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「8話 星のルール 中編」

急遽、星を管理する俺の助けとなる眷属の住む場所を作ることとなったが、どこまで細部を考える必要があるのだろうか。


RoAでは神の姿とかは何も出てきてないため、完全に俺のイメージで作る必要がある。


神の住む場所は楽園をテーマにして常に人々を見守ってるとかそういう感じにしよう。

宇宙と空の狭間に地上からでは目視できない島が浮いていて、その島は絵にかいたような楽園、豪華な宮殿と自然があふれていて湖のほとりで湖に地上を映しながら神々がくつろぐイメージ。ちょっとあからさますぎる気もするが神が住むのだから平気だろう。

あとは・・・・。と俺がどんどん想像を膨らませていくとティアさんからストップがかかった。


「もうそんな感じで平気ですよ~!ほら見てください~」

ティアさんは俺の目の前にある模型のような惑星サスティニアに向かって、まるでスマホで画像を拡大する時のようにピンチアウトしていく。

目の前の光景に俺はちょっと感動した。ティアさんの動きと連動して目の前の映像がどんどん拡大していき、惑星サスティニアの宇宙と空の狭間に雲に囲われた俺が思い描く楽園がそこにあった。


「もう出来てます~!あ~武蔵さんの思い描く神界ってこんな感じなんですねぇ、私もここでお昼寝して暮らしたいなぁ~。じゃあ次は眷属、行ってみよ~!次はこの疑似神界に向かって念じてください~。」


「ノリが緩くない?もうちょっと感動に浸りたかった・・・。えーっとRoAの6柱は確か・・・。」


デストラ以外の神は確かRoAの各種族に祝福を与えてるから各種族の特徴を出していって目の色は神のみ許された色みたいな感じ行こう。

(宇宙神との取引でこの星を管理することになったし、ちょっと宇宙神からアイデアを貰って、目の色は宇宙色?にしよう。宇宙眼(コスモアイ)とでも名付けるか。)


自然を司る神「ルニア」は自然っぽく緑を基本としてエメラルドグリーンの長髪に兎の耳がぴょこんと立っている透き通った白い肌の心優しき女神、美人なお姉さんって感じかな。服装は白いドレスに世界樹っぽい杖を杖を手にしてるイメージ。ちょっと自分好みにしすぎたかもしれない。

平和を司る神「ヒュム」は温厚かつ知的な雰囲気が漂う青年。日本人の髪よりも光沢のある長髪の黒髪で眼鏡と学者が着るような服を合わせよう。

力を司る神「ジア」は身長2mほどのマッチョな見た目の気さくな大男。ツンツンはねた赤髪で戦神のようなイメージ。胸が半分露出したような軽装なデザインをした神々しい白い鎧とかいいんじゃないかな。

技を司る神「ワォルフ」は技能の神なので科学より工場にいそうな少々神らしさが抜けた見た目にしたい。身長は150cm程度で茶髪のショート。だぼだぼのオーバーオールを着崩してタンクトップ。ヘルメットを着けて腰には工作ツールもつけてしまおう。

娯楽を司る神「シーア」、好奇心旺盛で娯楽に目が無い元気いっぱい系の女性。頭の上に猫耳がついた金髪ショートで服装のイメージは・・・。女性そこまで詳しくないから思い浮かばず、漠然と動きやすそうな服装で~~と念じる。

最後に、争いを司る神「デストラ」はちょっと根暗だが規律に厳しい男性。肌が青白く前髪が半分顔までかかっている暗い青髪のアシンメトリーヘアーで牛のような角が2本頭から生えている。服装は首元まで隠れるタイプの軍服。


「うーん、こんなもんか?・・・ッ!」

俺が疑似神界に向かってそれぞれの眷属のイメージを送り終えた時、唐突に眩暈に襲われた。


「大丈夫ですか~?武蔵さんの半神としての力を分け与えて作りましたから~、疲れますよね~、でも無事に生まれたみたいですよ~!」


俺が再び目の前に映し出された疑似神界に目を向けるとそこには俺がイメージした通りの6柱がきょろきょろあたりを確認するように見まわしていた。

「うおお・・・・。すげぇええ・・・!イメージそのままだ・・・!」

ティアさんが横からニマニマした顔で覗いてくる。


「ど~ですか今の気持ちは~!眷属っていうのはいわば自分の分身体みたいなものですので、なんだか自分の子供みたいで愛らしいですよね~」

うふふと笑いながら友達の子供を見るような優しい目で俺の眷属たちを見つめる。


「そうだなあ、例えるならTRPGで自分の作ったキャラクターがアニメになってるくらいのかいてもらったみたいな感覚・・・。」

(TRPGっていってもティアさんにはわかんないか)

