表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
たりないぶたい
226/417

たりないぶたい 17

お客さんが悪いわけじゃない。

私の力が足りなかった。

そう言わないといけないと思う。

だって凄いものを見たらどんな人でも凄いと思う筈だし、感動してくれるはずだから。


今は泣いちゃいけない。

だって泣いたらこのステージの悔しさも一緒に流れちゃう様な気がするから。

それに私はこのグループのセンター。

こんなとこで弱音を吐いちゃダメだ。

23区トウキョウの双葉さんみたいにもっと立派にならなきゃいけない。

それに泣いても慰めてくれる萌ちゃんはもういないのだ。


「みんな着替えて!そろそろ行かないと!スタッフさんの邪魔になっちゃう!」

里未ちゃんがみんなに声を掛けている。

自分だって泣きたい程悔しかったはずなのに。

そこにはいつもの泣き虫なキャプテンはいなかった。

自分の気持ちを押し殺してステージで頭を下げたその姿は本当に大人だと思う。


「珠紀も早く着替えて!」

もう一度ステージを目に焼き付け背を向けた。

今度来る時は…今度はみんなで笑ってステージに立ちたい。

そう誓い私は控え室に戻った。


メンバー達が次の仕事の為、衣装を着替えている控え室。

まだすすり泣く声が聞こえているその部屋で私は少し苛立っていた。

先輩ではあるが一言言いたくなる。

一体いつまで泣いているのかと。


確かにさっきのステージは私も悔しかった。

悔しくて泣く気持ちもわかる。

でも、次の仕事があるのだ。

いつまでも泣いていたら化粧は崩れるし、喉に悪いし、目が腫れて仕事に支障が出てしまう。

プロなら気持ちの切り替えも必要な能力だ。


一つの事に執着しすぎる。

こういう所がまだまだ未熟だと思うが、私は後輩だ。

そんな事をいう立場にまだない。

こんな感じでこの先大丈夫だろうか。

未来が少し不安になる。


とりあえず、衣装を着替え終わり控え室の椅子に座る。

私はケータリングで用意して貰っていたエネルギーチャージ出来るゼリーを飲みながらステージの映像をなんとなくみていた。

するとよく知らないお笑い芸人がステージでスベっている所だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