「80話 最終階層? 」
ストックが切れてしまったので申し訳ありませんが1週間だけお休みをいただきます!!
せこせこと書いていますが、必ず完結させますのでお待ちいただければと思います!!
そんなこんなで全ての死体を回収し、皆の元へと向かうと地面の氷が溶かされて土があらわになっていた。
皆が集まっている地面には金属製の大きな...床下収納?のようなものの蓋が埋まっていた。
縦横1メートルはあるかと思われる大きな蓋で、片側に金属製の取っ手があった。フレアくらいしかこれを持ち上げられないんじゃないかなぁ。
「回収し終わったけど、それ扉?開けてみた?」
皆に近寄って話しかけると、カナちゃんが首を振ってこたえてくれた。
「いやー、あたしが強化魔法をかけてもらった状態でファイア・スピリットを使っても半分くらいしか持ち上がらねぇんだ。んで、他の皆は力よえぇだろ?ミウシアと二人掛かりならいけんじゃねぇかとおもって待ってたんだ。」
フレアがやれやれと手を上げて首を横に振る。
私もそこまで力がない...と思ったけど今や力のステータスはB、身体強化魔法を使えばB+程度はあるかもしれない。
そう考えると今の私は相当力持ちなんだなぁと改めて思った。
「じゃあミウシアちゃんにも...ショート・マナ・アクティビティ!!」
ショート?普段のマナ・アクティビティよりも力が湧いてくるような感覚に陥った。
ショートってことは、効果時間が短くなってるのかな?制限つけて効果を上げてる?
フレアはファイア・スピリット使用してして取っ手に手をかけた。
私も力が上昇するかどうかはわからなかったけど、ホーリー・スピリットを使用した。
「これで無理なら別の手を考えねばならぬな。」
「不安になるようなことをいうなです。」
「ま~オレらが体力なさすぎるからしょうがないよね~。ミウシアちゃんフレっちふぁいと~。」
「女性に任せて俺らは見てるだけなんて...くそう。」
蓋が大きすぎて取っ手の両側に立って横から持ち上げることしかできなそうだ。
取っ手の両側に立って無理な姿勢で地面を踏みしめる。
「せーので行くぞ、せーのっ!」「のっ!!!」
フレアの力で半分持ち上げられていたため、45度くらいは持ち上がった。
しかし後の45度が!持ち手の位置が悪くてなかなか上がらない。
んぎぎぎぎぎぎ、重すぎる!
「もおおおおちょいいいいい!」
その時私とフレア以外の力が加わって一気に蓋が持ちあがる。
そして蓋はズシーンと音を立てて反対側に倒れた。
「はぁ、はぁ、良かった。力になれました。」
「あぁ、ありがとう、トルペタ君。」
「何とかなったなぁ!」
どうやらトルペタ君が裏から押し上げてくれたらしい。
あー、手が痛いや。
少ししびれた手をぐっぱーぐっぱーしながらとてつもなく重かった蓋を開けた先を覗くと、下に向かって石の階段が外の光が届かないほど深くまで続いていた。
「ふむ、氷に埋もれていたのか。.....しかし私が見たときはあのような頑丈な扉は無かったのだが....。」
「....意図的に誰かが隠した....ですか。」
ルクスが頭を傾げている姿はちょっと愛らしい。
にしてももし意図的に誰かが封鎖したとして、
「でもイエティにそんな知能なさそうだよね?この下に誰かが来ると都合が悪い人物でもいるのかな?」
だとしたら誰だ~?全く思いつかない。
脳みそ空っぽでとりあえず思ったことを口に出すとレオが口を開いた。
「案外頭のいい魔物とか~?それこそ、ダンジョンミミック本体とかね~?」
「ダンジョンミミックは深層に核があるだけで本能のまま動いてるような魔物です...のはずです。....とりあえず進みましょう。」
知能のある魔物か~、キング系は皆知能が発達してて喋ったりしていたから、キングダンジョンミミックとかだとその可能性もあるのかなぁ。
階段の幅は二人が横に並んだら狭い程度の大きさしかないため、洞窟を進んだ時と同じ隊列で階段を降りることになった。
カツーンカツーンと足音を響かせながら下に降りるにつれて周囲の空気がひんやりジメジメとしてくる。
「なんだか、わ、凄い響いた。なんだか嫌な雰囲気ですね。」
黙々と階段を下っている時トルペタ君が口を開くも、喋った声が反響したことにトルペタ君自身が驚く。
それを見て後ろを振り返ってにやりと笑い、スゥウゥウウウウウウと息を吸い込むフレア。
なんとなくフレアが何をしようとしたか予想がついた私は咄嗟に塞いだ。
頭の上ではなく、人間のころあった耳の位置を
「バ!!!!!!!!!!」バッバッバッ
キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
み、みみがああああああああ!!
