【漫才】ウイニングイレブン
ボ=ボケ ツ=ツッコミ
ボ「はいどうもー!」
ツ「どうもー。さぁ今日も漫才やっていきたいとおもっているんですけどね」
ボ「はい」
ツ「最近どうですか? 自粛だなんだの言われてますけども」
ボ「三宿?」
ツ「誰が東京の地名の話してんのよ。自粛、じーしゅーく!」
ボ「ああ、自粛ね」
ツ「そうそう、リモートワークだのなんだのと、外に出ないようにと皆色々やっているじゃないですか?」
ボ「あーやっていますねぇ」
ツ「家に居る趣味を作ったりとかしてる人も多いですよねぇ、どうです? あなたは何かやってます?」
ボ「やっぱりね、スポーツしなきゃな、って思ってですねぇ」
ツ「いいですねぇ、運動不足の人も多いみたいですから。何されてるんです?」
ボ「私、サッカーが好きでして、やっぱりサッカーですよ」
ツ「待て。雲行きが怪しくなってきたな……」
ツッコミ、考え込んだ風に相方から視線を外す。
ツ「サッカーって、部屋の中で出来ます?」
ボ「あ、知らないんですか? ウイニングイレブンって言うんですけど……」
ツ「eスポーツ!」
ボ「はい、サッカーは良い、スポーツですよね」
ツ「いや、私が言ってるのはe! アルファベットのe! ABCDEのe!」
ボ「……その次はFですよ?」
ツ「知ってるから! ちゃんと26文字のアルファベットくらい覚えているから!」
ボ「アルファベットってそんなあったんですか?」
ツ「え、ちょっと待って、不安になってきましたよ……ABCDE」
ツッコミ指を折りながら数えていく。
ボ「Fね」
ツ「ああもう横から! 知ってるって、今数数えてるから! 横から言われると分からなくなるから!」
ボ「ちなみに、26個で合ってましたよ」
ツ「私の努力! 私の努力を返して!」
ボ「で、ウイニングイレブンなんですけどね」
ツ「聞いて? 会話して……? まぁいいです。ウイニングイレブンがどうしたって」
ボ「まぁ、色んな選手が居るじゃないんですけどね」
ツ「そりゃ居ますよ。攻める人も居れば、守る人も居るわけですからね」
ボ「で、私が注目しているのは若い選手なんですよ」
ツ「おお、現実でもね、若いスター選手っていうのはね、やっぱり良いものですからねぇ。分かります分かります。じゃあ、そういう選手を使って、サッカーしてるわけですね」
ボ「いや、安くて若い選手をですねぇ、育てて他のチームに売るっていうのが、たまらなく良いんですよ」
ツ「売る!?」
ボ「これが、無名の高卒ルーキーみたいなのだと、まあ安い!」
ツ「え、何? 経営側なの!?」
ボ「はい、そうですけど?」
ツ「せめて指を動かせ! スポーツして!? ヴァーチャルの中だけでも運動しよう? 選手になりきろう?」
ボ「いや、たまには私もね、選手を動かしますよ? 大事な時とかは」
ツ「あーやっぱり何かの大会の時は、そりゃあねぇ」
ボ「え? 選手に移籍の依頼が来た時くらいですけど?」
ツ「……はい?」
ボ「活躍させてるとですね、値段をぼったくれるんですよ」
ツ「もうヤダこの人、ちょっとやり口が人身売買じゃないですか……」
ボ「え、人身売買のやり口をご存知なんですかっ!?」
掴みかかるようにツッコミに寄っていくボケ。
頭をひっぱたくツッコミ。
ツ「知るかい! なんですかあなたは、いきなりテンション上げてきがって……興味津々ですか」
ボ「ええ、はい!」
ツ「そこは否定しよう? いくらeスポーツでも人道に反したノウハウを取り入れようとするな……」
ボ「さっきからeにこだわりますねぇ……ひょっとして、ショッカーですか?」
ツ「ショッカーの戦闘員じゃないから!」
ボ「だから人身売買のやり口を知っているんですね!?」
ツ「知らないから! もう良いよ!」
二人「「ありがとうございましたー」」