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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
あの子は透明少女
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あの子は透明少女 15

化粧を一通り終えた。

さっきよりは演者らしくなっただろうか。

スマホを取り出し、カメラを起動する。


写真を一枚撮る。

決して思い出に残す為じゃない。

仕上がりを確認する為だ。


鏡で見るのとカメラを通して見る自分は違う。

同じ自分だが、画像の方が客観視できる。


ひとまず及第点。

カメラ機能を閉じ、ホーム画面に戻す。

沢山のメッセージ受信表示。

これだけメッセージが来ているのはかなり珍しい。


16区ナゴヤのメンバーやスタッフさんが大半。

私のために応援メッセージを送ってくれている。


ただ、一つ一つ見ている時間はない。

と言うか、一つ一つ見ていたらきっと泣いてしまう。

ただ、気掛かりなのは加奈子からのメッセージはないと言う事だ。


「今岡先輩、ちょっと着替えに行ってきますね」

今岡先輩に言付けをして控え室を出る。

更衣室は別の場所にあるからだ。


女子専用の更衣室。

誰もいない部屋の中をエアコンが淡々と冷やしている。

風の音すらも聞こえてくるほど静かな室内。

バックから衣装を出す。


衣装に袖を通す。

丁寧に収納していたおかげでシワはない。


襟のないバンドカラーシャツ。

白と黒のバイカラー。

オーバーサイズで、柄は幾何学模様。

下は黒のワイドパンツ。


衣装を着終え、鏡で改めて自分を確認する。

着こなしはイメージ通り。

真ん中分け、内巻きの髪型。

化粧はブラウンを中心に大人目。


外見の準備は完了。

念のため、軽く振り付けを踊って見る。

動き易さも考慮して選んだ衣装。

動いていて違和感はない。


人がいないと分かってると、動きの確認も堂々と出来る。

流石に密着のカメラもここまでは入ってこない。


ターンをした瞬間、衣装のポケットから何かが落ちる。

手を入れて見ると、丁寧に折り畳まれた紙が出てきた。


「killing Time」

折り畳まれた紙を開くと中にはそう書かれていた。

筆記体で。

この筆跡は間違いなく加奈子の字。

クラッシックのCDを借りた時のメモもこのように書いてあった為、間違いない。

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