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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
たりないぶたい
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たりないぶたい 15

徐々にメンバー達の顔に焦りの表情が見え始める。

特に通常の選抜メンバーではなく代打で出たメンバーの焦りは顕著だ。

そりゃそうだろう。

今日のパフォーマンスは悪くない。

いつものステージなら今頃大歓声に包まれている筈だから。


大阪や福岡のイベントだったらまだ分かる。

でもここは名古屋。

地元なのだ。


それでも崩れないのは珠紀とキャプテンのおかげだろう。

この2人はこんな中でも堂々としたパフォーマンスを披露し続けている。

それが他のメンバー達の支えとなり、なんとか一体感を保てていた。


「皆さんこんにちは!私達…」


「「16区ナゴヤです!!」」

一曲目の披露が終わり、自己紹介をする為一列に並んだメンバー達。

そんな中キャプテンがマイクを持ち一歩前に出た。

グループの代表として話をする為だ。


「今日は戦楽フェスU-18名古屋予選の応援サポーターとして参加させていただきました!皆さん楽しむ準備は出来てますか?」

キャプテンの呼びかけに対しても返答は疎ら。

後ろにいるメンバー達は笑顔を保っているが見るからにひきつっていた。


「私達も全力でこのイベントを盛り上げて行きますのでよろしくお願いします!」

それでもキャプテンは1人笑顔を絶やさず観客に頭を下げる。

それを合図にメンバー達は展開して行く。

フォーメーションを展開すると次の曲のbgmが流れ始める。


2曲目が始まっても盛り上がりに欠けていた。

相変わらず歓声は少ない。

歓声を送ってくれるお客さんが浮いているようにすら感じる程だ。


観客の顔は見えないが、どんな姿でステージを見ているか想像出来る。

腕を組み興味なさそうにただ曲が終わるのを待っているのだろう。

アイドルには興味ありませんとアピールするかの様に。


結局最後までその姿が変わる事は無かった。

必死にパフォーマンスする彼女を、観ているのが辛くなる位だった。

曲のパフォーマンスが終わったメンバー達の顔に達成感はない。

キャプテンの強く握った拳。

それが全てを物語っていた。

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