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「36話 キングとの戦いへ 」


私は洞窟を出て少し山を登り頂上の手前まで来た。

空は暗く、もう夜だ。

森は途中で終わっていて岩場と崖しかないような地となった。

その崖付近には柵があり、柵の内側からは魔物の声が聞こえていたけど、入り口と思われる門が閉まっていて仲が見えなかったので近くの背の高い木に登って確認した。


思ったよりも少なかった。あわせて20匹が集落の真ん中で人間から奪ったものかはわからないけど飲み食いをして騒いでいた。

建物の数は木と枝でできた日よけのようなものが4つ、中央の奥に王冠を被って棒を持ったほかのゴブリンと同じくらいのでかさのゴブリンと、その隣に座った人狼?のようなコボルトよりも大きい魔物がいた。

上からみてわかったけどこの柵は一周囲っているんじゃなくてところどころに人が通れる程度の穴があった。


よし、こんなもんかな。

すぐさま木から降りてみんなのいる洞窟へ戻った。

皆に見たことを話すとカナちゃんがゴブリンキングとコボルトキングの特徴について教えてくれた。


「ゴブリンたちは種の特性として一番頭の良くスキルのようなものを使えるゴブリンがゴブリンキングとなって集落をまとめるです。ミウのみた情報と合わせるとゴブリンキングで間違いなさそうですね。それとコボルトキングですが、進化したコボルトがワーウルフとなってヒューマン族の男性くらいの身長になるです。半人半狼ですね。なのでミウの見てきた2体の目立つ特徴の魔物はゴブリンキングとコボルトキングで間違いないです。あと、今までに発見されたキングたちは皆、人と会話ができるくらい知能が高いので気を付けてください。」


会話ができちゃうのかー、戦いにくくなる。それとスキルを使ってくる魔物と戦うのは初めてだ。

魔法タイプのゴブリンキングと近接タイプのコボルトキング、それと大勢のゴブリンにコボルト、どうしたらいいんだろう。


私の火力ではエリートに傷をつけることができなかった。

スキルを工夫してどうにかしなきゃいけない、他の冒険者で光属性の剣のスキルがどのようなものがあるか聞かないと。

と思い悩んでるとカナちゃんが思い出したかのように話しかけてきた。


「ミウ、後ですね、山を登ってから確認していないと思いますがミウの持つ飛び兎、ミウに合わせてレベルが上がったことでだいぶ攻撃力も上がってますよ。今の攻撃力とミウの腕力ならキングたちにも十分攻撃が通ると思うです。」


「え、本当?<解析>アナライズ!」


-------------------

名称:飛び兎:光(小太刀)

レベル:10(9UP)

品質:A

祝福:済

武器性能:攻撃力+50(20UP)

構成素材:黒錬鋼、チェラリの硬木、漆、チェラリの染色剤

説明:鍛冶師ゴーゲンがミウシアに贈った小太刀。

補足:・取り込んだマナが一定量に達すると成長する。

   ・祝福により小太刀を通して光属性のスキルを発動することができる。

   ・黒錬鋼でできた刃は決して形状が変わることは無い。

-------------------


62!前の2倍くらいの火力になってる!

