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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
卒業のあと
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卒業のあと 5

「ベースの弦位自分で張れよな!」

店長に気を取られてすっかり忘れていたが、この店の雰囲気に合わない学生服の三人組が使い込まれた木の机を囲んで座っている。


「弦張るの苦手なんですもん。」

この言葉に嘘はない。

とはいえ、時間は掛かるが自分で張ることは出来る。

でも、自分で張ると何かが足りない。

そんな気がするのだ。


ベースを持ったまま三人組がいる方へと移動する。

全員同じ制服を着ているが、私の高校とは少し違う。

といっても、この地区の公立高校はみんな学ランなのだがボタンや校章が違うのだ。


三人が通っているのはこの街から少し離れた高校。

ここまで、自転車で40分かかるはずだ。

それで私より早く来るのだから少し尊敬する。

彼ら曰く、高校はちょっと田舎にあり最寄りのコンビニまで15分はかかるらしい。


この三人が誰なのか、そしてなぜ知り合ったのか語るにはまず、私の口元のソースを指摘した人物から説明しなくてはならない。


今岡寿気(いまおかとしき)

黒髪で髪は短めだが、なぜか膨らんでいる。

ボブではなく単純に直毛な為、髪の毛が浮いてしまうらしい。

痩せ型で身長はあまり高くない。

顔は少し店長に似ているが、少し丸顔だ。

彼はこの店の店長のいとこにあたるらしい。

でも、身長が高くないのはお父さんもあまり高くないからだと彼は言っている。

性格は、明るく、とにかくよく喋る、そしてよくいじられる。

たまに空気が読めない事を言うが、的を得た事を言う事もある。


今私は彼が組んでいるバンドに所属している。

ここにいる全員がそのバンドのメンバーだ。

学年は一つ上、残りのニ人も同級生の為私からすれば三人とも先輩にあたる。

しかも、私が一番加入したのが遅かったため全てにおいて後輩なのだ。


ちなみに彼がこのバンドのボーカルでギターも担当しておりオリジナル曲も何曲かある。

それを作詞、作曲したのは彼。

ほぼ独学で作っているらしい。


彼とは、小学校が同じで吹奏楽クラブに所属している時からの知り合いだ。

中学校も私が転校するまで同じだった。

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