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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
あの子は透明少女
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あの子は透明少女 16

買った時に店長がこっそり忍ばせていたのだろう。

あの子はわかっていたのだ。

私があの店で服を選ぶ事も。

そして、店長がお薦めした服を買うと。


これは呪いだ。

平凡な私を特別な存在だと勘違いさせる様に組まれた呪い。

憎いことしてくれる。

私は手に持っていた紙を再び折りたたみポケットに戻す。

呪いと分かっていながら。


控え室に戻る。

扉を開けた時点から周りの視線を感じずにはいられない。

明らかに皆に二度見されている。


だけど、それでいい。

これはステージ衣装。

目を引くことはマイナスじゃない。


さっきよりは落ち着いている。

ステージに立つ準備ができたからだろうか。

それとも呪いのせいか。


カバンから特製ドリンクの入った水筒を取り出す。

マヌカハニー以外の必要な材料はコンクールを見た帰り道にスーパーで買った。

朝の時間のない中で作った為、味見はしていない。


「今岡先輩!いつものです」

ひとまず、今岡先輩の分を紙コップに注ぐ。

受け取った先輩はいつものようにそれを一息で飲み干した。


「やっぱり緊張してるせいかな?いつもより、このドリンクも不味く感じる」

苦手を潰したような顔をする今岡先輩。

もちろん味見をしなかったを言えるはずもなく、私はただただ苦笑いをした。


問題は私だ。

まずいと分かっていながら飲むというのはとても勇気がいる。

昔、罰ゲームで飲んだとても苦いお茶。

今でも思い出すと、唾腺が刺激される。


コップにドリンクを注ぎ匂いを嗅ぐ。

生姜の匂いがするが、特にいつもと変わらない。

そもそも、特別美味しいわけではないから薬だと思って飲むのが正解だ。

私は意を決して口に含む。


"まずい"

吐き出しそうになるのを抑え、なんとか飲み込む。

苦味が強い。

マヌカハニーの苦味に、生姜の刺激が相まってより一層苦みを感じる。


生姜を入れすぎたのだろうか。

いや、分量はいつもと変わらないはず。

なのになぜ、こんなにも苦いのか。

原因があるとすれば、一つしかない。

炭酸水のせいだ。

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