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「46話 皆の今までとこれから 」


レオがオーナーのバー&ホテル「酔ってけっとしー」で宿も無事確保でき、ごはんまでご馳走になることとなった私達はレオの目的と今後について話すこととなった。

にしてもこのお店の名前はほぼダジャレだよね?寄ってけ、酔ってけをかけててさらにケットシーももじってる。

楽しいことが好きなケットシー族ならではのネーミングセンスなのかな。


「じゃあ、まずはレオの目的について聞くです。なんでミウを探していたかもう一度教えてくださいです。シーア様の下りをもう一度。」

カナちゃんの問いかけに対して、レオは頭をぼりぼりとかきながら何かを思い出すように話し始めた。


「ん~、詳しくは忘れたんけど、何か夢にシーア様が出てきてミウシアっていう褐色バーニアっ娘と一緒に旅すれば楽しいことしか起きないよ~って言われたんだけど、ほら、オレって楽しければ何でもアリ~?みたいな生き方してっからとりま探してみっか~?的な感じで探し始めたってわけ~。いざ会ってみると好みドンピシャでもうミウシアちゃん一筋っつー感じになったんだよね~。」

最後に私に向けてウインクを飛ばしてくるレオ。

私は恥ずかしくなって飲み物を飲んで視線を逸らす。

トルペタ君、カナちゃんはシーアの下りで何か納得したような、新たな疑問が出たような顔をしていた。

後半は聞き流してそう。


少し考えたのち、カナちゃんが真剣な表情で切り出した。

「....この際だから皆に伝えておくです。実は私もヒュム様に夢の中でお会いして、ミウに会えば魔道の神髄に近づけると仰られたです。...私は魔道の神髄を求め続けていたのですがやれることは教授たちの魔法に関する論文、講義、研究。どれも今の魔法論から外れない、知っていることだらけの実につまらない内容のものばかりでした。しかしミウに会って、色々話したりミウの魔法陣を研究したりして今までにない新たな角度から魔法を知ることができました。」

カナちゃんは相当優秀なんだな~と改めて思いなおす。

教授....は魔法学校の教授とかそういう人のことを指すとすると、魔法学校で知ることができる全てを理解しているといっても過言じゃないよね。


「俺もそうです、俺の場合はミウシアさんと会った方が先でしたが。クルシュ村という田舎から出て、旅をしながら世界を回りたいと思っていた時ミウシアさんに出会い、ミウシアさんがクルシュ村を出る前の日の夜に夢でウォルフ様にミウシアさんについていけばいいことがあると言われました。旅に出るきっかけも明確な理由もなくだらだらと過ごしていた時にミウシアさんが一歩前に進む勇気をくれたんです。」

トルペタ君は旅に出たいけどきっかけが欲しい状態だったもんね、クルシュ村を出たのはそんなに昔のことじゃないのにもう懐かしい気持ちがしてくるなぁ。

.....おっといけない、この流れは、今こそ私が考えた嘘を流れに乗せるタイミングだ。



「実は私も似たような感じかな~。トルペタ君には前話したと思うんだけど私の一族は大人になったら旅をしなきゃいけないんだけど、私はだらだらと過ごしたかったんだ。だから家を出てから森に拠点を作ってゴロゴロしてたんだけど、人と会話したりすることがまったくなくなって寂しかったんだよね....そんな時にルニア様が夢に出てきて世界中を回り、仲間を集めて魔物を退治しながら旅をすれば楽しいし刺激的な日々を送れるって言われたから旅を始めたんだ。」

ん、ちょっと適当すぎたかな...?でもトルペタ君が信じてる前に着いた嘘も織り交ぜてるしおかしいところはない....かな?

皆を見るとカナちゃんは意外そうな反応、トルペタ君は納得した顔、レオは...ニコニコしながらこっちを見つめてくる。


「まさかミウも夢で神にお会いしていたとは思わなかったです...。」


「カナちゃんはどういう予想をしてたの?」

顎に手をやって首を傾げて考えるカナちゃん。


「ん~そうですねぇ、神々によって地上に降り立った神の眷属とか、神に育てられたとか、なんかそんな感じですね。」

う"....鋭い。ほぼ正解じゃん、正確には神々を作った神モドキだけど。


「あはは、そんなわけないじゃん~。私のがそんな偉い存在なんてありえないよ~」

うまく笑えてるかな、心なしか乾いた笑いに聞こえるような気もするけど...。

ですよねぇって笑ってるから納得したみたい。

私もルニアに会ったって言ってなかったらこの疑惑がいずれ確信に代わっていたかもしれない。

早めに誤解してもらってよかった。


...ところでレオはなんでずっとこっちを見つめているんだろう。


「レオはなんでそんなニコニコしてるの?」


「いや、ミウシアちゃんは1人が寂しくて旅をしてるんだ、と思って~。だったらなおさらオレを仲間に入れてもらえない~?オレがいればきっと寂しさなんて感じさせないし、同じ神様に会ったもの同士仲良くしようよ~。オレ結構役に立つと思うけど~?どう?」

