多分、アップビート 21
沢山のお客さんに囲まれたらステージ。
実力のあるメンバーが揃う中、それに負けないくらい堂々とダンスをする女の子。
何度も何度もテレビの画面を通して見た景色。
私と同い年。
なのに、大人びて見える。
一緒に踊っている歳上のメンバーと遜色ないくらいに。
なんて芯の強い人なのだろう。
あのステージで踊っている事自体が異例の状態。
本人すら予想していなかったはず。
全く動揺していない。
自分を見失わず、伝えたい事を表現している。
まるで、最初から自分の場所であったかのように。
その姿は、オーケストラにおける自分の立ち位置と重なった。
オーケストラの編成では通常、トランペットの人数は1人又は2人。
演奏する曲にもよるが、30人以上の様々な楽器の奏者がいる中でそれだけしかいない。
主力である弦楽器群に比べれば心細くみえる。
しかし、トランペットは華やかといわれる程存在感を放つ楽器。
オーケストラの中でも一際目立つ楽器なのだ。
それだけではない。
オーケストラにおける、トランペットが受け持つべき役割は曲によって様々。
時代や場所、作曲家によって変わってくる。
主役を張ったり、景色の一部になったり、はたまた全く登場しなかったり。
華やかと言いながら、バイプレイヤーとしても存在することのある面白い楽器だ。
その分、曲への理解度がかなり大切になるのだが。
踊っているあの子もそうだ。
最初は他のメンバーを引き立たせていたと思えば、主役になった瞬間、一気に輝きを放った。
それは、自分を見失わずにいられるから出来ること。
自分という人間を信じているからこそ出来るのだろう。
内面的なものだけじゃない。
音楽的な目線から言えば、曲への理解度がずば抜けている。
曲の表現したいテーマをしっかりと読み解いている事がパフォーマンスの中で随所に見えていた。
あのソロダンスだってそう。
技術だけではあれだけの表現は出来ないはずだ。
あれだけソロダンスの部分が、有名になったのはその面も観客が感じ取った結果だろう。




