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「108話 魔法とスキル 」

説明回です、ちょっと読みずらいかも(´・ω・`)

SIDE:ヒュム

ミウシアとオウカと呼ばれる少女の戦いを遠視の泉で眺めているが、何が起きているか全くわからん。

いくら神になったと言えども生前の私はただの一国の軍師、このような異世界の摩訶不思議な技を使うのが前提の戦い方など理解はできない。


「ミウシア様...復属性まで使いこなすなんて流石ですっ!」

隣で見ていたルニアはこの戦いを理解しているようだった。

オウカが説明していた魔物化?というのもよくわからん。


「ルニアはこの戦い..というかマナについて詳しいのか?」

「もちろんです!私がドライアド達にマナというシステムを与えましたから!」

驚いた、ルニアはあまり頭を使わずに生活しているように見えたのだが...いや、いい意味でだが。


「ミウシア様に期待されましたからね!」

力こぶをぐっとつくるも、白くか細い腕のどこが盛り上がっているのかわからない。

そうだった、ミウシアのこととなると人が変わったように頭が回るんだった。


「そのマナのシステムについて、教えてくれないか?」

「はい、良いですよ~。」

ルニアが椅子から立ち上がり、パチンと指を鳴らすと地面からウィーンという音を立てて黒板がせりあがってくる。

ウォルフの仕業か....以前からシーア達がこの場で黒板を使って遊んでいたと思ったら、こういう仕組みだったか。


「それじゃあ説明しますね。まずは根本的なところからです!」

黒板の横にしまってあったチョークを取り出して、ルニアの説明が始まった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

マナとは


神力を普通の生命体にも適応するように作られたエネルギーで、生物の進化を促すもの。

この星がまだ生命力の弱いものしかいなかった時代にルニアが植物に意思を与え、マナを生成できるようになった。

この存在が「ドライアド」

今では普通の木と同化してしまっているが、以前は木を媒体にした精神生命体のような物だったらしい。


ドライアドはマナを持つ実を生物に分け与え進化を促した。

実だけでなく、植物にも進化を与えるため、花粉にもマナを持たせて世界中をマナで満たした。


そんな中、神の加護によって一部の生き物が進化を経て知能を持った。人間の祖先である猿型の生き物、ドライアドと共生関係あった兎型の生き物と猫型の生き物。


知能を持たず、進化を経た生き物は魔物という総称で呼ばれた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ちょっといいか、マナの説明ではなく生物の歴史になっていないか?そちらも興味はあるが、今はマナを使った魔法やスキルについて教えてほしいのだが....。」


「でもここから説明しないと後々に繋がらないんですよ...。ヒュムさん、時には我慢も必要ですよっ。」

「はぁ....わかった。続けてくれ。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ドライアドと共存していたバーニア族、ケットシー族の始祖達は会話により他の種族と交流を深めた。

それにより人間とドライアドは互いを助け合って生活していた。

人間達はドライアドから害のある食べ物、害のない食べ物を選別する知識を貰って、食料を選んだ。



世界中でマナを含んでいないものはないといえるほどに、マナで満ち溢れていた。

だが、魔物は環境に適した進化をしていくうえで、マナの性質が変化していった。

寒さに耐えうるように、水中で暮らせるように、火山でも生きていけるように、嵐の中でも飛べるように。


この性質こそが属性。

こうして属性付きのマナを持った魔物達は強大な力を持ち、そのマナの力に溺れ、本能のままに他の生物を攻撃するようになった。


一方で人間達はドライアドによって害のない食べ物を選び、知恵によって寒さや熱さから身を守っていたため、マナが変質する程の進化は起きなかった。


そんな中、進化の過程で後天的に知能を持つ魔物が現れる。

人間達はその中でも知能を持って邪魔な存在を滅ぼそうとするものを魔族、そんな魔族に反対し魔族の被害を受けた人間達を守るものを神獣と呼ぶようになった。

人間達は神獣を崇め、神獣はそんな人間達を愛していた。


しかし、いくら神獣と言えども圧倒的な量の魔物と、自分たちと同じ力を持つ魔族を相手にするのは限界があった。


人間、ドライアドも神獣の力になろうと魔物、魔族に知恵を持ってして対抗したが、知恵だけでは埋められない圧倒的な力の差を思い知った。

このままでは人類が滅んでしまうと考え、自分たちを創造した神に頼ることになった。



そんな人々の思いに、ドライアドを創造し、人々に祝福を与えた神々は、魔物に抵抗する力を人々に与えるシステムを作った。

これが「祝福」システム。

新たに作られた世界の理。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「まて、確かに知識を授けるために祝福をしたが、祝福システムは作ってないぞ!?あれはこの星にもともとあったものではないのか!?」

