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「37話 決着 」



ゴブリン、コボルトたちが私を狙っていたのはデストラからミウシアを生贄に捧げろとの天啓があったから、と聞いて驚く私たち、でも多分驚きのベクトルが違う。


カナちゃんとトルペタ君はまさかミウシアが神に狙われてるなんてとかそういう方向だと思う。

私は自分の眷属が私を殺そうとするはずがないという驚きだった。


あの優しくてシャイで真面目なデストラがそんなことするはずがない。どちらかというと抜けてるところがあるから何かやらかした、という線で考えたほうがいいと思う。


とりあえずこの場が落ち着いたら後で一人になった時にデストラに聞いてみよう。


「ミウ、大丈夫なんですか?神に狙われているなんてこのままじゃ....。」

カナちゃんが悲しそうな顔をしている。


「そうですミウシアさん。なんで神に狙われているんですか?心当たりはあるんですか....?」

トルペタ君も心配そうな顔でこっちを見つめてくる。


きっとデストラが何かやらかしちゃっただけだから何とかなると思うけど、二人になんて言ったらいいんだろう....。


「あ、あー。心当たりというほどでもないけどちょっと思い当たる節があるから後で確認してみる。とりあえず!キングをどうにかしよう?」

二人は納得していない顔をしてたけど最終的に納得してくれた。



その一方でゴブリンキングが早く殺すなり逃がすなり何とかしてくれと訴えかけてきたのでここはトルペタ君に任せることになり、コボルトキングの止めは私がすることになった。


私は今の自分の実力を知りたかったのでコボルトキングと1対1で戦いたい、と二人につたえると了承してくれたので石の壁に向かって武器を構えてカナちゃんに合図する。


カナちゃんが指を鳴らすと石の壁が消え、中からあぐらをかいたコボルトキングが出てきた。


「....ん、ああ、やっぱりやられちまってたか。誰がオレの最後の相手になってくれんだ?」

私と同じくらいの身長のコボルトキング、仲間が死んでいることに対して腹を立てることなくのんきにそんな発言をしてくる。


「私が相手になる。でもなんで仲間がやられてるのにそんな落ち着いているの?」

問いかけるとコボルトキングは頭をポリポリとかきめんどくさそうに答える。


「所詮弱肉強食だろ?あいつらは弱かった、それだけだ。それに俺はお前らには多分勝てねぇ、だから最後は王らしく戦って死のうと思ってな。....その魔法使いの女には勝てなそうだが兎とチビには負けねぇと思うがな。」


ニシシと笑うコボルトキング。

「それはどうかな?私こう見えても、そんなに弱くない...よっ!」


コボルトキングに向かって駆け出し、まずは小手調べの一撃。

少し屈んだ姿勢で右脇腹をなで斬りする....も身体を回転して躱される。

そのまま左手の鋭い爪を私の後頭部に突き刺そうとしてくる。


「っく!」

とっさに体を捻り、飛び兎を横に構えて刀身に片足を乗せて衝撃を利用し後ろに飛ぶ。


地面に着地すると肩をコキコキと鳴らしながらコボルトキングが煽ってくる。

「へぇ、思ったよりも早えじゃねえか、だが力がたりねぇな。そんなんで勝てると思ったのか?」


「力が足りない分は他で補うよ、そっちこそ、私にダメージ与えられてないけど?」


「おいおい、これがオレの全力なわけねーだろ。さっさと終わらせてやるよ。」

そう言うとコボルトキングの姿が一瞬ブレた。


一瞬で私の目の前まで来たコボルトキングは私のお腹めがけて鋭い突きを放った。

だめだ、避けられない。背中にまで衝撃が伝わるような痛みを感じた。コボルトキングの突きによって地面から足が離れる。

ガードする間もなくコボルトキングに一発入れられた私は内臓への圧迫感と衝撃で地面に倒れこんでしまった。


「ぐ...うぇぇえぇ...」

「ミウシアさん!?」

胃の中の内容物を地面に吐き出す。

お腹がジンジンする。吐き出したものには血も混じっていることから内臓もきっと損傷している。


ゆっくりとコボルトキングが近づいてくる。

使うしかない、あの魔法を。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◇SIDE:トルペタ


無理やり立ち上がるミウシアさん、相当にダメージはあるみたいだった。

ミウシアさんや俺ではまだ早かったんだ。


何度ボウガンに手をかけようとしただろうか、でもミウシアさんはまだ負ける気はなさそうだった。

これから俺らは世界中を旅していくのにこんなところで負けてたらいけないんだ。

それをミウシアさんもわかっているから無理にでも戦って勝とうとしてる。


「ミウ!本当に無理になったら私がやるです、まだいけますか!?」

アルカナがミウシアさんに伝えるも首を振るミウシアさん。


咳混みながら立ち上がるミウシアさん。

「まだ奥の手を....披露してないから...。げほ、コボルトキング、私の勝ちだ。」


奥の手と言っても剣の先から光の矢を出す魔法は刺さらなきゃ意味が無い、コボルトキングの速さを目の当たりにしたけど今のミウシアさんではとても一撃を入れることはできないだろう。

「ほぉ!いいぜ、来いよ。楽しませてくれんだろうなぁ?」


コボルトキングがやる気だ、何か策はあるんですよね?