間違えああああああ頭の上だったああああ!!!!
咄嗟に抑えた位置は以前耳があった頭の側面、今私の耳は頭の上にある。
キーーーーンと頭の中で耳鳴りが響く。
他の皆も耳を抑えるのに間に合わず、フレアの音撃を受けて硬直していた。
「ちょ、ちょっと...馬鹿です?もしこの先に敵がいたら間違いなくバレたですよ!?」
「フレっちテンション上がりすぎ~気持ちはわかるけど~」
「ははは、わりぃ!つい、な!」
レオが平気そうな中、私もトルペタ君もカナちゃんも未だキーンと鳴り響く耳を抑えてしかめっ面をするしかできなかった。
「私は耳が良いのだ!そのようなことをするな!!!」
「だってよー、声が響くならどれくらい響くか試したくなるじゃねぇか~」
「だとしても、だ!!!」
ルクスに怒られながらも階段を下る私達の先に、小さな明かりが見える。
ついに一番下までたどり着いたのかな。
「そろそろ見えてきたね。...?なにもいないし狭い...。」
私が発言を追えるよりも先に明かりに照らされた机がぼんやりと見える。
石の壁に囲われた正方形の小さな部屋、どこからどう見ても牢獄みたい。
その牢獄の中心にポツンと置かれた木の机、その上には野球ボールサイズの水晶玉と、その横に同じサイズの黒いまっ○ろく○すけのような塊が置かれている。
「....??なんでしょうこれは。」トン
カナちゃんがその黒い塊を杖で小突くと、そのままパサッと灰になり小さな黒い山ができた。
どうやらかろうじて丸い形を保っていたらしい。
「なんだぁ?コレ。胡椒ではねぇみたいだが...。」
「ほかに何かないか探しましょう。ミウシアさん、一応アイテムボックスにしまっておいて貰えますか?」
「ってもこの水晶玉以外なくね~~?」
私が黒い粉を小さな袋に入れてアイテムボックスにしまった瞬間、私達を青い光が包み込んだ。
「ッ!?なんだこりゃ!?」
地面からほんの少し浮き出る青色の光にどこか見覚えを感じる。これはもしかして転移?でもなんで?
「膨大なマナの流れを感じる。もしやお前たちの言っていたコアのようなものが壊されたのではないか?」
ルクスはこの光に害がないとわかっているのか、落ち着いた口調で判断して私達にそう伝えてきた。
「....どうやらそのようですね、この光は転移石と同じ力を感じるです。私達以外にもダンジョンを攻略していたものがいたのでしょう。」
カナちゃんも転移と判断したってことは本当にダンジョンミミックのコアが破壊されたんだ。
私達以外にもこのダンジョンにいたのか、ダンジョンミミックのコアが自然に壊れたのか...。
転移だと理解した瞬間、皆は身構えるのをやめて転移の時を待ち始めた。
徐々に青い光が私達の腰辺りまで上がってきたところでふとレオがルクスの方に向いてビシッとこぶしを向けた。
「いきなりになっちゃったけど、るっくん元気でね☆」
レオの手を軽く触るルクス。
「またな!」「またね!」「またどこかで!」「元気でやるです。」
それを見てルクスの頭を撫でたり手を上げたり皆思い思いの最後の挨拶をした。
私はもちろんぎゅーーーっと抱き着いた。このモフモフと別れるなんて寂しいなぁ。
わたあめは元気でやってるかなぁ、ダンジョンから出て王都に帰ったらわたあめ連れてお散歩するのもいいなぁ。
「お前たちのお陰で私はこれから世界中で知識を深めることができる。礼を言う。またどこかで会おう。」
ルクスがそう言い終えると同時に、視界が突如ダンジョンの外、ジャングルへと変わった。
ギャーギャー!キシャー!ピエーー!ギッチギッチ!
