「21話 感謝祭(前編) 」
私がヒュムに働いていないことを指摘されて急いで家を出てから半日が過ぎた。
日本の胡桃とほぼ同じクルシュを見つけて浮かれてたらトルペタ君に会い、そのまま村に案内してもらってトルペタ君のおうちに来て....。
「あんなことになるとは思わなかった....。」
コルペタさんに倉庫の空き部屋に案内してもらった私は借りた服に着替えながらさっき経験した天国(地獄)について思い出していた。
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◇家の横の倉庫にて
「ミウシアちゃんの桶に魔法でお湯はれるかい?」
「え、えぇ....。ずいぶんでかい桶ですね。これくらいならへい....って!!!なんでぬぬぬぬいでるんですか!!!!」
「お風呂に入るんだから当たり前じゃないか、ほらミウシアちゃんも脱いだ脱いだ!」
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「ちょちょちょっとどこ触ってるんですか!!それに近いですよ離れてくださいいぃぃい膝の上から降りてぇぇぇえ」
「なにいってんだい、女同士だろ?....にしてもバーニア族ってのはスタイルがいいねぇ....。」
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「あたしが垢すりしてあげるよ、優しくするねミウちゃん。」
「あ、あかすり....?っていたたたたたたああああ!」
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とまあ、つまりトルペタと一緒にお風呂に入ることになってしまったのであった....。
子供に見えるとはいえ立派な女性。しかも巨にゅ....いやなんでもない。
変に異性として意識しても怪しいしだからと言って身をゆだねるほど女性に慣れている訳でもなく正に天国であり地獄だった。
でも私の女性の裸に対する欲がちゃんとあったことは嬉しかったな。身も心も女性になってたまるか!
これで男性とお風呂に入って何も心が揺れなかったら安心するんだけど....トルペタ君をお風呂に誘ったら思春期真っただ中で異性に対して免疫のないのトルペタ君はスタイルの良いこの体に耐えられないかもしれないからやめておこう....。
そんなこんなでお風呂から上がった私にトルペタさんは旦那さんの服を貸してくれた。
確かに今までの服だと目立つしありがたいんだけどコレどう考えても....。
「ぴっちぴちだよね....。」
私は<光反射>ミラーを使って全身鏡となった水に向き合ってまじまじと自分の恰好を見る。
ドワーフ族用に作られた普段着はゲームでいう初期装備のような見た目だった。
麻?のような素材でゴワゴワとしたくすんだ白色のシャツと革でできた年季の入った茶色いベスト。
ズボンは染めてあるのか深緑でドワーフにとっては長ズボンサイズだった。
ほぼトルペタ君と同じ服装でズボンの色だけが違う。
きっとドワーフがこれを着たら普通の木こりのような見た目になると思う....んだけど。
これを私が着るとこうなる。
シャツはボタンが閉まらずただ羽織るだけでその上からベストを着ることになるため胸の全貌はかろうじて隠れる程度となる、貧乳だからね!!
ズボンはもともとだぼだぼに作られているのか入ることには入るがひざ下の七分丈になる。
あ、パンツは魔法で洗って乾かしたから元々使ってたやつだよ。
「うーーーーーん、せめてシャツをどうにかしないと外に出た瞬間つかまりそう....。」
コンコンガチャ
「ミウちゃんどうだい?旦那の服はきれ....」
ドアをたたく音とコルペタさんの声とドアを開ける音がほぼ同時にしたけどそれいみないよね!
「まぁそうなるわよねぇ、ちょっと貸しな、シャツだけほかの服と繋げて丈調整してあげるから。」
「よろしくお願いします....これじゃあ外歩けないですよぉ....。」
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あのあとコルペタさんに服を直してもらって何とかシャツのボタンを閉めることができた。
濡れた髪を乾かしてからコルペタさんと共にトルペタ君のいるキッチンに行き完成していたクルシュのパイの味見をした。
久しぶりにちゃんとしたスイーツを食べてめちゃくちゃにテンションが上がっちゃったけどこの後の感謝祭ではもっとおいしいものが出るそうだ。たのしみ!
あ、ちなみにトルペタ君は前より私の肌の露出度が上がったことによって私のほうをしきりにチラチラ見てきた。
わかるよ~、私も昔だったらそうなってたし。でも胸じゃなくて二の腕とか足元とかに目がいって胸に目がいかないのは貧乳だから?それとも腕とか足とかそういうフェチなの?
「じゃあ会場にこれ(クルシュのパイ)を運ぶからミウちゃんも手伝ってくれるかい?」
お風呂に一緒に入ってから呼び方が変わったのは打ち解けた証拠かな?
トルペタ君がどうやら頑張ってくれたらしく、大量のパイが机の上に並んでいた。
アイテムボックスを使えば一瞬だけどあんまり公にできないため普通に運ぶしかなさそう。
「もっちろんです!多分一気に運べると思うんですけどでかい木の板とかありませんか?」
ここらで一気にできるやつアピールをしておきたい。
「バーニア族は力が強いんだねぇ~。あいよ、こっ、これでい、いいかい?ふぅ~。旦那が弓つくりの時に使ってた板なんだけど今じゃあパン作りの時くらいにしか使わないんだよ。」
コルペタさんがキッチンの横からコルペタさんの身長くらいある固い木の板を取り出してくれた。
その上に大量のクルシュのパイをのっけて持ち上げる....うん、余裕で持てる。
板の形状上、倉庫から出ることになった私たちはそのまま感謝祭の会場に向かった。
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会場に行き、机にクルシュのパイを配膳していくと村人たちの視線が私に集まった。
同じように食材を配膳している少女(多分大人)達に「手伝ってくれてありがとねぇ」とか「あなた大きいわねぇ」とか「いやいやそこまで大きくないわよ」とか声をかけられた。
最後のやつ出てこい絶対胸のことでしょ!
そんな中椅子に座ってお酒を飲んでいるゴーゲンさんに話しかけられた。
「お!やっぱりあんたも感謝祭にでるのか、今日はたくさん飲むぞ~~」
「あははは、あとで私もお付き合いしますので一緒に飲みましょうね~!」
その時にゴーゲンさんに武器とかの話をすればいいかな。ひとまず仕事を終えた私はトルペタ君、コルペタさんと同じテーブルの席について感謝祭の開始を待つ。
机には焼いた何かのお肉や赤い何かしらのシチュー、そしてお酒や水が置いてある。
私はお肉を手に取り口に運ぶ。少し焼きすぎなカリカリ具合とちょっとしょっぱめの味付けがお酒のおともにとてもあう。
味は昔に食べた猪肉に近く、少し癖のある豚肉程度だった。
「あ~~~おいしい、お肉なんて久しぶりに食べたよ~~~」
「あはは、おいしいですよねボア肉。バーニア族の感謝祭もこんな感じなんですか?」
そんなことを言われても当然バーニア族がどんな感謝祭をしているか知らないので当たり障りのないことを言っておこう。
「う、うん大体同じかな?私も料理作ったなぁ~」
あはは~と笑いながらお酒を口にする。ん~ぬるいしあんまりおいしくないビールみたいな感じかなあ。
「へ~こ、今度ミウシアさんの料理もたべてm「ほらほら、始まるわよ!」」
トルペタ君が何やら私と親睦を深めたそうな発言をしていたけどコルペタさんに遮られた。
コルペタさんが指を刺した先には舞台に向かってゆっくりと歩く2人。
ドワーフ族にしては珍しく髭の生えたいかにも長老のようなおじいさんと
「ウォルフ!?」
おじいさんについて歩いているのはウォルフ(・・・・)だった。




