「26話 ステータスの上昇について 」
クルシュ村を出てから早3日、トルペタ君曰くもう少しでドワーフの国に着くらしい。
野宿が続いたためしばらくお風呂に入れないかと思ったけどトルペタ君の「ミウシアさんは魔法で水を出したりできないんですか?」という発言で私がいろんな魔法を生み出せるようなサポートを受けていたことを思い出した。
それからは<水生成>ウォータークリエイトと<沸騰>ボイリングウォーターという魔法を作成して毎日お湯で体を洗うことに成功した。
思い出すのが遅すぎたよね...。
それから敵を倒せるような魔法を作ろうとしたんだけど敵を倒せるような強い魔法はMPが足りないのか魔力が足りないのかわかんないけど作ることはできなかった。
となれば肉体を鍛えるしかない、ということでトルペタ君が寝ている間は敵を翻弄するようなトリッキーな動きの模索することにした。
バク天、バク中、障害物を蹴ってさらにジャンプする、さらには日本でも技術としてあった縮地と呼ばれる急な方向転換の技術を以前見た動画を思い出しながら練習したりした。
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「ね~トルペタ君あとどれくらいでギアードにつく~?」
つかれている訳じゃないんだけど精神的につかれてきたんだよね、トルペタ君は逆で精神的には平気だけど肉体的につかれてるみたい。
「え~っと、たぶん今半分くらいまで来てると思いますよ。でもミウシアさん余裕そうですね、息も切れてないですね...。俺はここまで遠出あまりしないし体力もないんで足が疲れちゃいました...。」
スタミナは体力に直結するのかな、ふと気になって久々にステータスを確認した。
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名前:ミウシア
種族:バーニア族(半神)
職業:無し
HP:120/89(20UP)
MP:1000/1000
力:D
防御:E
魔力:D+
早さ:C-(1段階UP)
運:A+
称号:善意の福兎(6柱の神の祝福により効果UP)
・自分以外のHPを回復する時の回復量+100%
・誰かのために行動する時全能力+50%アップ
・アイテムボックス容量+100%
・製作、採取速度+200%
※このスキルはスキル「鑑定」の対象外となる。
※このスキルを持っていると全NPCに好意的な印象を与える。
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なんとHPは20上がり、早さが1段階上がっていた。
称号の説明いちいち長いなぁ。
「ちょちょちょっとトルペタ君や、ステータスが上がる条件って何だね?ここ最近でHPと速さが上がったみたいなのだよ。」
「そのしゃべり方一体なんです...。というかステータスなんて冒険者受付の人に頼まないと見れないと思うんですけ...まさかミウシアさん、ステータスまで見れるんですか?」
ジト目で見てくるトルペタ君。なんか最近扱いが雑になってきたけどこれ仲が良くなってきたってことだよね?
「う、うん...ごめんね、なんでもできちゃってごめんね...。」
「なんでそんな卑屈になってるんですか!ってかあんまり卑屈じゃないですね!?...ミウシアさんが自分でステータスを確認できるのはわかりました、ステータスは日々の努力で上昇するパターンと、祝福武器でマナを吸収した時に上がるパターンの二つがあります。ミウシアさんは日々鍛錬していたようですし前者ですかね?というかHPって何でしょう?なにかの略ですか?」
祝福武器すごい、早く飛び兎を祝福武器にしないと今後損しそうなくらい強い。
HPについてトルペタ君は初めて聞くような反応を示していたけど私のステータス、<鑑定>アナライズはこの世界の鑑定と違うのかも。
「ふつうは鑑定してもらって何がわかるの?」
「えーっと、人、魔物だと名前、力、防御、魔力、早さで武器や物だと名前、状態、性能、ランクになりますね。HPって何なんですか?」
「HPはその人の体力、生命力を数値化したもので0に近いほど死に近いって感じだと思う、他にMPっていうのもあって自分のマナ残量と許容量がわかるんだよ。」
