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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
夏蝉、鳴く
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夏蝉、鳴く 32

今岡先輩の家に辿り着く頃には、夕方6時を回っていた。

夕日も沈みかけ、夜が始まりかけている。


スマホが鳴り止まない。

里未ちゃんや珠紀、16区ナゴヤのメンバー達。

いつもの泣き虫マネージャー、ダンスの先生である亜佑美先生。

次々と祝福の連絡をくれた。


みんな情報を聞きつけるのが早い。

戦楽フェスはそれだけ注目度の高いイベントという事なのだろうか。


加奈子ちゃんはまだレッスン中なのだろうか。

彼女からの連絡がない事を気にしている自分がいる。


そしてもう一人。

そういえば、卒業してから一度も連絡をとっていないあの人。

昔はあんなに連絡を取り合っていたのに。


そんな事を思いながらいると、車が家の前で止まる。

私達が降りやすい様、ガレージに入る前に玄関に寄せてくれたのだ。

先輩のお母さんにお礼を言って車から降りる。

玄関の隣にあるガレージには見慣れた自転車が3台並んでいた。

私の読みは当たっていたのだ。

まあ、帰る途中で連絡が来ていたのだが。


家に上がると先輩達はリビングにいた。

ソファーに座り浅く腰掛け、テレビ画面を真剣に観ている。

画面には私がカーナビで見ていたのと同じ、戦楽フェスの本戦出場者発表の番組だった。


「遅れてすみません」

先輩達にそう言って空いているスペースに小さく座った。


私は途中からしかこの番組を観ていなかった為、知らなかったのだが動画配信サイトでも生放送されていたらしい。

その為、今画面に映っているのはその動画のアーカイブ。

スマホからテレビに動画配信サイトの映像を映しているのだ。


北海道と東北、関東、東海、関西、中四国と九州。

この五つの予選会を勝ち抜いた計12組のバンドが本戦へと進んだ。

どの会場の本戦出場バンドもレベルが高い。

名古屋予選でもかなりのレベルだと思っていたが、それを遙かに超えていた。


先輩達は黙ってその映像を食い入る様に見つめている。

まるで何かを探しているかの様に。


「大輝やっぱり上がってきたか」

今岡先輩がそう呟いたのは関東予選である東京会場の映像を観ている時。

関東予選1位のバントが発表された瞬間の事だった。

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