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「76話 デバフへの対策 」


結局、フレアの熱い抱擁(強)によって潰されたアルマジロをルクスが食べている間、私達も休憩をとることになった。

前回クルシュ村に帰った時は村の人達が私達に、と色々料理を渡してくれたため、コルペタさんの手料理以外にもたくさん食料の確保があった。

でもなんで村人全員がアイテムボックス前提で大量の食材を渡してきたんだろう....。

アイテムボックスのことは内密にってコルペタさんに言ったのに、もしかして口を滑らせたのかもしれない...まぁなるようになるかぁ。


アイテムボックスから取り出した木材を適当に人数分出して休憩を始めた私達。

村人から貰った食料の中にはフォレストワームもあった。

トルペタ君とカナちゃんは速攻で食べるのを拒否し、レオは苦笑いをしてやんわり断った。

フレアは「酒のつまみには最高だな!なぁ、酒も飲んでいいか?」とお酒をせびってきたのでもちろん拒否した。

冒険中だからね。寒い地方ではお酒を飲んで体をあっためてたらしいけど、私達は今カナちゃんのお陰で寒さ知らずだしお酒はお預け。


「で、あのスノーマンの魔法についてだけど...大量に来たらどうする?」

皆に対イエティ戦を考えた戦闘について話すとレオが自信満々に立ち上がり、自分の胸をドンと叩いてドヤ顔をする。


「ここは、オレに任せてくんね~?新魔法の出番っしょ!」

「新魔法?...そんなものあるならなんでさっき使わなかったですか...。」

カナちゃんがジト目でレオを睨む。

もしあの呪文がもっと凶悪な性能だったら危なかったし、まぁそう思うのもしょうがない。

でもとっさに反応は難しいよね、先に少数のスノーマンに会っておいてよかったかも。


「そこはマジごんめー!この魔法、制約が厳しい訳よ。ちょいまち。...精霊達、遮断と反射をよろしくぅ!マナ・ダーク・リフレクション!」

レオが精霊魔法(スキル)を発動すると、レオの周りにキラキラと光る光の靄が現れたと思ったら、まるで磁石でくっつくかのようにピタッとレオの体の表面に靄が張り付き薄い膜となる。なんかレオがキラキラ光ってるみたいになって少しだけ面白い。


「...まさか!魔法を反射する結界です!?こんなの魔術師の天敵じゃないですか!....<火球>ファイヤボール!」

「ちょ!!!」

カナちゃんは反射魔法を確認するため、レオに向かってゴルフボール程度の大きさの火球を放った。

しかし、まるでドッチボールの球を避けるように大きく体を捻ってレオは避けた。


「ちょちょちょちょ!!この反射魔法は闇属性専用魔法な訳で!!!しかも攻撃的な魔法にはきかないから!!!!カナっち最後まで話聞いてくんなきゃオレ火傷するところだったじゃーーーん!」

珍しく冷や汗を垂らし必死な表情になるレオ。


「あせるレオも可愛いな....。」ボソ

ふと真横にいたフレアのデレデレ発言は聞き流すよ。


「ふむ...サクラ族の呪詛返しってやつですか。」

「サクラ族?」

呪詛返しってあれだよね?地球でもあった、呪いを誰かに見られたり防がれたらその呪いは自分に飛んでくる的な奴?


「あれ?ミウは知らないですか?ミウのその服も、飛び兎の柄もサクラ族由来のものだと思ってましたが...。」

「初耳だよ。そんな種族?部族?があるの?」

「俺も聞いたことないな、アルカナ、そのサクラ族っていうのはどういう種族なんだ?」

トルペタ君がそう質問するとカナちゃんは目を輝かせて饒舌で話し出した。


「私もあった事はないですがね、王都の図書館でサクラ族に関する本があったです。東の大陸、つまりダンジョンがあるこの大陸ですね。その最北端にサクラの木で覆われた森があるです。その森で暮らしているのがサクラ族という部族なのです。サクラ族は独自の文化を気付いていて、服装は今のミウのようなもので種族は5種族が共生しているようです。...でですね!サクラ族で一番私が注目しているのが文字なのです!例えば私が先ほど唱えたファイヤーボールは神式語のまま『火球』と呼んでいるらしいのですが、さらに強い火魔法、エクスプロージョンは獄炎、風魔法のウィンドエッジは『旋風』.....かっこよくないですか!?だから私はこれから魔法名にこのサクラ族の命名センスを取り入れていきたいのです!」

結局カナちゃんの中の中二病がサクラ族と共鳴しただけだった。

にしても話を聞く限り和の文化がこの世界にもあるなんて、どういうことだろう?

