表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
多分、アップビート
392/417

多分、アップビート 27

再び観客席が暗くなる。

どうやら結果が決まったようだ。


アナウンスと共に審査員達がステージへと上がる。

全員しっかりと正装で。

こう言った所からもこのコンクールの格式の高さが感じ取れる。


この人達がどういう立場の人なのか。

私は様々な人を見てきたからわかる。

どの人達も一癖ありそうだ。


審査員長が紹介され、中肉中背の白髪の男性がマイクを手に持つ。

結果を前に今回のコンクールの総評を述べていた。


近年まれに見る大変レベルの高いものになった事。

結果を決めるのが大変だった事。

今回の入賞者の決め手など。


ただ、結果を待つ出場者達が果たしてこの話を聞いているかは疑問だ。

耳には入っているだろうが頭まで言葉が入っては行かないだろう。

その代わり、焦らしとしてはかなり効果がある。


話が終わり、審査員長はマイクを下ろす。

短め、でも待つ側からしたら永遠とも思える時間も終わった。

いよいよ入賞者の発表へと移る。


入賞者が読み上げられていく。

ただ、一人名前を呼ぶたびにたっぷりと間が開くため、かなり心臓に悪い。

読み上げる側からしたら丁寧さを重視しているのだろう。

間も時間にしたら僅か。

ただ、待っている側からしたら永遠に思えてしまう。


名前を呼ばれ嬉しそうな顔をする者や、悔しい顔をする者。

安堵の表情を浮かべる者まで、様々な喜怒哀楽がステージ上で見ることができる。


加奈子ちゃんは名前を呼ばれた時、どんな表情をするのだろう。

想像してみたが、泣いている姿しか思い浮かばない。

嬉しいにしろ、悲しいにしろきっと彼女は涙を流すだろう。

そんな事を思いながら、アナウンスに耳を集中させていた。


しかし、彼女の名前は一向に呼ばれない。 

残るは優秀賞と最優秀賞だけ。

私は背中に冷や汗が流れるのを感じた。


ただ、まだ分からない。

入賞していないという可能性もある。


優秀賞が発表された。

呼ばれたのは加奈子ちゃんの前に演奏していたカナダ人の男性。

力強い演奏をしていた人だ。

彼は相変わらず堂々とステージに上がる。

ただ、少し悔しそうな、でも納得している様な表情をしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