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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
夏蝉、鳴く
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夏蝉、鳴く 21

そして、ダンススタジオのレッスンの日がやってきた。

あれから1週間。

未だに踊りこなせずにいる。


先週より確実に動けるようになっているし、イメージもしっかりしてきた。

でも、それが手に余る。

何度やっても同じ。

思い描いたイメージに私自身がついていけていない。


レッスンに入ると案外踊れる。

だか、それは錯覚だ。

目の前の人達の動きに引っ張ってもらっているだけで、本当の意味で自分のものではない。

踊りながらその事が自分で分かってしまう。


私は息を整えながら、頭の中でイメージをひたすら再生していた。


"萌相当練習してきたんだろうな"

先週とは全く違う動きを見せる彼女を見て私は思わず笑ってしまった。

ただ、恐らく彼女はこのダンスに全然納得してはいないだろう。

初めて会ったときから何も変わっていない。


彼女がまだ16区ナゴヤにいた頃の話。

楽曲の振り付けを担当していた私だが、自分自身の公演の準備やレッスン生達の指導もあり、毎日レッスンに付き合っているわけではなかった。

だから、行けても1週間に一回というペース。

行けない日は別のスタッフが対応していた。


当時から目を引いていたのは西村珠紀。

元々光るものがある彼女だが、ダンスを覚えるのも早かった。


そんな西村の影にいたのが萌。

ダンスを覚えるスピードも、西村と同じくらいかそれより早い位。

だが、西村珠紀という人間の光に掻き消されている印象があった。


1週間もあれば大体はみんな踊れる様になる。

振り付け指導をした1週間後、再びレッスンをするとちゃんと踊れていた。

だけど、その完成度は人によって違いが出てくる訳で、それは踊りを見れば明らかだ。


そこで私は柄本萌の本当の能力を垣間見る事になる。

振り入れが終わっているのは当たり前だが、彼女はスタジオの天井に目があるのかという位、フォーメーションの認識が上手かった。

何故なら選抜メンバー全員の振り付けをおぼえていたのだ。


メンバーの動きを頭の中で思い浮かべながら踊る。

しかも、21人分。

そんな事を1週間で出来る様にしていた。

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