ゲームに無理やり当てはめてるからHPが0になったから死ぬんじゃなくてどれだけ死に近いかを数値化してるって感じになるんだろうなぁ、と思いながら説明するとトルペタ君が絶句していた。
「そんなのも個人で!?...ちなみに僕とミウシアさんのHPとMPは...。」
「私がHP120、MP1000でトルペタ君が...HP30、MP10...。」
「あぁ...。」
トルペタ君は地に膝から倒れこみ全力で落ち込む。
そりゃ男としてのプライドがへし折られちゃうよね...。
力とかも伝えようとしたところ「これ以上知ると立ち直れなくなるからやめてください」って言われた。
その日からトルペタ君は私が寝ている間は筋トレ、体力アップに励んだ結果、ギアードに着くまでにHPを倍の60まであげて力、防御、速さを一段階上げていた。
男の意地ってすごい。
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名前:トルペタ・アロー
種族:ドワーフ族
職業:なし
HP:60/60(30UP)
MP:10/10
腕力:E+(1段階UP)
防御:E(1段階UP)
魔力:E-
早さ:E-(1段階UP)
運:A
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3日後、ついにギアードにたどりついた私たちは道中の魔物との戦闘よりも自主トレーニングによる疲労でくたくただった。
「ついた~~~~!」
「つきましたね~~~!!」
大きな門の前で腕を上げて一緒に喜ぶ私とトルペタ君。
門の前には鎧を着た門番のようなドワーフが二人立っていた。
あそこで検問をするのかな?私たちは身分を証明できるものを持っていないんだけど無事にはいれれればいいな。
「ねぇねぇ、私たち身分証明書なんて持ってないけど平気かな?」
「ええ、よほど怪しい見た目をしていなければ平気ですよ。門番たちもそこまで厳しく取り締まっているわけではなくて形だけ...とまではいきませんが問題なく通してくれると思います。」
トルペタ君の発言の通り、私の心配は杞憂に終わった。
門番にクルシュ村から来たことと、私が村のしきたりで旅をしていることを伝えると「そうか、大変だったなぁ」と同情までしてくれた。忘れてたけど私の称号に全NPCに好印象を与えるって効果があったけどこの世界用になんかいい感じに働いてるのかな?
「ここが、ギアード...凄い。」
門をくぐるとそこは中世の世界とファンタジーを混ぜたような街並みだった。
石造りの建物に歯車だらけの建物で街頭は電気を供給していないのに淡く光っている。
中央にはでかい建物、国っていうくらいだから国王もいると思うんだけどお城じゃなくて工場みたいな無骨な建物だ。
町行く人の8割はドワーフ族でちらほらと他種族が混じっている。
茶色や深緑といった渋めの色に紳士淑女系のお洒落な服装をしたセレブっぽい人、技術者なのかウォルフのようなオーバーオールやタンクトップといったラフな格好のドワーフ、冒険者っぽい見た目の重装備、軽装備をした種族様々な人。
主に冒険者がドワーフ以外の種族でギアードに定住している人がほぼドワーフなのかな。
「ミウシアさん、とりあえず冒険者酒場に行って登録するのと、教会に行って武器を祝福してもらうのを優先しましょう。」
武器の祝福をすればマナを取り込めて自身のレベルアップにつながるんだっけ、できるなら一番最初にやりたいんだけど。
「あ、そういえばトルペタ君のボウガン、今のままじゃ祝福できないってアナライズの魔法で出てたけど...。」
「なるほど...。そしたら冒険者ギルドで登録した後、鍛冶屋によってもいいですか?武器のランクを上げる必要があると思うので素材とかそろえて改造したいんですよ。」
「そしたら冒険者酒場言った後宿屋を取って自由行動。明日教会に行こ!多分冒険者ギルドで素材とか売れるよね?宿代が...。」
「あ、俺が宿代出すので安心してください!」
男らしさ出してきた!?
気持ちは嬉しいんだけどこの先お互いに気を使うような関係になりたくないしちゃんと断っておこう。
「ごめん、気持ちは嬉しいんだけどこれから先も一緒に旅をするわけだし、こういうところはきちんとしておきたいんだ。道中狩った魔物の素材は折半、個人的に持ってる素材は私のもの。宿代は二人で出し合う。これでいいかな?」
トルペタ君は少し悩んだのち納得してくれた。




