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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
たりないぶたい
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たりないぶたい 38

それからスペーシー平尾さんと少しだけ会話をした。

会話の内容は私がアイドルを卒業してからの事。

とは言っても、普通の女子高生として生活しているという事くらいしか話ていない。

あまり私生活のことは詳しく聞かない様にしてくださっていたのだろう。


凄く優しく接してくださっている。

迷惑をかけたのは私なのに。


あまり長居するのも迷惑だと思い早めに楽屋を出る。

少しの時間だったけどすごく貴重な時間になった。

また一層ラジオを聴くのが楽しみになりそうだ。


控え室に戻りながらラジオのリスナーであるといいそびれた事を思い出す。

少し後悔したが、また次の機会に言う事にした。

次なんてあるかも分からないのに。

なんとも都合のいい事を考えたものだ。


控え室に戻ると既にみんな帰ったのか先輩達しか残っていない。


「帰るぞ!」

既に自分の荷物を抱えている先輩達に私のベースとトートバッグを渡され背負いながら控え室を出る。

先輩達の後ろを歩く私。

何やら出口の方が騒がしい。


ライブハウスの関係者出口を出ると、ファンに囲まれているバンドがいた。


「あいつらやっぱり凄く人気あるな」

「fishing is good」のメンバー達は出てくるのを待っていたファンにサインを書いたりしていた。

これは所謂出待ちというやつだ。

まだデビューもしていないのにもうファンがいる。

今岡先輩の言う通り凄い人気だ。


かく言う私も元アイドル。

自分でいうのは恥ずかしいがそれなりにファンはいた。

なんならグループ内でも結構人気があった方。

だけど誰も私達の出待ちはいない。

彼らに嫉妬してしまいそうだ。


まただ。

また、私の中の自尊心が顔を出す。

分かっている。

わかっているつもりなのに、やっぱり高い自己顕示欲。

今日その事を痛感せざるを得なかった。

もしあの時、別の人だったら観客にどれだけ悪口を言われても冷静に対処していたかもしれない。

自尊心を傷つけられ、怒ってしまった私はまだ子供だ。

まだまだ軽率な自分に落ち込む。

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