私がこの星自体を作ったわけでは無い、まだ生命が繁栄していないこの星を眷属達に任せ、私がこの星に降り立っただけだ。

つまり眷属達には和の、日本の知識があった?だったとしても眷属が直接手を出して文化を広めたわけでは無い。

もし可能性があるとするならばなんだろう。私の知識の一部を受け継いだ眷属達からさらに知識の一部をこの星の人が受け継いだ?

....憶測でしかないしどんなに考えても答えは出てこない。

今度眷属達に話を聞いてみよう。このダンジョンを攻略してからでも遅くないし。


「ま、まぁカナっちの言ってることはあってるんだけど。呪詛返しっていうのはそのサクラ族の闇属性魔法に対する防衛術みたいな感じ~。大分限定的な魔法だから使うことはないと思ってたけどまさか役立つとか...マジウケんね。」

ケラケラと笑うレオがどこでウケたのかはわかんないけど、スノーマンに対しては効果的だ。


「え~、でもよ。あたしがあの魔法ウケたら少し制限された後滅茶苦茶力が湧いてきたぞ?ある意味強化魔法なんじゃねーか?」

フレアはアルマジロを抱き潰した時の力を忘れられないらしい。アルマジロ自体も相当防御力が高そうだし相当強化されたんだろうね、筋力S+くらいは一瞬出たのかもしれない。それでも強化魔法として使うには不確実なことが多すぎる。


「いやいや、どんな効果かわからないし弱体するリスクが大きすぎると思うよ。それならレオの強化魔法やスピリット系の強化効果の方が安全だと思う。」

フレアがしょんぼりといじけた顔をして足元の雪を蹴り上げる。

ホントに力に固執してるなぁ。あれだけ力があってもまだ力が欲しいんだね。

そうこうしているうちにルクスがアルマジロの臓物と肉をたいらげ、真っ赤な口でこっちに近寄ってきた。


「うむ、筋張っていたが美味だった。食事が終わったら行くとしようか。」

う、血で染まったその口元はちょっと怖い。

と思ってるとカナちゃんが水魔法で洗い流して綺麗にしてくれた。

流石にちょっと堪えるよね。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

雪で覆われた急な斜面を登るのはとても辛く、みんな苦戦している横で、ひょいひょいっとフレアとルクスが登っていく。

ルクスはわかるけどフレアはどうして?と思って四人でフレアの平然と歩いて登っているさまを観察すると、ファイアスピリットを足だけに展開して雪を溶かしながら進んでいた。

使い方がうまい。


それからはフレアが溶かした足跡をなぞるようにして縦に一列に上り始めて数時間。

途中で出てきたスノーマンにはレオのマナ・ダーク・リフレクションで<不思議>ストレンジを跳ね返し、反動で強化される前に魔法や弓の遠距離攻撃で仕留める。

上から転がってくるスノーアルマジロはフレアの斧でホームランしてもらった。


何とか魔物を倒しながら進んでいると、頂上付近で傾斜が緩やかになっていて、もう頂上は目の前といったところに洞窟がみえた。


「ついたぞ、この洞窟を抜けるとこの山の中心部、イエティとスノーマンの巣だ。おそらくその先に次の階層へとつながる階段があるのだろう。」

「綺麗....。」

その洞窟の入り口は、まるでゲームの中から飛び出したように幻想的だった。

入り口には大きな水晶のように透き通った氷の結晶が両サイドに位置し、壁はところどころ氷におおわれて綺麗に透き通っている。

日の光によってキラキラと照らし出されている光景は、まさにすさまじくイン○タ映えする景色といえるだろう。


「ミウ、いくら綺麗でも気を抜かないでくださいね。この先にはドラゴンゾンビとは比べ物にならない脅威がいるのですよ。」

「わ、わかってるよ...でも凄い綺麗だったから....。」

カナちゃんが私に忠告すると、皆は洞窟に向かって入っていった。

でもなぁせっかくだし写真撮っておこ。確か拠点を作った時に<画像送受信>ピクトチャットって機能で画像送ってもらったよね、あれでどうにかならないかなぁ。

例えば自分に向かってチャットを送る的な....。

自撮りしている感覚を思い浮かべて、洞窟を背にして....。


「<画像送受信>ピクトチャット!」

(画像を送信しました。画像を受信しました。)