と思った時ティアさんの目がキラーンと光り、俺に向かって前のめりになって顔を寄せてくる。


「!武蔵さんTRPGって何ですか??地球の遊びですか??面白いですか??」

ティアさんの食いつきっぷりがやばい、もはや娯楽を司ってるだろ・・・。


「ティアさん、残念だけどTRPGは複数人いなきゃできないんだ・・・。宇宙神と二人でゲームとかできる?」

宇宙神と女神がTRPGとか何の冗談なんだろう。そもそも人間目線でやるゲームは難しそうな気もするが。


「あ~、いや~はは、宇宙神様と二人ではちょ~~っと厳しいかなぁ・・・。話し戻します!疑似神界の神々に向かって念じながら指令を出してあげてください~。いまは目的がわからない状態になっちゃってますよ~!」

ティアさんは落ち込んだ後すぐに気を取り直して話を続ける。


(念じながら、こうかな?ちょっと威厳出してみるかな)

俺は神々に向かって天から疑似神界に光が降り注ぐイメージで話しかける。

『聞こえるか、サスティニアの守護神たちよ・・・。』

語りかけながら眷属たちを一人ずつゆっくりとみていくとしよう。


疑似神界の神たちは声のするほうに向かい、跪く。

「この声は・・・。(あるじ)様なのですね・・・。聞こえております・・・。」

跪きながら声がした方向にむかって耳をピーンと立てているルニア。

(美人でおしとやかなのに耳のせいですごい可愛く見える、こんな子が嫁に来てくれたらなぁ)

「えぇっ///」


「はい、聞こえております。我が(あるじ)。」

落ち着いた動作でゆっくりと跪くヒュム。

(おお、凛とした態度とクールな見た目が相まって格好良さが引き立ってる。)

「もったいなきお言葉。」


「聞こえるぜ!(あるじ)さん!」

「ちょっとあんた無礼すぎるでしょ、跪きなさいよ!・・・申し訳ありませんでした主様。」

軽い感じで返事をするジアを小突きながら返事をするウォルフ。

「おぉう、すまねぇ」とかいいながらジアが跪く。

(ジアは自然体で好感が持てる。親戚の叔父さんみたいで親しみやすいな。ウォルフはジアが叔父さんぽいから小さな従妹っぽくて見ててほほえましいな。)

「む?」「え?」


「はいっ!主さんっ!」

弾んだ声でニコニコしながら答えるシーア

(動きやすい服装をイメージしたけどホットパンツにチューブトップでちょっと目のやり場に困る・・・。可愛いからいいけど。)

「うにゃ///」


「はっ!聞こえております!!」

ババッと音が聞こえるような機敏な動きでデストラが跪く。

(軍服にしたのは正解だったな、ほかの神と雰囲気が違うところがさらに孤高な感じが出てて正に俺の好みだ。)

「あっ、主殿ぉ・・・。」


なんだか皆の反応がおかしい、ルニア、シーア、デストラがなぜかモジモジしてるし、ほかの3人も俺の考えが伝わってるみたいな。


ちょいちょいと横からティアさんにつつかれる

「武蔵さん、ちょっと武蔵さん!それ!その状態で一人ずつ見ながら頭の中で何か思うと!対象の人には考えてること伝わっちゃいますよ!」

ヒソヒソと小声で恐ろしいことを聞いた。


「えっ、これ聞こえちゃってるの!?うっそ!威厳のきいた呼びかけの後に俗っぽい俺の思考届いたってこと!?」

「はい~・・・。」


とてつもなくマズいことになった。威厳のある神を演じたかったのに、この状況はマズい。

眷属からしたら


『聞こえるか、サスティニアの守護神たちよ・・・。』とか聞こえてきて畏まって返事したら違う口調でセクハラじみた発言やノリが軽すぎる発言が聞こえてくる・・・・。


(うん、だめだこれ。俺がこんなのされたら忠誠とかなくなるわ。)


というかそもそも威厳とか忠誠とか必要無かったのかもしれない。

自然体で行ったほうが良かったな、よし、対等な関係に持って行って皆に指示を出そう。


『すまん、先ほど俺の考えたことが皆に伝わってしまった。最初と態度が違い皆を不安にさせてしまったかもしれない。俺はこの星を繁栄するために皆を作り出した。一人では何もできないんだ、一緒にこの星の繁栄を手伝ってくれないか?』

俺は会社の同期に仕事をお願いするくらいの気持ちで話しかけた。


すると眷属たちは目を輝かせ皆一斉に返事をした。

「「「「「「はいっ!お任せくださいっ!」」」」」」

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