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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
たりないぶたい
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たりないぶたい 41

先輩達と一緒に地下鉄に揺られながら私は目を擦る。

正直眠い。

久しぶりに立ったステージ。

やっぱり緊張した。

ステージというのは何回立っても慣れない。

しかも、自分達が演奏をするという形は初めてだった為かあの頃より緊張したような気がする。


先輩達には偉そうな事を言ったけど結局私もまだまだ未熟。

変に経験がある分余計にめんどくさい。

経験が邪魔をしてしまうから。


「次は名古屋、名古屋!」

車内アナウンスにハッとする。

降りなくてはならない。

夢見心地の先輩達を現実に引っ張り戻し、電車を降りる。

自ら降りたというよりは人混みに流されたという方が正解かもしれない。

休日の地下鉄は濁流だから。


地上へと続く階段を登る。

地下鉄に向かう人、私達と同じ様に地上へと戻る人。

どちらの流れにも逆らわず流れに流される様に歩く。

自分勝手に進もうとすると、かなりの体力を使う羽目になるからだ。


地上に出てもそれは同じ。

様々な人の動線が絡み合うこの場所では、動線を見極めるのが上手く歩くコツなのだ。


「やっぱり名古屋駅は人が多くて歩きにくいな」

人混みに巻き込まれながら私の後に続く先輩達。

豊田先輩は寝起きで機嫌が悪いのか愚痴を溢している。


「疲れたし、早く帰って寝たい」

今岡先輩も同様。

疲れているのは間違い訳なので、愚痴を溢したくなる気持ちは分かる。


「柄本は凄いよな。この後まだ人と会うんだろ?」

豊田先輩の言う通り、先輩達とはここでお別れだ。

これから私は人と会う約束がある。


先輩達にこの後の予定を聞いたのだが、今日は真っ直ぐ家に帰るとの事だった。

ライブの疲れもあるし、明日もまだ学校がある。

正しい判断だと思う。

現に電車の中で寝てしまうくらいだ。

相当疲れはある。


もちろんバンドでの打ち上げはやる。

ただ、今日ではなく違う日に行う事になった。

だから私はこの後の予定を入れたのだ。


またしても私はライブ終わりに打ち上げをするという夢が砕け散った。

それは誰にも気づかれる事なく密かに。

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