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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
あの子は透明少女
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あの子は透明少女 3

彼女は真っ赤なギターをかき鳴らす。

それはこれから始まる衝動への後押しか、それとも嵐を巻き起こす引き金か。

大歓声と共に戦楽フェスU-22が開幕した。


ステージの真上に設置されている大型モニターで映像が流れる。

今から出てくるバンドの紹介VTRだ。

トップバッターは九州地区2位のバンド。

全員が佐賀県出身で九州地区が集まる別のフェスでは優勝したこともある実力者達でもある。


登場した面々は緊張した面持ち。

楽器を持つ手もぎこちない。

彼らはかなりの数のステージに立っているはず。

お客さんの前で歌う事には慣れている筈なのにだ。


控え室のモニターを見つめる出場者達。

三石昴が現れた時とは打って変わり、その表情からは緊張感が伝わってくる。

自分達がステージに上がった時の想定をしているのだろう。


演奏が始まる。

ステージが温まり切っていないのか、反応は思ったより薄い。

1曲目にかなり激しめの曲を選んだのが、裏目に出た様だ。


観客がバンドの熱量について来れていない。

差を感じて逆に冷静になってしまっている。


実力もあるし、曲もすごい完成度だ。

緊張はあれどステージで堂々と演奏している。

だが、トップバッターであるが故に観客も一歩引いてしまっている。

どう乗っていけばいいか探ってしまっている為か、波に乗り切れていない。


二曲目もテンポは早め。

歓声が上がり始める。

ようやく会場が温まってきた。


一曲目で出遅れた分を取り戻す様に楽器を掻き鳴らす。

こうなれば、本来の実力が見えてくる。


歌詞の真っ直ぐさと大胆なギターワーク。

緻密さよりも熱量で歌を届ける。

CDよりもライブで活きるバンドなのだろう。


そして、三曲目は選考で演奏してきた曲。

このフェス中ずっと使ってきた曲。

いわばこのバンドの代表曲だ。


観客もこの曲には一番の歓声をあげる。

事前に聞いてきたのだろう。

音の乗り方も様になってきた。


トップバッターとしての役割を十二分を離した佐賀代表。

でも、審査員は浮かない表情をしていた。

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