でも私たちの周囲を囲むように、というか私達がどこにいるのかもわからないくらい魔物でごった返していた。
「うわ!!!!!!!」
「皆構えろ!!」
「で、です!」「はい!」「りょ!」
フレアの掛け声とともに皆は武器を構え....。
ギャーギャー♪キシャー♪ピエーーー♪ギッチギッチ♪
「へ?」
私達が武器を構えたその時、周囲の魔物は全てジャングルの方へと消えて行った。
なんか喜んでるような鳴き声だった気がするけど、このジャングルに住んでた魔物だったのかな....?
「....チッ!なんだよ~、経験値大量にもらえそうだったのによ~~~。」
斧をドン!と地面に立てて柄の部分に両腕をおいてぶつくさと文句を言うフレア。
イエティ戦からあんまり時間もたってないのにまだ戦う気力があるのかぁ....。
「まぁまぁ、いいじゃないですか。とりあえず王都に戻るですよ。」
転移石を使おうとするカナちゃんに対してレオがそれを止めた。
「ねねね、その前にさ、この水晶!こっそり持ってきたんだけど鑑定してくんね~?なんかマナの制御がハンパなく楽になんだよね~。」
これずっと握りしめてたのか、全然気が付かなかった。
マナの制御を楽にする道具とかなのかな、杖の先端とかに使えるかもしれないし、カナちゃんの目が輝いてるし、私も気になる。
「私!私!私がやるです!!!<鑑定>アナライズ...えっ...。」
鑑定を行ったカナちゃんがそのまま固まった。
水晶玉を持ったまま首を傾げるレオ。
「??<鑑定>アナライズ!」
私はカナちゃんがなんで固まったのか、その理由が知りたくて同じく鑑定を行った。
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名称:キングダンジョンミミックの水晶玉
品質:S-
説明:空間に寄生するダンジョンミミックが長年かけて自身の魔力を使い作り出した水晶玉。
補足:杖の核として使用すると以下の効果を得る。
・魔力が50上昇する。
・マナの制御効率が上昇する。
・マナをより遠くまで遠隔制御することが可能
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「....カナちゃん、まさかあの黒いのって....。」
「ミウ、あの黒い粉出してみてください....。」
まさかなぁ、と苦笑いを浮かべながらアイテムボックスから黒い灰の塊を入れた袋をとりだした。
レオ、トルペタ君、フレアは何のことかわからない、と言ったような表情でこちらを見てくる。
カナちゃんと目配せをしながら黒い灰の入った袋に向かって鑑定を使用した。
「「<鑑定>アナライズ」」
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名称:キングダンジョンミミックの灰
品質:S
説明:空間に寄生するキングダンジョンミミックの死骸。ダンジョンミミックの中でも唯一知能を持っているが、自身に戦闘能力は無く、とても臆病。大きな声を上げるだけで絶命するが、亜空間へと逃げ込むためその希少性は計り知れない。
補足:武器の素材にしたとき、使用するマナの属性によって武器の形状を変化させることができる。
ただしその形状は一度決めてしまうとその属性を固定されるため、使える属性の数しか形状を記憶することはできない。
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「「.....。」」
つまりフレアが大声を出さなければキングダンジョンミミックに逃げられて、ダンジョンの攻略は不可能だったってこと?
私とカナちゃんはお互いに顔を向かい合わせた後、フレアの方を向いた。
「ふあ~?」
頭の後ろで腕を組んであくびをしていたフレアの頭には疑問符が浮かんでいた。
「どうしよう...褒めたくない....。」
「同感です...。」
「あんだよ~2人そろって~。」




