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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
新品の2年生
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新品の2年生 11

「ご馳走様でした。」

ご飯を食べ終わり手を合わせる。

食べた食器を流し台に持っていく。

だが、洗い物はしない。

いや、やらせてもらえないが正しいのかもしれない。


母は私が洗い物をする事を嫌がる。

私の手が荒れるのを気にしている為だ。

アイドルの頃ならいざ知らず、今は普通の女子高生。

洗い物の一つも出来なければならないのではないかと思う。

だがそんな事を言っても、手伝いはさせてくれないので言わない様にしている。

また、包丁も危ないからと握らせてもらえない。


両親が私に対して、自由にやらせてくれる部分と、そうじゃない部分の境界線がまだハッキリとわからない。

だから、いつか一人暮らしをしたいとは思っている。

そうしなくては、何も出来ないまま大人になってしまいそうだから。


お腹も満たされ、自分の部屋に戻る。

リビングにいたら、やる気を失ってしまいそうな気がするのだ。

部屋に戻り、真っ黒になった楽譜をカバンから取り出す。

流石にメモ書きが楽譜に収まりきらなくなってしまった。

だから、気づいた事を書くためのノートを作る事にした。


楽譜に書いていた事をノートに書き写す。

書きながら、今日あった出来事、この曲と向き合った1週間を思い出す。

こういった作業もいいかも知れない。

色々な事を忘れずに残せそうだから。


書き終わったらベースの練習をしなくてはいけない。

今日だけで、上手くベースを弾けるようになったかと言われるとそうではないのだから。

コツコツと練習した上にしか、技術の向上はない。

私は今までそうやってきたし、これからもそうしていく。


そういえば、このバンドが何を目指しているのか聞いたことなかった。

この曲が弾けるようになったら…

いや、自分の納得するものになったら聞いてみよう。

そう決めたのだった。


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