なにこの口説き文句みたいなの...イケメンは言うことが違うなぁ。


「俺は賛成です!今日の戦闘では助けてもらいましたし、今後の旅に必要だと思います!」


食い気味に賛成するトルペタ君。助けてもらったっていうのもあるだろうけど同性で尊敬してる相手だし大賛成なんだろうな。

私は...どうだろう。レオが私に向ける好意について答えることはないけど、仲間に居たら楽しいんだと思う。

それに襲い掛かってくるほど常識外れでもない。戦力になることも考えると私も賛成かな。


私がレオに対して肯定的な発言をしようと思った時、カナちゃんが机をバン!と叩いて立ち上がる。

「正直私は反対です。確かに戦闘中手助けもしてもらいましたしこの先どんな敵に狙われるかわかりませんので戦力は必要です。ただ....その態度!ミウに一目ぼれしたのはわかるですけどパーティ内の風紀が乱れるです!トル君にも変な悪影響を及ぼすはずです。....それに!精霊を従えているようですが精霊を使役して戦うなんて普通の人には無理です。それこそ王族や特殊な部族のみ使えると聞いたことがあるです。何かを隠しているようですがそんな厄介ごとに巻き込まれそうな人をパーティに入れることはできないです!」ふー、ふーと息を荒げて言い終えるカナちゃん。

精霊については珍しそうだなあと何となく思っていたけどまさかそこまで珍しいものだとは思ってなかった。

ゲーム知識では精霊という存在を聞いたことはないのでこの世界のオリジナルな存在がいることにわくわくもしていた自分が軽率でちょっと申し訳なかった。


カナちゃんのそんな発言を受けてもレオは真剣な顔になるわけでもなくマイペースにお酒を飲んでいた。


「ぷはー。あ~、カナっちとりま落ち着いて~?トルっちだって男の子なわけだし、カナっちが望むこととトルっちが望むことは一緒ってことないんだからさ、トルっちが心配なのもわかるけどあんまり押し付けすぎると男の子はちょっち引いちゃうよ~?」

レオはチャラチャラして見えるけどちゃんと考えてはいるんだなぁと思った。

トルペタ君は同性がいないこのパーティでとても窮屈な思いもしてると思う、たまには羽目を外したくもなるだろう。

そんな時にチャラチャラしてるとはいえ世渡り上手な大人の同性、しかも戦闘では助けてくれたとなればある程度の信頼と尊敬はする。

それなのにカナちゃんに勝手に心配されて否定されてもちょっと困るよね。

カナちゃんが良かれと思ってやっていることは必ずしも相手にとって印象よく映るわけじゃないし、いや~青春してるなあ。


レオ君に言われたことに対して何か思うところがあったのかストン、と席に着くカナちゃん。


「...前半部分に関しては、すみません。ちょっと取り乱したです。では後半部分の精霊をなぜ使役できるのか聞いてもいいです?」

「あ、オレ精霊使いの一族の最後の一人らしいんだわ~マジウケんよね~。」

サラッと重そうな発言をするレオ、どういう理由で最後の一人なのかわかんないけどカナちゃんは少しバツの悪い顔をしていた。

一族の生き残りとかそういう感じなのかも、村が滅んでとか?


「...無神経なことを聞いてごめんです...。」

誤るカナちゃんにレオはまったく気にしていないような顔で手を振る。


「あ~いいのいいの!親は生きてるから、マミーはふらふら遊び呆けすぎて一族から追放されて精霊にも見捨てられたんだよね~。一族は魔物だか飢餓だかなんかで滅んだっぽいんだけどオレがたまたま精霊に気に入られて最後の一人になったってわけ~。」


