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「4話 誰かのために 」

さて、柵作るか!

アイテムボックスから耐熱素材の「火竜の骨」と「研磨剤」と「ヤクの革」を取り出す。


火竜の骨は火山地帯に生息し、成体で15メートルほどもある火魔法を「イグニスドラゴン」の骨で、鉄並みの硬度を持っている。

イグニスドラゴンは中堅からベテランプレイヤー4人でギリギリ倒せるレベルの強さである。


ギルドメンバーのにゃんまるちゃんがある日「イグニスドラゴンの魔石をペンダントにしたいにゃ。皆火山集合にゃ」とチャットで他のメンバーを半ば強制招集した時にギルドメンバー6人で乱獲し、素材を大量に入手した。

火竜の骨で強力な武器を作ることができるがギルドメンバーはさらに強い武器を持ってるため必要がない。

さらにRoAではプレイヤー同士の取引が非常にめんどくさい。


ゲーム内でプレイヤー同士の取引をサポートしていないため公式サイトの掲示板を使用することになり、取引することが確定してもそのプレイヤーとログインの時間を合わせてどこで待ち合わせをして合流、その後取引を行うという手間のかかる方法になる。


つまり自分の武器よりも性能の低い武器の素材である火竜の骨をすぐに金に換えられず、ギルドメンバーがみんな俺に押し付けてくるのだ。


とまあそんなわけでアイテムボックスで大量に眠っていた「火竜の骨」を木材職人専用装備ののこぎりで成形していく。

大小さまざまなサイズの骨を150センチ程度の大きさに合わせるため、小さいものは複数をヤクの革をひも状に加工して連結させ、大きいものは切っていく。

次に切り口や尖った箇所を標準装備のヤスリと研磨剤で手触りよくしていく。


この作業を素材の半分がなくなるまでVRヘッドセットと連携したスマートフォンの画面で動画サイトを見ながら3時間続けた。


(これ現実で下にマグマがあるダンジョンの中で地べたに座って作業してたら死ぬだろうなぁ・・・。)


そんなことを思いつつ出来上がった杭*500個を杭の高さが100cmくらいになるまで2m間隔に黙々とハンマーで打ち付けていく。

「ふいー、こんなもんかなっ!仕上げには~~~~っと」


アイテムボックスから「ドライアドの枯れた蔓」を大量に出していく。


これは俺が森に住む植物族のドライアドと仲良くなった時にドライアドから「もしよろしければ私たちの枯れた部分の蔓を切ってくれませんか?」と依頼されたので森中のドライアドの枯れた蔓を切っていった時のものだ。どうやらドライアドにとって枯れた部分の蔓は人間でいうところの伸び切った爪に相当するらしいので、邪魔になるらしい。

そしてこの蔓、ドライアドが元々マナを多く含む種族のため、枯れた蔓でさえもマナを内包している。そのため燃えない性質を持つ。もちろん、燃やす手がない訳ではないが生半可な方法ではない。


その蔓を先ほど打ち込んだ一番手前側の火竜の骨杭にくるっと巻き付けてその隣の杭へ、くるっと巻き付けて隣の杭へ、を繰り返していく。

端っこまで来たら杭の下の方までつたを巻き付けて折り返していく。

同じように道の反対側に打った杭にも巻き付けていく。


「あとは補強魔法で!「ストレングス・アース」」

杭を打ち付けた箇所の地面に手をかざして呪文名を唱えると手の前に魔法陣が浮かび、地面が淡く光り硬質化していく。

そのまま全ての杭が刺さっている付近の地面に補助魔法をかけていく。


「柵できたーーーーーーーー!」

一人しかいないけどエモートで両こぶしを振り上げて喜びを表現する。


(今日はここまででいいかなぁ、6時間もかかっちゃったし。このさきをちらっと見てみよう。もしかしたらこの先も柵作らなきゃいけないかもしれないし・・・。)

俺は作成した柵をニコニコと眺めながら奥に向かっていく。この柵の先にマグマが広がっている地形の奥にはまた洞窟の入り口があり、その先に金属でできた両開きの高さ5m、幅3mほどの大きなドアのようなものがあった。

