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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
卒業のあと
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卒業のあと 23

事務所に着いた。

正確には扉前で立ち止まっている。

扉を開けるのが怖い。

久しぶりとはいえ、見慣れた事務所。

いわばホームな筈なのに、今日は完全にアウェイな感じがする。


少し躊躇していると、勝手に扉が開いてしまう。

カードキー式の扉のため、カードキーをかざさないと開かないはず。


「わ!びっくりした‼︎」

勢いよく扉を開け、ベタベタのリアクションで驚く少女。

むしろ、いきなり出てきて驚いたのはこっちだ。


「あれ?たまき?」

扉を開けたのは私がよく知る同じグループのメンバーだった。


西村珠紀(にしむらたまき)

「16区ナゴヤ」の初期メンバーの一人。

このグループのシングルは全てセンターを務めている。

またデビュー時に「23区トウキョウ」のシングルでいきなり選抜メンバーに抜擢され話題になった。

それ以来「23区トウキョウ」のシングルにも毎回選抜メンバーとして参加している。

小学5年生の時に加入し、グループ全体の最年少。

現在は中学生で、身長は今の時点で私と同じ。

髪の毛は長く肩甲骨辺りまで伸びている。

明るく無邪気で甘えん坊でまだまだあどけないが、一度ステージに立つと一変して誰よりも頼もしい存在に変わる。

運動神経抜群でダンスも上手い。


私に懐いており仕事で宿泊になると部屋割りが違っても何故か一緒に寝ようとしてくる。

一人っ子の私にとって妹のような存在だ。


「あれ?なんでいるの?」

珠紀は人の気も知らず無邪気に聞いてくる。


「事務所に来るように言われたの。珠紀はなんか用事?」


「そうなんだ!私はね…内緒!」

そう言って勢いよく外に駆け出して行く。

その背中を見送り私は中に入る。

中学生になってもまだまだ子供だ。


珠紀が何故呼ばれたか私はこの後知ることになった。

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