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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
卒業のあと
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卒業のあと 2

置いてあったのは封筒と段ボール箱


“事務所からだ”

封筒には事務所の名前が書かれていた。

ハサミで封を開け中に入っている紙を取り出す。

内容は事務的な事が書き連ねてあった。

紙に書いてある事を読み終え、段ボール箱を開ける。


その中には、沢山の手紙とぬいぐるみなどが入っていた。


“ファンの人からだ”

中身を見て嬉しくなる。

と同時に寂しくもなる。

矛盾している感情が湧き上がって来ていた。

手紙もぬいぐるみも大切にしまってある。

どれもが大切なものだ。


段ボールの中身を見て感傷に浸っているとスマホが鳴る。

“あ!!ヤバい!”

スマホの画面に表示されるメッセージ。

そして、時計の時刻を見て焦りながら段ボールの蓋を閉じる。

中身は後でじっくり見ればいい。


“急がなきゃ!”

支度を始めると鏡に映る自分を見てある事に気付く。

家に帰ってから制服を着たままだった。


急いで制服をハンガーにかけ、私服に着替える。

私服といってもジーンズにTシャツ、グレーのパーカー、至って地味な格好だ。

しかも、化粧もしていない。

だけど、別に都会でもないこの街なら浮くことはないし、むしろ馴染んでいると私は勝手に思っている。


“この街に派手なものは似合わない”

この街に16年住んでいる私の考えだ。

机に掛けてあったトートバッグを手に取り急いで部屋を出る。


誰もいなくなり静かになった部屋のベット沿いの壁に掛けてある写真。

大事そうにフレームに入れられている。

「祝グループ結成3周年」

写真の余白にマジックでそう書かれている。

また、そこには統一された衣装を着た女の子達が万遍の笑みで写っている。

その中で彼女もまた笑っていた。

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