俺はミウシアさんが次に攻撃されそうになった時、いつでも矢を撃てるようにボウガンを構えて動きを観察する。


ミウシアさんが静かに呟いた。

「<時間加速>ヘイスト。」


次の瞬間ミウシアさんの姿が消える。

「あぁ?逃げた...なんだこれ...」

コボルトキングの鼻に切り傷が一線入った。


次の瞬間コボルトキングの手、足、耳、首、脇腹、背中へと無数に傷が増えていく。


「んだよこれは!!!てめぇ、どこにいやがる!!」

コボルトキングはすさまじい勢いで自分の周囲の空間に殴りや蹴りを入れる....が、全て宙を切る。


次の瞬間いきなり懐にミウシアさんが現れ、その手にもつ武器、飛び兎がコボルトキングの左胸に少しだけ突き刺さる。


「<光の矢>ライトアロー。」


コボルトキングの背中から一筋の光が生えた。ミウシアさんが飛び兎を引き抜くと共に赤黒い血が噴き出る。

コボルトキングはそのまま一言も発することなく崩れ落ちた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


やった....成功した....。

もう無理体動かせない.....。


コボルトキングの死体に重なるようにその場に倒れこむ私。


「ミウ!」「ミウシアさん!!」

二人が駆け寄ってくる音がした。


「ヒールウォーター<癒しの水>!大丈夫ですか!?」


「う、うん.....お腹のは今ので回復したけど...筋肉痛が....。」

ヘイストによって一時的に限界を超えて早くなった代償にすさまじい筋肉痛に襲われた。


「さっきの魔法の反動何ですか?すさまじい速さでしたけど、その後動けなくなるのは致命的ですね....。」


「あの魔法は物体の状態を進める魔法です?人体にかけて運用するなんて..。トル君の言うように代償が重すぎるです。あんまり当てにしないほうがいい魔法ですね...。」


「み、身に染みたよ....。」


その後は倒した魔物の素材を近くに持ってきてもらって私がアイテムボックスで回収した。

キングの素材に関してはCランクと同等の価値があるらしいので報酬もめっちゃ期待できそう。


ミーシャちゃんと合流した後、動けなくなった状態の私をカナちゃんが風魔法で浮かして運んでくれた。

ふわふわと浮くのかと思いきや下から上に向かって人が浮かぶくらいの強風を当てて浮かせるらしくて、髪の毛とか全部上に持ち上がった。ギアードに戻る数時間ずっとスカイダイビングしてる感じだった。


ミーシャちゃんはギアードに知り合いがいるらしいのでそこで別れた。お礼を言われたけど私と勘違いされてさらわれたのならむしろこっちが誤るべきなような.....。


宿についてからは担がれて部屋まで連れて行ってもらったんだけど髪の毛がオールバックで固定されちゃったよもう。


さて、宿について私はベッドの上、私が動けるようになるまで自由時間ということになったので2人は町に繰り出した。

1人になったところで私はデストラにビデオ通信をすることにした。


「色々聞かなきゃいけないことがあるからね....。<映像通信>ライブチャット!」


目の前に透明の画面が浮かび~通信中~と表示された...と思いきや即座に画面にデストラの顔が映る。


『ミウシア教官!!!やっと私に連絡をしてくださったのですね!!!感謝カンゲキ雨嵐です!!....今日の教官の髪型は何とも前衛的ですね...?』

「髪は気にしないで!!....髪より神の話なんだけど!!今日ゴブリンキングとコボルトキングに襲われたんだけど、その時「デストラ様からバーニア族のミウシアを生贄に捧げろとの天啓が!」って言っててね、何かデストラがしってるかなって....あれ?デストラ?」

デストラの青白い肌がさらに青白くなる。

『そんなはずは....私は守れと....なぜ....?っ、ちょっちょっとお待ちを!!!!』


どたばたと自分の部屋から出ていくデストラ、あれ?このビデオ通信って対話相手が移動すると一緒についてくるんだ。


『ん?どうした、デストラ。』

『ヒュム、少し聞きたいことがあるのだが....魔物の言葉は確か私より理解が深かったと思ったが違いないか?』

『ああ、暇だからな。』

自分の書庫でくつろいでいたヒュムに相談に行ったみたい。

ヒュムって魔物語わかるんだ凄い。


『えっとだな、確か....「マ物ノオサ達ヨ。バーニア族のミウシアという少女をオソってはならん。オマエ達の忠誠をワレにササゲよ。さすればチカラをやロウ。」これだとなんと聞こえるかわかるか?』


『ふむ、間違えているなデストラ。違う言語の言葉が混じっている。それだと魔物には「魔の長よ。バーニアミウシア襲。お前我捧げ。力ろう。」と聞こえる。つまり魔物はこう解釈するだろうな。バーニア族のミウシアを襲え。お前たちが我に捧げることができれば力をやろう。とな。というか魔物の長ほど知能があれば普通に話しても伝わるじゃないか。なんでわざわざ魔物語で伝えたんだ?』

何?これをデストラは各魔物の長に伝えたってこと?デストラの勉強不足で魔物の長達が私を生贄にしようとしてるってこと?


『な.....あ......』

絶句するデストラ。今にも死ぬんじゃないかってくらい顔を真っ青にして震えだした。


『おい....まさかとは思うがこの前の天啓で各魔物の長に伝えたのか....!?このアホが!!!!皆集まれ!!!緊急会議..ってミウシア!?』

事の重大さに気が付いたのかヒュムが全眷属を集めて説明をしようとしたときふと目が合った。



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