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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
夏蝉、鳴く
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夏蝉、鳴く 40

戦楽フェスU-18は元々、新人発掘という目的でイベントで各レコード会社の出資で始まった。

予選は東京と大阪の二会場のみ。

本戦も500人規模のライブハウスでおこなわれていた。

当然今の様にテレビ中継なんてなく、イベントとしての認知度はかなり低かったと思われる。


だが、年々戦楽フェスは注目を浴びる様になり、今ではイベント自体が大きなコンテンツとなった。

出場するバンドも年々増え、フェスの規模もどんどん大きくなっていく。

噂を聞きつけたメディアがスポンサーにつくまでになり、ライブ中継まで行われるまでになったのだ。


当然、優勝したバンドはデビュー前からファンが付き市場価値はかなり高くなる。

その為、人気の出てきたバンドの契約は競争。

早めに契約しなくては他の事務所にとられてしまう可能性がある。

だからこそ、本戦が始まる前にある程度の目星はつけておき、繋がりを作らなくてはならないのだ。


その為に俺は社長と対面している。

予選会を全て審査した自分の意見を報告する為に。


「それで、国越くんはどのバンドがいいと思うの?」

俺はこのレコード会社「トライアングル&スクエア」の社員。

当然、この会社のトップである社長に自分の見解を報告するのは緊張する。

しかも、社長に真っ直ぐ自分の目を見られると尚更だ。


「前にも報告しました通り、fishing is goodはずば抜けてますね。間違いなく彼らは人気が出ると考えます」

そう言って社長に資料を渡す。


「fishing is goodの事は、他のレコード会社もスカウトに動いてるみたいだから競争になりそうね。早めに手を打たないと」

社長は顎を掌に乗せる。

俺は焦った。

こうなっている時の社長はビジネスモード。

はっきり言って退屈な時によくこの姿勢を取る。


それから何組かバンドの候補を挙げるも、その姿勢を崩さない。

俺のカッターの中の肌着は汗を吸って重くなっていく。

空調の設定が少し高めのこの部屋。

嫌な汗が止まらなくなっていた。


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