「私が独断で作りましたので。そもそも、人々の願いはこの天界と地上の双方向のつながり、つまり私達が願いの泉を見ていて、人々がこちらに干渉しようとしている瞬間の実届くんですよ~。当時は私に地上の監視を任せて皆さん趣味に没頭していたじゃないですか、ヒュムさんはミウシア様の知識に夢中でしたし。」

「む....。確かにそうだな。ルニアの力が著しく下がっていた時期があったのはこのせいか。すまない、続けてくれ。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


このシステムは人々が神力が強い地で魔物と同じように、属性のマナを含んだ物質を持って祈ることで、その物質に制限付きではあるが放出したマナに属性を付けることができるようになる「祝福」を与える。


この「祝福」は、人工的な疑似精霊をその物質に宿す行為。

つまり、人間は祝福装備に宿った疑似精霊の力を借りてマナを制御し、属性を付与するのだ。


属性を付与したマナは精霊にどういう指向性を持つかイメージを送ることで様々な現象を起こす。

これをスキルという。


このスキルを駆使して人々はドライアドと神獣と共に魔族に対抗した....が、圧倒的な物量で押し負けてしまう。

見かねた過保護な神(へへ、これも私です。)は対単体のスキルという攻撃手段と対象に、対多数の「魔法」システムを作り出す。


「魔法」システムは直接システムに願いを申請してスキルよりも強大な事象を起こすものである。

どの様な事柄を起こしたいか、神式語と呼ばれる特殊な言語でマナを使って図を描きキーワードを口にすることで起動する。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ヒュム知ってた?あたしがこのシステムと神式語を作ってルニアの手助けをしたの。」

「いつからそこに!?...まぁ確かにウォルフならばミウシアの知識から作り出せるだろうな...。」

「そうよー、頑張ったんだから。ちなみにシステムを管理してるのはAIなの。サスティニアを守護する人工神ってとこかしらね。」

「お前にはできないものが無いのか....?」

「ウォルフちゃんは凄いんです!もうウォルフちゃん無しの生活は耐えられませんよ~~。」

「あたしも~~ルニアの料理無しじゃ生きていけな~い。」


「...魔物化についてまだ聞いてないぞ。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


2つのシステムにより魔族に対抗できるようになった人間達は、魔族を自分たちの領地から追いやることに成功する。


だが、魔族は進化を続けている。

やがて魔族をまとめ上げるほどの力を持った者が現れ、人間達を窮地に追いやった。


人間達はまた、神々を頼ったが、いくら神に願っても願いは届かなかった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「えへ、恥ずかしながら、システムを作った反動で寝込んでいた時期です...。」

「人間も難儀なものだ....。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


絶望の淵に立たされていた人間達の中で、各種族につき1人、神の啓示を受けた人間がいた。

それは新たな力を授かったというわけでは無い。

しかし、神からの激励に対してその人間達は魔族に立ち向かう勇気を胸に抱いた。


その人間達は後に勇者と呼ばれることになる。


その中の一人、人一倍の知識を持ったヒューマン族の勇者が魔物の力を参考に、ある技術を作り出した。


祝福された装備にマナを送って属性化した後、そのマナを取り込むことによって一時的に魔物と同じ力を得る、「魔物化」という技術。

属性によって引き出せる力に差異があったが、その力を使いこなして勇者たちは魔族を束ねる長を討ち倒したのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「めでたしめでたし~。」

中々興味深い内容だったな。これは眷属の中でもルニアがトップクラスの勤労者だな。

説明をしてくれたルニアに拍手をすると、同時にぱちぱちぱちと5人分の拍手が聞こえた。

後ろを向くと皆が集合していた。


「いつの間に...。」

「オレもスキルとか使って派手に戦闘がしたかったぜー。」

「アバターだけでは物足りないというものだ。」

ジアとデストラは前世ゆえに決起が盛んだ。

私は魔法の方が興味があるな。


「シーアね、このシステムのえーあい?とお友達だよ!」

「そういえばよく私のパソコン触ってるわね、アレってAIと会話してたのね。」

シーアが友達、そんな大事なシステムと破天荒なシーアが友達とは、少し心配になるな。


「うん!サスティニアの人たちの魔法陣とか見せてもらったよ!でも魔法の命令文が硬すぎて詰まんなかったから、もっと可愛い文章だったらいいのになって言ったら、文章によって威力あげちゃおっかな~。って言ってたにゃ~。」

「ちょっと、変なこと吹き込んでバランスが壊れたらどうするの!というかAIなのに随分と感情的な話し方ね....。」

やっぱりやらかしていた。シーアは相変わらずだ。


しかし...

「サスティニアに影響がないと良いな....。」


結局、ルニアの説明を聞いたところで、私の目がミウシアの先頭に追い付けるようになるわけでは無いため、相変わらず何が起きてるかわからない稽古を眺めるしかなかった。--

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