これで攻撃が通るのなら後は落ち着いて素早く移動しながら切り刻めばいけるかもしれない。

私って殴ったり蹴ったりすることも多いから体技ももっと磨いたほうがいいのかな。


「今回も私はサポートに回るです。ただ、雑魚と同時にキング2匹の相手は厳しいと思うですのでキング2匹の足止めは任せるです。聞きたいこともあるですし。」


「俺のスキルだと直線に敵が並んでさえいれば複数同時に攻撃できるから、俺が中距離から敵を減らしていって..前線はミウシアさんお願いします。」


「おっけー、今ならエリートにも攻撃が通るし油断しなければ何体いても攻撃をかわす自信があるよ!」


「皆さん頑張ってくださいね~、私はここで待ってます~」


作戦会議というほどでもなかったけど一応それぞれの役割は決まった。

私は念のためカナちゃんに貰った光の矢の魔法陣が書かれた紙をよく見て刀身に魔法陣を書く。


ミーシャさんに別れを告げ頂上に向かった私たちはゴブリンたちの集落の入り口まできた。

正面の扉は先ほどと同様しまっていて、内側からは複数の魔物の声が聞こえた。


「外を警戒する見張りもいないですしミウシアが言ってた側面の隙間から侵入するです。」


偵察した時に木の上から見た隙間を探すと、集落の右側の岩場辺りに柵が無い箇所があった。

どういう意図かはわからないけど攻め入るのには都合がよかった。

中を見ると騒いでいるゴブリンとコボルトがいてその奥にはゴブリンキング、コボルトキングと思われる魔物が台座の上で何かを飲んでいた。

ゴブリンはおよそ10匹、エリートが2匹、コボルトは8匹。ゴブリンとコボルトが固まっていて少し離れてエリート2匹が座っている。


「打ち合わせ通りトル君が撃ったら私がキング二匹を岩で閉じ込めるです。その隙に雑魚を削りきってください。」

「行きますよ....っ!」

トルペタ君がボウガンを構えるとマナが矢に集まって周囲の風がボウガンに向かって吹いていくのを感じた。

私は駆け出す準備をした。


「ガッ」「ギッ」「ゴッ」「ギャンッ」

「<石の壁>ストーンウォール!」


トルペタ君の撃った矢が渦を巻き密集していたゴブリン3匹とコボルトの頭を貫く。

それと同時にキング二匹が偉そうに座っていた台座ごと、石の壁で覆われた。

周囲のゴブリン、コボルトは突然のことに一瞬止まり、地面に置いてあった各々の武器を手に取ろうとするが、そんな暇は与えない。

奥のエリートが来る前にできるだけ数を減らすため、私はゴブリンとコボルトの間をすり抜けながら首を切りつけて走る。

私が切ったゴブリンは3匹、コボルトは2匹。

私の横をトルペタ君の二本目の矢が駆け抜けてゴブリン2匹とコボルト1匹に重症を負わせていく。

まだ立っているのはゴブリン2匹とコボルト4匹。

私が集団を抜けるとそこにはエリートが大きな棍棒を構えて私を迎え撃とうとしていた。


「ゴギギギ!!!」「グガガアガガ!!」

左のエリートは私の頭をたたくように振り下ろし、右のエリートは私の脇腹をたたくように横なぎに棍棒を振りぬいた。

私は半歩後ろに下がり紙一重で棍棒を避ける。棍棒の風圧で髪の毛がなびいた。

直撃していたら間違いなく死んでいたと思う、よくて重症だ。


避けた私を逃がさないとばかりに踏み込んで頭に向かって棍棒をふり下ろす2匹。

それを左のエリートの横に向かってステップして首を切りつけながら左足で着地する。そのまま続けてエリートの背後に向かってステップをしながら再度首を切りつけながら飛ぶ。首の深い二つの切り込みから血があふれ出し、倒れこむエリート。


右にいたエリートが激高して棍棒を横なぎに振り回してきた。

屈んでよけてそのまま膝の後ろ側に足払いをかけ、体勢を崩し体がのけぞったのを利用してそのまま逆手に持っていた飛び兎を持ち直し後頭部に突き刺した。


振り返るとトルペタ君は全てのゴブリンとコボルトを倒していた。

マナの回復のためにカナちゃんに抱き着かれてるけど。


「おわったよー、キングたちはどう?」


「はっ、ミウ、も、もちろん閉じ込めてあるです。1体ずつ出すです?」

トルペタ君に抱き着いてたカナちゃんがすぐ離れて顔を赤くしながら答えてくれた。

トルペタ君もまんざらではなさそうな顔してたし青春だなー、にやにやしちゃう。


「み、ミウシアさんお疲れ様です、さっきからキングたちが中で騒いでるみたいなんですよね、たたく音もしますし....。」


「確かキングたちは話せるんだよね?だったらなんで私を探してるのか知りたいしそうしてくれるかな?トルペタ君、準備は...よさそうだね。」

飛び兎を構えていつでもキングと戦えるようにする。トルペタ君の方を見るとボウガンを構えて準備万端みたいだった。


「ゴブリンから出すですよ。」

カナちゃんが指を鳴らすと土の壁が半分崩れて中からゴブリンキングが出てきた。

相変わらずかっこいい動作するなあ、中二病心をくすぐられる。


「お、お前ら!!仲間!!殺したな!!<炎の矢>ファイヤーアロー!!」

ゴブリンキングは出てくるなり周囲の状況を確認し、自分の同胞たちが全滅しているのを見ると怒り狂って魔法を撃ってきた。

ゴブリンキングの持つ杖から炎でできた矢が出て私に向かってくる。


まだ魔法の対処方法は知らないしこの距離だと避けても火傷はするだろう、と思っていたらカナちゃんが一歩前に出た。


「<水盾>ウォーターシールド。」

私の目の前に水でできた盾が現れて、ゴブリンキングの撃った炎の矢がジュウと音を立てて消滅した。


「トル君!今です!杖を!」


ゴブリンキングが再度杖を構えた瞬間、トルペタ君のボウガンから射出された矢がゴブリンキングの杖を持つ腕に刺さる。

杖が手から離れたと同時に私はゴブリンキングに向かって走り出した。


「飛んでけ!!」

杖が地面につく前に杖を思いっきり蹴り飛ばしてゴブリンキングが拾えないところに.....。


ヒューーーーーーと飛んでいった杖はそのまま柵を飛び越え山のふもとの森へと消えていった。


「先代の....杖....。」

ゴブリンキングは膝から崩れ落ち倒れこむ。


「あー...ごめんね?」

まさかこんなに飛ぶとは思わなかったんだよ。どうせ倒すから気にすることもないんだろうけどいくら魔物と言えど喋れて目の前でここまで落胆されると申し訳ない気持ちにもなってくる。


「もういい、殺せ。俺、杖無い。どうやっても、勝てない。」

ゴブリンキングは覇気の無い声で私たちに呟いた。


「待つです、ゴブリンキング。このバーニア族の名はミウシア。聞き覚えがあるはずですが、この名をどこで聞いたか答えるです。」

カナちゃんが「ミウシア」と言った瞬間、ゴブリンキングはバッと顔を上げてこちらを見てきた。

「目の前に、いる、悔しい、神よ、お許しを。」


頭を地に伏せ天に謝罪するゴブリンキング。

神、神って言った?

「ねぇ、神って何のこと?あなたはどうして私の名前を?」


ゴブリンキングは伏せたままその理由を聞かせてくれた。

「神から、デストラ様から、天啓が、きた。バーニアの、ミウシア、生贄に、捧げよと。」


「え!?」「嘘です....。」「そんな...。」


うっそだぁ!


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