いかにもダンジョンがこれから始まりますよーーーといった見た目をしている。


(とりあえずこの扉までは柵を作る必要が無いかな、今は生産職だからこれ以上奥に行くのはやめておこう。)

俺はアイテムボックスから「帰還石」を取り出してキーワードを唱える。

「リターン!ギルドハウス!」

青い光の渦が俺の体を覆い、俺は三階建ての石造りの大きな建物、「うさみみ共和国」のギルドハウスに帰ってきた。


フレンドリストを見るともうみんなログアウトをしているようだ。

(もう四時過ぎだもんな・・・。チャット全く見てなかったから挨拶もできなかった、明日話すことにして今日はもう寝よう・・。)


ギルドハウスの2階にある自室に戻り、布団に入って視界の隅にあるシステムメニューを選択してログアウトする。


現実世界に戻ってきた俺は土日で「氷と炎の円舞曲」ダンジョンに来る人たちのサポートをすることを決め、そのままベットで横になった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ミウシアが延々と柵を作り続けていた時、RoAの公式掲示板でミウシアの新たな記事が上がった。


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「【速報】ミウシアさん、新規ダンジョンでまたなんかしてる」

通りすがりの狩人:新規ダンジョンの「氷と炎の円舞曲」前でめちゃくちゃ大量のポーション作ってたぞ、しかもニコニコしながら。


通りすがりの狩人がスクリーンショットをアップロードしました。


通りすがりの魔術師:マジだ、めっちゃニコニコしてるwww前回は初級ダンジョンで無償で初心者の支援しまくってたんだっけ?


通りすがりの忍者:拙者ダンジョンの中で見かけましたぞ。なんか骨削ってましたぞ。


通りすがりの狩人:骨・・・・・?骨・・・?


通りすがりの戦士:私もダンジョン内でミウシアさんとあったんですけど、フレンド交換しましたよ!


通りすがりの魔術師:有力情報ゲッツ!!それでそれで!?なんか言ってた!?


通りすがりの戦士:許可なしでいっていいのかなこれ・・・。なんかほかの人がマグマに落ちないように柵作るって言ってましたよ!


通りすがりの狩人:柵・・・・・?柵・・・?


通りすがりの魔術師:え?マジ?そんなことする?普通。


通りすがりの忍者:拙者が言うのもなんですがミウシア殿は普通ではござらんし・・・。


通りすがりの鍛冶師:ちょっと見てくる


通りすがりの戦士:いってらっしゃ~い


通りすがりの狩人:とりあえず柵がマジだとしたらマジでありがてぇ、あそこ奥行ってから疲れて戻るときに落ちかけるからな。


通りすがりの魔術師:詳細よろしくな!


通りすがりの忍者:報告よろしくでござる


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


通りすがりの鍛冶師:結論から言うと火竜の骨とドライアドの蔓を使った柵が100m?以上作られてた。しかも地面も呪文で補強されてる。


通りすがりの鍛冶師がスクリーンショットをアップロードしました。


通りすがりの戦士:ちょ、ちょっと!その素材ほんとなの?!


通りすがりの狩人:なにこれ・・・・・。なにこれ・・・。


通りすがりの魔術師:俺火竜の骨取りに行っていっすか?


通りすがりの忍者:他人の建造物は運営が保護してるから無理でござろう....。


通りすがりの鍛冶師:ま、何はともあれ善意に感謝だな。柵の組み立てはてんで素人だがいい素材だし補強されてる分ありゃ簡単にはこわれねぇ。


通りすがりの戦士:ミウシアちゃんありがとーーーー!!!!明日チャット送るねーーーーー!!


通りすがりの狩人:アリガト・・・・・。アリガト・・・。


通りすがりの魔術師:素材はうらやましいけど素直に感謝だな


通りすがりの忍者:こうしてうさみみ伝説がまた一つ増えたでござる・・・・。

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ミウシアは知らない、すごい勢いで他プレイヤーに感謝されていることを。


ミウシアは、後藤武蔵はまだ知らない、感謝されすぎることで誰に目を付けられることになるか。



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