表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/65

やらかしマカロ

※この物語はフィクションです。

 絶対に真似しないでね!

 一方、配送係りに選ばれた大男マカロはチュンチュンというおばちゃんからトラックの運転の仕方を教わっていたのである。天国のトラックは単純な造りで、右足元のペダルを前に踏めば前進。後ろに踏めば後退する。ハンドルも左右に動かせば6つのタイヤが同じ方向に動く仕掛けだ。ブレーキは左足元のペダルを前に踏めばいいだけである。運転免許もなにもいらない。足が届くのならこどもでもできる仕事だ。


「これなら俺でも動かせそうだな」


 見たことのない大型トラックを前後に動かしたり左右に動かしたりして遊ぶマカロ。その様子を見て安心したのか、雀のような口をしたチュンチュンが一枚の地図を取り出して配送先を説明する。


「へヴンズ物流センター?」


「そう、今からアンタにそこへ行ってもらうよ。私も助手席で助言するから大丈夫さー」


 そう言うとチュンチュンは、マカロに梱包された冷凍コロッケをトラックへと運ばせ、彼とともに目的地であるヘブンズ物流センターへと向かった。が、しかし……


「信号だよ! ほら、ブレーキ! 違う、そっちは右足じゃないか!!」


 マカロは極度の不器用だったのである。仲間たちと冒険をしていたときも、ある遺跡で右と左のスイッチを押し間違えて罠にかかるということがあった。だが今そんなことはどうでもいい。目の前の天使ひとが次々と轢かれていく。ようやく止まったトラックからマカロたちが降りると、道路はレッドカーペットのようになっていた。そして、しばらく地面に伏せていた天使ひとが、いっせいに起き上がると、


「あれへヴンズフーズのトラックじゃん! 轢かれたし、もう絶対買わない!!」


 というようにその場から去っていく。状況が飲み込めないマカロにチュンチュンは青ざめた顔で天国の者は何度でも蘇ることを説明し、彼の代わりに運転席に座った。


「幸い警察沙汰にも裁判沙汰にもされなかったからよかったものの、一歩間違えていりゃ牢屋行きだったよ……あぁリンリン姐さんになんて言えばいいか……」


 しかし、血だらけの地面を見て放っておく者がいるわけもなく、彼らは警察に通報されてしまう。しかし警官が来たころには、被害に遭った者が一人も残っていなかったため、「ヒヤリハット」として処理された。チュンチュンはポロポロ泣きながら警官に何度もこうべを垂れて謝っている。それを真似してか、マカロも警官の前で、まるで頭突きをするかのような速度で頭を下げた。彼の頭は、ゴツン! と、一人の警官の頭部にクリティカルヒットし、そのまま気絶させる。


「あぁ~これ以上事態をややこしくしないでおくれよー」


 慌てた様子でチュンチュンが倒れた警官の腕をさすっていた。エインたちが知らないところで悪名がついてしまったへヴンズフーズ。これからどうなることやら……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