あ、できた。

送られてきた画像には美しい氷の洞窟を背景にピースしている和服美少女兎(私)とこっちに振り向いている最中の皆が映っていた。


もっと早く試せばよかったな。せっかくだしこれからたくさん撮っておこう。


「ミウシアー?変なこと言ってないで先行くぞ~。」

「あ、うん!今行く~!」

ここからは気を引き締めて行こう。

皆で無事にこのダンジョンを抜けるために。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

SIDE:シーア

ウォルちゃんに『乗っ取りヘルメット』を没収されてから、シーア達は皆ひまひまにゃ~。


皆もアバター?の影響が徐々に抜け初めて、やっとルー姉がお菓子を作ってくれるようになった頃には皆脱力しきってたにゃ。

ヒュー兄は本を開いてるだけでぼーっとしてるし、ウォルちゃんは話しかけると話しかけた言葉を返してくれるよくわかんにゃいロボットを作ってるし。ルー姉はしょっぱいクッキーを...これはいつものことだった。

ジアおじちゃんは運動しないで寝っ転がってしょっぱいクッキーを食べながら遠視の泉をぼーっと眺めてるし。

トラちゃんは三角座りで遠視の泉に石を投げてるにゃあ。


そういうシーアもなーーんかやる気でなくて、いつも見たくTRPGの新ルールを考えずにみうちゃんの記憶にあった「かみひこーき」を作って遊んでるにゃーーーーーーー。


「.....!?あれは!!」

いきなりヒュー兄が立ち上がって遠視の泉に駆け寄った。皆が遠視の泉に近寄ってきてのぞき込む。


「あれはルクス!私のアバターだ!!ミウシアと一緒に行動しだしたぞ!」

アバターだってサスティニアで生きてるからミウちゃんと会うことだってあるんだ。


そかそかそっかー、オセロもいつかミウちゃんと会うことになるのかな?その時はミウちゃんの力になってくれるといいにゃあ。


「あれがヒュムのアバターか。お前アバターになっても眼鏡かけてんのか!!....おい椅子に座ったぞ、狼だよな?」

「うむ、私はアバターになっても人間らしい生き方を心掛けた。その賜物だろうな。利発的な子じゃないか。ミウシアの力になっているようだぞ。」

「なるほどなぁ。....なんかヒュムみてぇだなぁ」


そういうジアおじちゃんはクマさんになって野性的な毎日を過ごしてたのかな?過ごしてたんだろうなぁ。


「なるほど、ここまで色濃く私達の性格が出るのね。...そうだ、だれのアバターが一番ミウシアに気に入ってもらえるか勝負しない?」

「絶対私のピョンです。ミウシア様は絶対私のアバターであるピョンを気に入ってくれます。わたあめさんと出会った時にわかりましたよ。ミウシア様は可愛い動物が大好きなんです。それに私の気持ちをたくさん込めて祝福したピョンのことを絶対に気に入ってくれるはずです。」

「そ、そうだね~。」

ルー姉は普段ほわほわっとしてて美人で優しいのに、ミウちゃんのことになるとちょっと怖い。

ミウちゃんの記憶にあった「やんでれ」?って人たちとちょっと似てる。

そりゃあシーアだって、ミウちゃんに撫でてもらったりしたいなぁって思うし、町とかで他の猫を撫でてたりするといいなって思うよ?

思うけどあそこまで目がぎらぎらってならないもん。


「私のジェイドは蛇...。どうやってミウシア殿と出会うのか....。しかも唯々兵を集め森で軍隊を作っていただけの私....。」

「大丈夫だよトラちゃん、きっとジェイドちゃんも森でミウちゃんが魔物に襲われてたら助けてくれるはずだよ!」

トラちゃんのアバターもきっとトラちゃんみたいにミウちゃんのことが大好きな筈だし、きっと大丈夫だよね?


「とにかく、ミウシアが全部終わってこの神界に来た時に答えを聞きましょう。それまでアバターと私達の関係は内緒!!わかった!?」


「うーい」「わかった。」「わかりました。」「うむ。」「はーい!」

皆暇で何かしらしてないと落ち着かないんだなぁ。

でもオセロがどうミウちゃんと出会うのか楽しみだにゃあ。

遠視の泉を見ながら新しいTRPGでも作ろうかな。

次は違う世界観とか作ってみよ~~。

読んでくださってありがとうございます!もしよろしければ下の欄の✩をタップして頂けると励みになります(*ˊ˘ˋ*)

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