「はは...遺伝か....。」

つい乾いた笑いが出てしまう。

暗い過去と思っていたらレオの母親もまたレオのように遊び呆けていたらしい。

ケットシー族が皆そうではないと思うけど特に色濃くその特性が出ちゃったんだろうな。


「レオさんの親は今王都に住まわれてるんですか?」

トルペタ君が重い雰囲気にならなかったことに安心して話を変えた。これならカナちゃんも特に反対しないだろうしトルペタ君も安心したのかな。

これで仲間も4人か、後はジャイアント族でジアに会った人物と合えば仲間になってくれるかもしれない。今のパーティだと前衛が足りないから戦士系だとありがたいなぁ。

と私はレオが仲間に入ることを前提にこれからのことを考えているとレオから今日一番の爆弾発言が飛び出た。


「そうそう、父さんと一緒にお城で暮らしてるからなかなか会いに行くのがめんどくさいんだけどな~。」


「....?お城?両親は二人とも従者とかそういうお仕事をされてるです?」


「いや、王と王妃。」


「へ~、ご両親は偉いんだね~。」「それならなかなか会えないのも...。」「お城かあ、一回行ってみたいなぁ。」

なるほどなるほど、王と王妃の子供だったかぁ~。


「「「....って」」」

「うっそ!!!!」「王子です!?!!??」「レオさん王族だったんですか!!!」

反射的に体をのけぞらせる私、立ち上がって前のめりになるカナちゃん、キラキラした目でレオを見つめるトルペタ君。

嘘でしょ!?この軽さで王子!?

確かに戦闘時の真面目バージョンのレオは確かに王子っぽいけど!


「つっても王は5人、皆何人も娶ってるし俺はケットシーの王の3人目の妻の子供だから名ばかりの王子ってわけ~。だから面倒ごともないしパーティに入れてよ、アルカナちゃん的にまだ不満ある~?」

カナちゃんはストンと椅子に座り飲み物を一口飲んで自分を落ち着かせた。

ふう、と一息ついた後諦めたような顔でレオの方を向く。


「私からは何もないです。トル君はレオを気に入ってますしミウはまんざらでもなさそうですし。それにシーア様がレオを選んだことには何か理由があるはずです....。それに私個人としても精霊術について色々と聞きたいですしね。」

まんざらだよ!

まぁ楽しくなるかなとは思うけど、シーアが選んだことに理由があるとすればきっと「面白そうだから」とかだろうな、猫らしくただの気まぐれかもしれないけど。


無事にレオが仲間に入ることになったことだしお酒でも飲もうかな。

「じゃあレオが仲間に入ることが決まったので!!皆お酒を手に持って~~~~持った?持ったね?それじゃあかんぱーーい!!!!」

カナちゃんとトルペタ君にも無理やりお酒を持たせて皆で乾杯をした。

あ、これからのこと話してないや、まあこれからのことはこれから考えればいいや。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

SIDE:トルペタ


酔いつぶれたアルカナとミウシアさんをレオさんと協力して部屋まで運んだ。

2階の2部屋を借りれたので女性陣にドキドキしないで済みそうだ、よかった。

本当は1部屋だったんだけど酔いつぶれた2人を見て心配したのか、受付の女性が2部屋分用意してくれた。

心配したのは酔いつぶれたことであって、俺とレオさんが襲うんじゃないかという心配ではないと思っておこう。


俺とレオさんはそこまでお酒を飲んでいない。アルカナは精霊についてレオさんにずーーーーっと質問していた。のどが乾いたらお酒を流し込んだ結果がこれだよ、自分の限界は知っておいてくれ。

ミウシアさんは相変わらずの飲みっぷりでずっと飲んでた。

あれじゃあ酔いつぶれて当たり前だ、ミウシアさんももうちょっと飲み方を覚えてほしい。


最初のころは活発で健康的なちょっとほおっておけない綺麗なお姉さんって感じの印象だったミウシアさんも、今ではだらしなくて根っこが男みたいな性格のほおっておくとどんどんダメになる綺麗なお姉さんと言った印象だ。

....でも戦闘している時は雰囲気がガラッと変わって恰好よくなる。普段との差が激しくてちょっとドキッとする。


アルカナはでかめの妹って認識だったんだけど俺に対してマナの補充とかいってくっついたり、何かと俺に触れてくる。

年頃の男にあれはきつい。俺にも性欲はあるわけで....。むむむ....。


「トルっち~?どしたん?悩み事?相談なら乗るから話してみ?」

レオさんは話し方、見た目こそチャラチャラしてるけど自分の考えをしっかり持っていて尊敬できる。女性慣れしてるところも男として尊敬してる。


「実は.....。」

俺は美人2人と一緒に旅をして感じた度重なる悶々とした気持ちを晴らせない現状についてレオさんに相談することにした。


「なるほどね~?じゃあ女性に慣れちゃえばいいんじゃね~?」

「へ?」


「ここどこだと思ってんの~?王都で一番女の子が多いケットシー地区だよ~?ってことはつ・ま・り。」

....これはそういうことなのかな?そういうことなんだろうな。

ごくりと唾を飲み込むとレオさんは満面の笑みで俺を夜の街へ案内してくれた。



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