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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
夏蝉、鳴く
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夏蝉、鳴く 11

「私びっくりしたんです。16区ナゴヤが出るからって録画してた番組観てたら突然お兄ちゃんが出て来て」

知美ちゃんの言いたい事も分かる。

だけど、私達もあの時は困惑していた。

急に楽屋でテレビカメラが入ると聞いたのだから。

しかも、収録ではなく生放送。

今思い出しても心臓が縮む。


「そうだったんだ!私は逆に珠紀達が出る事を知らなかったからそっちの方が驚いたな」

彼女曰く、オープニングアクトで16区ナゴヤが出る事になったのは当日のサプライズ発表だったらしい。

その為、慌てて録画したとの事だった。


サプライズにしたのは混乱を防ぐ為だったのだろう。

結果として、16区ナゴヤのファンの人が押し寄せる事は無かったのだから効果はあったのかもしれない。


「今岡先輩かっこよかったでしょ?」

昨日の演奏中の事を思い出す。

今岡先輩のエレキギターの音。

始めは戸惑っていたお客さん達を引き込んでいったあの音。

あの時の先輩は本当に頼もしかった。


「そうですか?萌さんの方がカッコ良かったですよ!」

なんの躊躇もない即答。

思わず苦笑いしてしまう。

先程から先輩が全く尊敬されていない。

少しでいいから先輩を立ててあげて欲しいと思うのだが、兄妹とはそう言うものなのだろうか。

兄弟の居ない私には分からない。


そんな話をしている間に今岡先輩の家に着き立ち止まる。


「あ、そうだ!知美ちゃん連絡先教えて!試合会場とか時間とか送って欲しい!」

私はそう言ってスマートフォンを取り出す。

すると、彼女も嬉しそうにスマートフォンを取り出してくれた。


彼女の待ち受け画面は珠紀の顔写真。

画面の中の珠紀は「サンプリングオリジナル」の衣装を着ていた。


「萌さん若いですね!」

私の待ち受けを指差す彼女。


「これはオーディションの合格発表の後の写真だから、中学2年生の時かな。今の知美ちゃんより少し下だね」

それを聞いた彼女は慌てた様子で私のスマホの画面を拡大する。

私の顔が画面いっぱいに広がった。

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