって生を終え、何もない空間でふわふわと漂っていました。そんなときに温かい光が私を導き、次の瞬間私はあの神界に居ました。突然のことで驚きましたが、不思議とすぐに受け入れられたのです。』
死んだ後、魂が謎空間で漂ってたってことかな?それは天国なんだろうか。
『周りには自分と同じように状況を理解していない不思議な見た目の方々がいらっしゃいました。....お恥ずかしながら、最初デストラさんのことを悪魔の類かと思ったんですよ。』
くすくすと笑いながら話を続けるルニア。
デストラって角も生えてるし肌も白いしそう思われても仕方がないような気がする。
不憫なような面白いような気がして私も笑い返した。
『そうしている間に空が光り出してミウシア様のお声が聞こえたのです。全身が痺れるような、自然と涙があふれるような、心に直接響くような...そんな感じでした。私の使えるべき神はこの方なのだ、と。』
『そんな風に感じてたんだ...。でもその後、ちょっと威厳無くしちゃったよね。』
そう、確か心に思ったことがテレパシーのように相手に聞こえてしまうことを知らずに、好みだーとか結婚したいとか思っちゃったんだよね。
『ええ、そうですね。...でも、それがきっかけで私はミウシア様のことを神としての信仰ではなく、1人の異性としてお慕い始めたのです。』
『えっ...異性...?』
『....はい。』
どっち!?私が男性だと思って?それともルニアは実は男性!?
『異性というのは異なる性、つまり精神的な性のことでもあるのです。私は女性、そしてミウシア様は....肉体的には女性でも、精神的には男性、ですよね?』
『そ、そうだけど...。』
何でバレてんの!何でバレてんの!
『前世で私が信仰していた神は性を司る神。神は人間に肉体的な性を授け、人々に精神的な性と好意を寄せる対象の選択を人々に教えました。....よく教会にそういった悩みを持たれた方が訪れてきたので、話していると相手の性別が何となくわかるのです。』
進んでるんだなぁ。聞いた感じルニアの前世は文明があまり発達していない中世的な世界だったんだけど、この話って日本でいうLGBTとかに相当するよね。
私もよくは知らないけど肉体、精神、恋愛対象の三つの性の組合せがあるんだっけ?
ミウシアという体になってからは肉体は女性、精神は男性、恋愛対象は女性....何だけどどうも最近、精神面が女性にひっぱられてきているような感じがするんだよね。
最初の内は女性のフリを意識してたけど、今じゃあ意識していないというか勝手に女性っぽいしぐさになる。
肉体と精神の性は別だとするのなら、私の精神に何かが混じっているとか?
元々のミウシアの精神....なんてないよね、私のキャラに寄せて作ってもらったんだから。
....私のキャラに寄せて...?あのポンコツな女神様が作ったとすると、もしかしたら女性らしくなるように精神をいじられてる?
なにそれ怖すぎ!!!考えるの止めよう。
今の私は武蔵じゃない、ミウシアだし。
『私の住んでいた世界にも同じ考え方はあったよ、世の中にはあんまり浸透してなかったけど...。ってルニア、お慕いって..。』
お慕いって好きってこと?あんまりまだ話してもいないのに好きになったの?
それって信仰心といっしょくたになってない??
『あ、ええと...はい....。ご迷惑でしたか?』
『いや、すっごい嬉しいんだけど。でも信仰心とかそういう事じゃないの?』
好きになってくれるのは嬉しいけど、今日やっと初めて落ち着いてルニアと話せたのに、私が造り出したからとかそういう理由で好きになってくれたような気がしてしょうがない。
『いえ!そのようなことは決して!!私はミウシア様の知識、心に触れました。詳しくは判りませんがミウシア様の性格や考え方、そしてミウシア様がこのサスティニアに降り立ってからの行動を見てお慕い....その...好意を抱きまして。ミウシア様の仰られることもわかります。最初、神界でお声を聴いたときはそういう感情もあったかもしれません、しかしその後に見せてくださったお人柄で信仰心というよりは愛情へと変わったのです。立場上もう私達は人間ではありませんのでその先は望みません。ですが、好意を寄せる事を許していただきたいのです。』
ルニアのその誠実な発言に私は不覚にも感動してしまった。
私のことを神ではなくちゃんと一人の人間として見てくれた上での気持ちだったんだ。
じゃあ本当に私のことを...?そう考えると今まで信仰心だろうということでルニアの気持ちをちゃんと受けなかったことに罪悪感と、純粋に好いてくれていることが分かった嬉し恥ずかしさが溢れてきてしまった。
『う、あ、えぇっと...ありがとう。もちろん、好きでいてくれるのは嬉しいし、私もこれからはルニアのことを眷属じゃなくて1人の女の子として意識するね。だからもっともっと話そう!嫌じゃなければルニアの前世についても話が聞きたいな。』
『もちろんですっ!!』
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『それでね、おばあちゃんが女の子を助けた後倒れちゃって、心配して私が駆け寄ったら「助けた快感で腰が抜けちゃったよ...。」とかいうもんで心配した私の気持ちを返してほしいっておもったよ~。』
『どんな理由であれ人助けを進んでするなんてミウシア様のおばあ様は御立派なんですね...。っと、もうそろそろお時間ですね。』
ふと辺りを見回すともう辺りは暗くなっていた。
話すのが楽しくて時間を忘れちゃってたなぁ。
眷属達との通話は私の旅を丸一日邪魔しないように、長くても日中~夜までとヒュムが定めたらしい。
『そっか、もうそんな時間かぁ。今日はありがとうね!時間を忘れるくらい楽しかったよ。』
『私もです。なんだか「付き合いたてのカップル」?みたいでしたね。』
私の知識から検索したのか、ふふふと笑いながらそんな冗談を言ってくるルニア。
思い返すと確かにそうかもしれない。「確かにね。」と返して私も笑い返す。
『あの、私。今度はミウシア様のお顔を見ながらお話ししたいです。』
今はディーナが船に乗っているので音声だけだけど、次に通話する5日後には1人で里に向けて歩いている頃だと思う。
多分ビデオ通話ができるかな。
改めて考えると私も少し緊張してくる。ルニアは私の好みど真ん中だし、しかも好意があることを知っている。
ああ、ダメだ緊張してきた。頑張れ未来の私!
『5日後には多分ビデオ通話できるよ。楽しみにしててね!私も楽しみにしてる!』
本当にこれじゃあ付き合いたてのカップルじゃあないか!
言っててさらに顔が熱くなってきた。
喜んでいるルニアの反応をまだ聞いていたかったけど、恥ずかしくて返答を聞かずにじゃあまたね!と言って通話切った。
は~~~~~~~~、胸がどきどきしてる。
胸に手を当てると手がふる、ふる、と振動するほどに揺れていた。
心臓までの距離が近いってのもあるのかな...だれが貧乳じゃい!!!




