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「3話 ミウシアの日常」

----システムメッセージ:おかえりなさい、Miusia様-----


目の前に広がるのは木材で統一したログハウスのような内装をした部屋。

ここは俺が作ったギルド「うさみみ共和国」のギルドハウスの俺専用個室だ。

Miusia:ただいまぁ~

Prisia:おかえり~!

Jest:おか~

Serinazuna:おかえり

Mister:おかえり!!!!!!!

Nyanmaru:おかにゃ~


視界の隅にあるチャットウィンドウにギルドメンバー達の発言が流れる。

この「Miusia」というのが俺の名前で「ミウシア」と読む。

武蔵をちょっと文字ったんだが、ちょっと言いにくい・・・。チャットじゃないとミューシアだと勘違いされることも多々ある。


Miusia:今日も辻人助け行ってきます!

Serinazuna:また!?みゅーちゃん最近家具作るか通りすがりの人の手助けするかしかしてなくない!?

Nyanmaru:そういえば昨日もRoA公式掲示板でミウシア宛の感謝の書き込みめちゃくちゃあったにゃ。一日で50書き込み以上って異常すぎにゃやばいにゃ

Mister:俺も見た!そのうちGM(運営)から声かかるんじゃないのww

Miusia:私はより多くの人を助けたいだけなんだ・・・( ー`дー´)キリッ 今日は新規ダンジョンにこもってくる!

Prisia:いてれ~!


そう、ゲームの中では困っている人がたくさんいる。

現実よりも身近に、かつ簡単に助けられる。

俺にとってオンラインゲームは欲求を満たせる最高の場所だった。


以前、プレイヤーからの俺に対する感謝のコメントが多く寄せられすぎて運営から謎の称号を貰った。

他者への回復量がUPしたりインベントリの容量が増えたり、割とチート性能だったけど、俺のお陰で多くの新規プレイヤーが途中でゲームを投げることなく継続して遊ぶようになったらしいしとりあえずありがたくいただいた。

フレンド内では荷物持ちと回復役に回ることが多くなったけどな。



俺はアイテムボックスから「転移石」を取り出してキーワードを唱える。

「テレポート!氷と炎の円舞曲!」

青い光の渦が俺の体を包み込む、その渦が次第に弱まり視界が晴れると目の前に氷と炎に覆われた洞窟が広がる。


最近新しく発見されたダンジョン、「氷と炎の円舞曲」の前で自作の机と椅子を設置し、ポーションの作成を開始する。

このゲームには第三者視点で自分を見ることができないが、「鏡」等のアイテムで自分を確認することはできる。

作業中の机に鏡を置いて・・・。

この世界ではこれが自分この世界ではこれが自分・・・・うん、相変わらず自キャラは可愛い!


ポーションを一通り作り終えたので机と椅子をアイテムボックスに収納していく


このダンジョンは名の通り火属性と氷属性の魔物が多く、地形ダメージも馬鹿にならないため耐火ポーション、対氷ポーション、炎傷ポーション、解凍ポーションを多めに作ってきた。

半分氷、半分火に覆われた洞窟の入り口を進んでいくと徐々に暑さが勝っていき、先には開けた空間がある。

「最初は火山みたいなダンジョン・・・だっけ。」


奥に進む道は3車線道路ほどの横幅で十分に戦闘ができる空間がある・・・が、壁がなく下にはマグマが広がっている。


これ落ちたら一発でキャラデリかな。

心配性な俺はアイテムアイテムボックスからウォルフの聖石を取り出し祈りをささげる。

すると淡い光とともに現在の装備品が生産職の一つ、木材職人のものに変わっていく。

ウォルフの聖石がペンダントに変わり、俺の首にかかる。


「そこの人、なんでダンジョン内で生産職なの??ここは入り口とはいえ危ないですよ?」


突然声をかけられ、体全体でビクッと震える。

振り返ると・・・?誰もいない。と思ったら視界の下にドワーフの女の子がいた。

ドワーフ族は人間の子供くらいのだったので一瞬見逃したみたいだ。

金髪縦ロールお嬢様系ドワーフで身長くらいの大剣・・・ウォーリアか。この人キャラクリうまいなぁ。


「ええっと、落ちないように柵を作ろうと思いまして~」


「えっ、この道全てですか?」

ドワーフの女の子は驚くエモートをした後、先に続く道と俺を交互に見ている。


「はい、丁度火傷デバフが付かなくて燃えることがない素材が大量にあるんでこの際に消費しておこうかなって」


「そ、そうなんだ・・・。モンスターに襲われないように気を付けてくださいね!」

俺に向けて「がんばれー!!!」と言っているようなエモートを投げてくる。

や、優しい・・・。そして可愛い。


「ありがと~!あ、これ作りすぎちゃったんでもしよかったら使ってください!」

俺はドワーフ族の女の子に先ほど作った各種のポーションを5個ずつわたした。


「え、いいんですか?でもこれ作るのに素材集めめんどくさいんじゃなかったっけ・・・。ほんとにいいんですか?」

またもや驚くエモートをした後続けて焦るエモートをしてくる。

そのエモートの使い方にどう〇つの森のキャラクターのような愛らしさを感じる。

ドワーフがどうやったら可愛く見えるかをよくわかってるな、ロールプレイがうまい。


「平気です!皆さんに使っていただくために作ってるみたいなものなんで!あ、もし手に入れるのが大変なら今度売りますよ~!フレンド登録しましょう!」


「私は嬉しいんですけどなんか申し訳ないな、今度一緒に冒険しましょ!フレンド登録是非しましょう!」

ピコン!と視界にフレンド申請のウィンドウが現れる。名前は「Shalulusha」シャルルシャちゃんか。


「シャルちゃんでいいかな?これからよろしくね~~!そしていってらっしゃいっ!」

俺がシャルちゃんのエモート使いをまねして敬礼のエモートをピシッっと決めるとそれにこたえるようにシャルちゃんも俺に向かって敬礼をして手を振りながらダンジョンの奥に入っていった。

可愛い女の子とこういうやり取りすっごい楽しいなぁ、もしシャルちゃんの中身がオッサンだったとしてもどうでもいい。

だってキャラクター可愛かったらそれがすべてじゃん?

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