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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
卒業のあと
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卒業のあと 39

ライブが明け1週間後、2期生の募集が始まった。

それと同時に、選抜メンバー7人での5thシングルのレッスンも始まった。


レッスン場に集まった7人。

普段の半分くらいしかいないその空間に一同戸惑っていた。

鏡を見ても後ろには誰もいない。

それが心細さを感じさせてしまう。


だか、練習が始まったらそうも言ってられない。

今回は人数が少ない上に難易度が高く、メンバーはいつも以上に念入りにフォーメーションや振りの確認をしている。

ダンスは事前に動画を貰っており、メンバーは大体踊れる様になってからレッスンに入るというのがこのグループの特徴だ。

それに加えて、デビューするまでにダンスの基礎を徹底的に叩き込まれて来た為、ある程度のスキルは持っている。

それぞれが、鏡の中の自分と向き合いながら全体のイメージを共有していく。


その中で飛び抜けているのは、やはり珠紀だ。

すでに振り入れは完璧、他のメンバーにアドバイスをしている。


私はダンスが先程変更になり、振り入れを修正していた。

ダンスが変更になる事は日常茶飯事で、なんなら披露する前日に変わるなんてこともある。

もう慣れたものだ。


ダンスの先生に新しくなった振りを指導してもらいながら横目で、新センターに選ばれた人物を見る。

その人は別の先生に叱られていた。

ダンスがあまり得意ではないのは知っている。

ただでさえ、突然センターに選ばれた事を飲み込めていない状態だ。

加えて、難易度の高いダンス。

多分この中で今一番大変な思いをしていると言っても過言ではない。


その姿を見ると、心が重くなる。

本当にこの選択は正しかったのか、まだ始まったばかりで判断は出来ない。

しかも、その答えを知る頃には私はこのグループにいない。


“なんて無責任なんだろう”

鏡に映る自分の姿を見て思う。

私の夢もグループの未来も先行きが見えない。

か細い身体のその人は何を思って鏡の前に立っているのだろう。

不安な気持ちを掻き消す様にダンスを踊る私だった。

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